きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

マッチング

「ミッドナイトスワン」の内田英治が原作・脚本・監督を務め、マッチングアプリによる出会いから始まる恐怖をオリジナルストーリーで描いたサスペンススリラー。
ウェディングプランナーとして働く輪花は恋愛に奥手で、親友で同僚の尚美に勧められてマッチングアプリに登録することに。マッチングした相手・吐夢と会ってみたものの、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男だった。それ以来、吐夢は輪花のストーカーと化し、恐怖を感じた輪花は取引先であるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山に助けを求める。同じ頃、“アプリ婚”した夫婦を狙った連続殺人事件が起こる。輪花を取り巻く人々の本当の顔が次々と明らかになっていく中、輪花の身にも事件の魔の手が迫る。
主人公・輪花を土屋太鳳、狂気のストーカー・吐夢をアイドルグループ「Snow Man」の佐久間大介、輪花を助けるプログラマー・影山を金子ノブアキが演じる。(映画・comより)

マッチングアプリ。今や男女の出会いのツールとして定着した感があります。私?利用した事はなくはないです。ただまぁ、あまり良い出会いはなくて…なんて事はどうでもよくそんなマッチングアプリを題材としたサイコサスペンスという事で興味津々。3月1日に松江東宝5にて鑑賞して参りました。

さて、マッチングアプリを使って一体どんなスリリングな展開を見せてくれるのか。そこに関してはとにかく前半部分で怒涛の様に見せられます。マッチングアプリで結ばれたカップル達が次々に殺されてしまう。かなり猟奇的な見せ方なのでグロが苦手な人にはオススメ出来ないかもしれません。それと並行して明らかに怪しい叶夢という人物。ここは佐久間大介くんなかなかの快演を見せてくれます。土屋太鳳演じる輪花がそんな叶夢に追われてしまうストーカーと接する恐怖と猟奇的な連続殺人事件が並行して描かれる為に前半部分のサイコな世界観の構築はバツグンです!

果たしてこの恐怖の展開はどの様に進んでいくのか見ている人を作品に引きずり込んでいくその脚本は見事です!

またプログラマー・影山の存在も大きく金子ノブアキの演技が光ります。また彼の存在感が見ている人に安心感を与えてくれます。

そして中盤に劇的な展開を迎え思わず息を飲み込んでしまいます。まさか…まさか…まさかって感じで。

サスペンスなのでいつも以上にネタバレに注意が必要なのでこれ以上は触れませんが、スリリングな作風が好きな方、見て損はしないと思います。

一方では過去の破滅的な出来事が作品によりボリュームを生んでいるので終始に渡って目が離せないですね。また、この辺りではリストカットの場面がガッツリ出てくるので視聴注意とお伝えしておきます。また、セリフ多めの名のあるキャストだって容赦なく殺されますが、割と死を映す場面はショッキングです。

それにしてもこの内田監督。何とも物語の舞台設定がうまい。とりわけ廃墟のアパート更にそこの残留物だらけの荒んだ一室を使っての惨劇なんてのは見ていて絶望しかありませんからね。また、後半での淀んだ空気感のロッジそしてそこに潜む目の座った女性、彼女が押す車椅子の女性(ここのキャスト名は伏せます。)負のオーラしかありません。

なんてこれまで伝えた内容だとかなりヘビーな作品なのでは?と思うかもしれませんが、はいその通りです。だから佐久間大介くんを目当てに見に来た女性ファン耐性あるのかな?なんて思いました。ところで内田監督といえば『サイレント・ラブ』では山田涼介出演のラブストーリーかと思いきや…実はバイオレンス強めでしたなんてのが記憶に新しいですが、旧ジャニの女性ファンを二作品続けてショック与えるというなかなか攻めた事してやしませんかね(笑)

ところでこの作品を見て気になった事がありまして。確かに前半ではマッチングアプリを題材にした事件を出していますが、中盤から後半にかけてはもはやマッチングアプリ関係なくね?という流れに変わっているんですが、まぁ面白かったからいっか…。

それから今作での土屋太鳳ちゃんは恐怖に怯えながら逃げ続けるはたまた間近で殺人を目撃した際に絶叫するという場面が多いですが、時折お得意のアクションを見せたりあの人物に思いっきりカウンターを食らわせるシーンがあったりとしっかり彼女を活かしてるな〜なんてにんまり顔で見ておりました。

これまでお伝えした様に全体を通して陰惨とした空気に包まれた鬱映画ではあります。しかし、ラストはこの先の一縷の光をしっかりと見せていたのは良かったと思います。

見る人を選ぶ映画だとは思いますが、刺激のあるサスペンスを求める人にはオススメ出来ます。

是非劇場でご覧下さい!