きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

マダム・ウェブ

マーベル・コミックスのキャラクター、マダム・ウェブを主役に描くミステリーサスペンス。原作コミックでは未来予知の能力でスパイダーマンを救う役割を担い、知性を武器にする点でもほかのヒーローとは一線を画するキャラクターとして知られるマダム・ウェブの若かりし頃の物語を描く。
ニューヨークで救命士として働くキャシー・ウェブは、生死の境をさまよう大事故にあったことをきっかけに、未来を予知する能力を手にする。突如覚醒した能力に戸惑うキャシーだったが、ある時、偶然出会った3人の少女が、黒いマスクとスーツに身を包んだ謎の男に殺される悪夢のような未来を見たことから、図らずもその男から少女たちを守ることになる。
主人公キャシー・ウェブ/マダム・ウェブ役は「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」「サスペリア」のダコタ・ジョンソン。キャシーが未来を救おうとする3人の少女を、「リアリティ」のシドニー・スウィーニー、「ゴーストバスターズ アフターライフ」のセレステ・オコナー、「トランスフォーマー 最後の騎士王」のイザベラ・メルセドがそれぞれ演じる。監督はテレシリーズ「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」などを手がけてきたS・J・クラークソン。(映画・comより)

ハイ、久しぶりのマーベル映画ですね。とは言えワタクシこのところのマーベル作品に食傷気味でして、昨年11月に見た「マーベルズ」も期待しながら見に行きましたが、これがなかなか残念な内容でして番組でも割と酷評気味に感想をお伝えしたところです。

そんな事もあって今作は正直あまり惹かれなかったのですが、しかし長年MCUを見てきた身として更に今作は後のスパイダーマンにとって重要な役割を担うマダム・ウェブの単独作との事で結局見て参りました。先日紹介した『劇場版ハイキュー‼︎ ゴミ捨て場の決戦』と同日の2月23日天皇誕生日。MOVIX日吉津で鑑賞。事前に鑑賞を躊躇した割にはちゃっかり公開日に見ております。

さて、今作はマダム・ウェブがスパイダーマンを救うよりもずっと前の話し。ピーター・パーカーのスパイダーマンだってまだ存在していません。なのでスパイダーマンシリーズと直接の結びつきがないので一人の女性ヒーローが誕生するオリジンストーリーなので特に予備知識必要なしで楽しめるのがポイント。

最近のマーベル作品って他の作品とのユニバースがある為、追っていくのが大変。劇場公開作を抑えるだけではなくディズニープラスで配信されるストーリーもあるので全てを把握するのはかなり困難です。更に末期の「ドラゴンボール」かってくらい強さのインフレ状態だったりでそこに辟易してる人もフラットな視点更にはまだヒーローになる前の女性のストーリーですからその辺のフレッシュさに感情が乗せやすいというのもあります。

更には物語の舞台が冒頭が1973年の南米ペルーに始まりますが、これは後のマダム・ウェブの出生のエピソードとして描かれます。そんな彼女が30代を迎えた2003年。この時代が今作での主要な舞台となります。それもあって当時のヒット曲が流れると僕もテンションが上がりました!ニューヨークのビルにはビヨンセの巨大看板。ブリトニーの「TOXIC」が単に作品を盛り上げる挿入歌として使われるだけではなくこの曲を使ったトリッキーな映像的な演出等細やかなこだわりが映画を盛り上げてくれます。更には映画としてのまとめ方も00年代っぽいんですよね。決して無駄な場面は用意せずにサクサクとストーリーを進めていく辺りとか。ここ最近のハリウッド映画って長尺の物が多いじゃないですか?もちろんその全てが悪いとは言いませんが集中力が続かない問題があるし、監督のあれもこれも入れちゃいたいという良くも悪くもな貪欲さが足を引っ張る結果になった作品だって枚挙にいとまがない。逆に『マーベルズ』はここ昨今のマーベル作品にしては珍しいくらいの短い尺。で、僕は番組でも言った様に今度は逆にもっと尺を使って欲しかった場面をコンパクトにしてしまったせいで作品としての深みが足りなくなってしまったと指摘しました。

さて、今作はどうでしょう?

これがね〜、すごい絶妙な塩梅なんですよ。だれる場面もなくかと言って物語としての説明不足感もなく。00年代舞台の映画という事でこの時代の雰囲気を出しつつ映画のスタイルもそこに寄せていったのが功を奏したのではないかと思っています。

また、マダム・ウェブが救う三人のティーンエイジャーのキャラクターの描き方も良かったですね!同じ年頃の彼女達ではあるが、それぞれ異なる性格や属性。もしも同じクラスなら交わる事の薄いであろう彼女達がマダム・ウェブに助けられる事によって共同で過ごす事に。もしやモデルはTLC?なんて思いましたが、TLCは90年代か…とすればアメリカのPerfumeって事で…って無理やりだな、オイ!さておきこんな彼女達が今後彼女達がヒーローとして覚醒する展開になるわけですから今後のシリーズを考えるとなかなか胸熱ですね!

それからマダム・ウェブことキャシー・ウェブのキャラクターについて。彼女はマダム・ウェブになる前はニューヨークで救急救命士として働いています。つまりマダム・ウェブのヒーロー的な救助と形は違えど日常的に人命の救助を行なっているんですね。この辺りはこれまでのアメコミヒーローでありそうでなかった設定ですよね?救命士としての知識を活かしながらヒーローとして人を助ける場面更には件の三人の少女達にそのスキルを伝授する等の設定が生かされていましたね。

また、去年のアカデミー受賞作『エブリシング・エブリホエア・オールアット・ワンス』(通称・エブエブ)を思わせる様な予見や予知にデジャブ現象等をバラエティに富んだ表現で楽しませてくれました。

それから女性の主人公だからと安易に恋愛描写を盛り込まなかった点も良かったですね。はじめは救命士の同僚の彼とそんな展開になるかなと思いましたが、彼はあくまで同僚であり良き友人また様々なトラブルに力を貸すサポーターでもあるという非常にバランスの取れたキャラクターでしたね。

それから「ん?これはもしや後のスパイダーマン?ピーターパーカー?」なんて予見させる様な場面もあったりします。ここはファンならおっ!ってなっちゃうんじゃないですかね?

冒頭で述べた様にMCUのシリーズに対してこのところネガティブな印象を持っていた僕。

この新シリーズはかなり久しぶりに当たりがきたなと感じました!

今後の展開にワクワクします!マダム・ウェブの活躍にアメリカ版Perfume?ではないけど三人のガールズの成長にそしてどのタイミングでスパイダーマンとクロスしていくのか楽しみです!

是非劇場でご覧下さい!