きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE

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2016年と18年にTBS「日曜劇場」で放送された松本潤主演の人気ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」の劇場版。常に事実だけを追求し、99.9%逆転不可能と言われる刑事事件で最後の0.1%まであきらめずに真実を追求し、無罪を勝ち取ってきた型破りな弁護士・深山大翔。斑目法律事務所の刑事事件専門ルームは、室長から所長へと昇格した敏腕弁護士・佐田篤弘のもと、新人弁護士の河野穂乃果も加わり、事件に挑む日々を送っていた。ある日、15年前に起きた天華村毒物ワイン事件に関する依頼が舞い込む。事件には謎の弁護士・南雲とその娘エリが関わっていた。村の青年・守の協力を得て、事件を徹底的に調査していく深山たちだったが、思わぬ罠が彼らを待ち受けていた。深山役の松本潤、佐田役の香川照之らテレビ版でおなじみのキャストに加え、新人弁護士・穂乃果役で杉咲花が参加。(映画・comより)

2022年年明け最初に見た邦画がこちらの作品でした。毎度ながらドラマを普段見ない私。予習とばかりにSPドラマだけ見て鑑賞に臨んだ次第です。

当初の印象としては、松本潤主演のアイドル映画という認識で大方の予想通りと言うべきか劇場での客層も概ね30〜40代くらいの女性が中心。俺みたいなオッサンぼっち客も居なくはないが、かなり少なかったですね。なので、本編開始前の企業CMや予告編の劇場内が明るかった時間帯は何となく気まずかったです(笑)

アイドル映画…イメージとしては良い語られ方はしないものですが、どんな物なのかと鑑賞したらこれがですね、ただのアイドル映画として語るには忍びないなかなかどうして事件物のサスペンスエンターテイメントとしては良く出来ていたなと思いました。

木村ひさし監督となれば、それこそ『TRICK』の様なシリアスに偏りがちなサスペンスにコメディ要素をふんだんに取り入れた独自の世界観を持つイメージ。そんな木村ひさし節がこれでもかとばかりに詰め込まれ、レギュラー版のドラマ未見であっても問題なく楽しむ事が出来ました。

正直、松潤の親父ギャグの応酬はすみません、個人的には合いませんでした。ただ、杉咲花ちゃんのぶっ飛んだ演技は新たな一面を見た様で良かったですよ!何なら親父ギャグを無理やり笑う林家パー子師匠の様な笑い方が個人的には特にハマりましたかね(笑)てか何でしょう、登場人物がほぼほぼテンション高い(笑)

木村ひさし組で言えば数年前に記録的大敗を喫した某作品で今回の杉咲花ポジションだった木村文乃さんが出てましたけど、あの時の無駄にテンション高いキャラクターに違和感がありましたが、今回の方がナチュラルで個人的にはこちらの方が良かったですね。その他香川さんも半沢キャラとコミカルさが融合したナイスキャラでしたね。まぁ、ドラマ見てた人には今更何言ってんだ?って話しかもしれませんが?

また、登場するお店の名前だったり、登場する小ネタ的なキャラクターやセリフにちょいちょいパロディを挟んでくるので元ネタがわかる人は思わずニヤリとしちゃうそんな木村ひさしワールドが全開です!事件の捜査をする際に再現ドラマを作ったりする点に違和感を覚えたとしてもこういう世界線での話しと割り切れば見方も違います。要は金払って映画を見る以上は楽しんだもん勝ちって事ですよ(笑)

で、本作がただ単にテンション高い登場人物達がボケて突っ込んでのありきたりな事件を解決するだけの話しならそこまで賞賛もしないんでしょうが、個人的なポイントとしては公表こそされてませんが、出てくる事件が実際に起こった事件と限りなく近く割と真に迫っていたなという点でしょうか。

名張毒ワイン事件と和歌山毒物カレー事件ですね。詳しくはお伝え出来ませんが、両事件と本作で扱う事件というのがあまりにも共通点が多いんですよ。

祭りの会場で起こっている点、冤罪の疑い更に真犯人として流布してる説等等。恐らくですが、これらの事件の詳細から作品に全く架空の事件として落とし込み、ストーリーに仕上げているのではないかと思っています。そういう意味では一見、ドラマ派生のエンタメ性重視のコメディサスペンスに見えますが、例えば『凶悪』とか『冷たい熱帯魚』、『全員死刑!』等に代表される実際の事件をベースにした社会派スリラーサスペンスのそれに近いかなと思いましたね。コメディをベースにしてるという意味では『後妻業の女』とかかな?

また、ラストの展開なんかはもし前述の特に後者の事件で同様の進展があれば?という想像を掻き立てられる所があり、興味深い内容でした。

なので、ドラマの劇場版だから〜とかアイドル主演だから〜といった偏見は捨てるべき映画だと思いましたね。

突っ込みたい点もそりゃ確かにありましたよ。それに木村ひさしの生み出すギャグがとにかく合わないという人も居るでしょうが、お伝えした様に映画なんて楽しんでなんぼ!

まずはご覧になってみては如何でしょうか?


劇場版 呪術廻戦 0

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解説

週刊少年ジャンプ」連載の大ヒットコミックを原作とする人気テレビアニメ「呪術廻戦」の劇場版。原作者・芥見下々が本編連載前に短期集中連載で発表した前日譚「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」を基に、呪いと化した幼なじみに憑かれた青年・乙骨憂太の“愛と呪いの物語”を描く。高校生の乙骨憂太は、幼い頃、結婚を約束した幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で亡くしていた。それ以来、呪霊化した里香に取り憑かれるようになった乙骨は、暴走する彼女に周囲の人々を傷つけられ苦悩していた。そんな中、呪霊を祓う“呪術師”を育成する教育機関・東京都立呪術高等専門学校の教師にして最強の呪術師・五条悟に導かれ、乙骨は同校に転入することに。自身の手で里香の呪いを解くことを決意した乙骨は、同級生の禪院真希や狗巻棘、パンダと共に呪術師として歩みだすが……。アニメシリーズでの本格的な登場は本作が初となる乙骨の声を「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの緒方恵美が演じる。

(映画.comより)

ハイ、この冬最大のヒット映画となっている『呪術廻戦』の劇場版です。思えば『鬼滅の刃』が社会現象的な大ヒットとなった後、「鬼滅の次は呪術廻戦だ!」なんて言われていたわけであってそれを考えれば大ヒットも当然と言えるのでしょう。

しかし、ワタクシこの映画を見るまでは全く『呪術廻戦』には触れて来なかったものでして、ならばと思い、アマゾンプライムビデオにてアニメを全て視聴。その上でこの劇場版の鑑賞をしてきました。

つまりは『鬼滅〜』の時同様に超にわか視点とお伝えしておきます。

と何度も『鬼滅〜』の名前を挙げている様に何かと比較されるこの『呪術廻戦』。しかし、当たり前の事を言いますが、両者は全く別の作品であって登場人物も舞台も時代設定も全く違うわけです。片や鬼が敵として出て来る片や呪いを操りながら戦闘を行う。これまでの『週刊少年ジャンプ』のアクション漫画に見られる物と異なる点としては日本古来からの伝承や民話的或いは怪談話し等の文脈で語られる事の多い題材を扱ってるという点ではないでしょうか。それが何故令和の時代に人気を博したかと言うと日本人本来の馴染みある民俗学的ベースが琴線に触れやすく、そしてこれまでの少年漫画にありそうでなかった(あ、水木しげる先生の作品は除きますね)という点が大きいのではないでしょうか。そしてただ単なる鬼退治の話しや呪い合戦に終始させない深みのあるストーリーここに寄る所が大きいと思います。

とこのままだと『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』の作品比較評で終わりそうなので、ここからは『呪術廻戦』に絞ってお話しをしますね。

鑑賞したのは2021年12月27日。場所はMOVIX日吉津。仕事納めには少し早いですが、子供達は既に冬休み期間に突入とあり、比較的若い層を中心に入ってましたね。また、正月には別作品を鑑賞しに行ったのですが、この時は『呪術』目当てのお客さんファミリーやカップル、友人同士等たくさんの方が詰めかけておりました。こりゃ大ヒットしているわと実感した次第。

さて、この『劇場版 呪術廻戦0』を見て率直に感じた事。それは『寄生獣』、『デスノート』更に海外の作品だと『ヴェノム』の様な生身の人間と当該の人物内に共生する別の魂との交流を非常に丁寧に描いていた事です。そしてこれが何とも新しさを感じたのって『寄生獣』にしろ『ヴェノム』にしろ身体に入り込んでる物の性別って明らかにされてないですよね?ところが本作の場合、女の子なんですよね。不幸にも交通事故で亡くなってしまった少女が幼なじみで結婚の約束をしていた少年に憑依するわけです。

幼なじみ、結婚の約束、不慮の事故死、こんなフレーズが揃えば泣き要素が揃った様なもんですよ。実際作中では乙骨憂太と里香の絆の深さを中心にドラマチックなストーリーが展開されていました。

さて、この乙骨憂太はと言えば気弱な少年なんですね。だけど、呪術師としては超エリートという設定。これは幼なじみの里香を亡くして以来自分の殻に閉じこもり…というまぁ、割とありがちではありますが、そんなこんなでいじめにもあいます。だけどそれを助けるのが彼に取り憑いた里香の霊なんですよ。

で、そんな彼の声を担当するのが緒方恵美さん。キャラクター的にもシンジくんそのものなんですよね。多くの人が語ってる様に碇シンジというキャラクターが別作品に下りてきたかの様な(笑)何ならエヴァのパロディというかオマージュ的な描写もあるんですよ。まぁ、これは賛否両論ある様ですが、僕はありじゃないかなと思ってますね。

というのが『呪術廻戦』って割とギャグシーン多いんですよね。その点では『銀魂』的な要素もあって適度なパロディ描写はわかる人にはたまらないだろうし、思わず反応する事でしょう。

それから里香のキャラクターについて。憂太に取り憑いてる霊なわけですから、見た目こそクリーチャーそのものなんですね。だけど意志は亡くなった10代の女の子ですから、めっちゃ乙女なんですよ。だから次第に可愛く見えてきます。

また、アクションシーンも当然力が入っていましたが、特に音の使い方が印象的でしたね。そしてこんな白熱したバトルがあるからこそラストの展開がまぁ、泣ける!この感動は是非皆さんにも感じて頂きたいところです!

最後に本作はアニメ・原作を見ずとも楽しめるかについてお伝えしておきます。僕はアニメ全話を見た上で鑑賞したのはお話しした通りですが、末見でも内容は理解出来ます。ただ、細かい設定や世界観を理解する為には原作やアニメには触れておきたいところでしょうか。

予習をした上での鑑賞を強くオススメします!

ボス・ベイビー ファミリー・ミッション

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見た目は赤ちゃんだが知能は大人の主人公ボス・ベイビーの活躍を描いた、ドリームワークス・アニメーションによる映画「ボス・ベイビー」の続編。ボス・ベイビーと兄ティムが繰り広げた、赤ちゃんvs子犬のバトルから30年。ボス・ベイビーは今や正真正銘のエリート社長、一方のティムは2人の娘を育てる専業主夫となり、別々の人生を歩む兄弟はすっかり疎遠になっていた。ある日ベイビー株式会社に、悪の天才博士が世界征服を企んでいるという情報が入り、再びボス・ベイビーとティムの力が必要となる。その任務を伝えるため2人の前に現れたのは、新たに「ボス・レディ」に任命されたティムの娘ティナだった。ボス・ベイビーとティムは世界中の赤ちゃんを洗脳しようとする博士の計画を阻止するべく、スーパーミルクで赤ちゃん返りして潜入捜査に乗り出すが……。「マダガスカル」シリーズのトム・マクグラスが前作に続いて監督を務め、英語オリジナル版ではアレック・ボールドウィン、日本語吹き替え版ではムロツヨシボス・ベイビーの声を続投。(映画・comより)

喋る赤ちゃん、会社を経営する赤ちゃんとその斬新な発想と終始飽きさせない軽妙な脚本が功を奏しドリームワークス最大のヒットとなった『ボス・ベイビー』が大ヒットしたのは2018年。今回三年振りに新作が公開されました!とは言え、前作でストーリー上では一応の完結を迎えていました。果たして続編はどの様に作るのか?その点に注目しながら今回は鑑賞しました。

なるほど、こう来たか!というのが、前作に登場したボス・ベイビーとティムの30年後。すっかり成長してオッサンになった二人はそれぞれ別の人生を歩んでいた。そして結婚をして家族を築いたティムの子供を契機に…と、要は大人になった二人の物語なんですよね。

そしてこれがまぁ面白い!オッサンの彼らがまさかの赤ちゃん返り。30年前にも舞台となったベイビー株式会社でのミッションに挑むというわけです。

前作同様のスピード感やトリッキーな仕掛けの数々。敵とされるキャラクターの陰謀等等見ていてとにかくわかり易く、楽しい!当然子供向け映画ですから、当たり前っちゃ当たり前なんですが。

でもこれがね〜、ただの子供向けと侮るなかれ。大人にも刺さるメッセージやテーマがふんだんに盛り込まれ、非常に深い内容だったんですよ。

まずひとつに大人になった兄弟という視点。前作ではタッグを組んだティムとボスベイビー。兄弟なんだけど全く正反対の二人。だけどぶつかり合いながらも互いに成長していったんですよね。しかし、大人になると違う道を歩み、住む場所も変わり、滅多に顔を合わせる事だってなくなってくる。これは兄弟をお持ちの方であれば心当たりのある人は多いのではないでしょうか?子供の頃は大の仲良しであっても大人になれば、疎遠になる事だってある。そんな時に試されたティムとボスベイビーによる兄弟の絆。そこは是非見て頂きたい所だなと思います。

そしてそれぞれの生き方がもたらす苦悩や憧れの描き方なんかもよく捉えていたなと感じました。かたや、ティム。妻と二人の娘に囲まれた専業主夫。はたから見ると幸せな家庭の良き父であり、夫。だけど思春期を迎える娘との距離感に頭を悩ましていたり、自らの生き方を全うする弟への羨望の思いもあったりします。

一方のボスベイビー。彼は子供の頃からの予想通りと言うべきか大企業の経営者として大成功を納めます。ティムの家には自家用ジェットでやってくるし忙しさ故のタイムスケジュールにも余念がない。誰の目から見ても分かる社会的大成功者なのですが、常に孤独。ティムの様な家庭があるわけでもないし、心を許せる親友が居るわけでもない。だからこそティムの生活は自分にはないもので憧れる。あれ程歪みあうティムにも思わず心境を吐露する場面だってあるんです。

これはそのまま我々に置き換えても同じ事が言えるのではないでしょうか。

そして次に子供は大人になるけど、大人は子供にはなれないという当たり前なんだけど、誰しも一度は考えた事のあるテーマですね。正直僕は本作を見てスーパーミルクが欲しくなりましたよ(笑)出来るなら今のマインドを持ちながら子供時代に戻りたい!なんて。でもどれだけそれを願っても叶わない事なんだし、だったらどうするか、というと今を頑張るしかないって事ですね。楽しかった子供時代の思い出を胸に今を生きていきましょう!

更には父と娘の繊細な心の機微を描いていたのも印象的でした。前述の様に大人のティムは娘とのコミュニケーションに頭を悩ませてました。父離れをしたい娘とまだまだ娘との時間を大切にしたい父親。それがミッションを通して次第に解決していく過程は見て頂きたいですね。

それにしても今回から登場したボス・レディのキャラクターは良かったですね!実年齢的には赤ちゃんなんだけど大人から子供になった二人を上手くコントロールしていくしっかり者。日本版だと多部未華子さんが声を担当しているのですが、すごい雰囲気がピッタリ合ってましたね。

更なる続編を示唆する様なエンド。正直、一作目で完結していたから続編に関しては慎重に考えてました。でもこの分だと次はどの様な展開を見せてくれるのか期待が高まって参りました。

一作目同様、本作も非常にオススメです!

是非ご覧下さい!

マトリックス レザレクションズ

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1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔「マトリックス」。2003年に公開された続編「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」で3部作完結となった同シリーズの新たな物語を描く、18年ぶりとなるシリーズ新章。主人公ネオを演じるキアヌ・リーブスが過去作と変わらず同役を担当するほか、トリニティー役のキャリー=アン・モス、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミスらが続投。ネオを救世主と信じ、世界の真実を伝え、彼を導くモーフィアス役を「アクアマン」のブラックマンタ役で知られるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ネオの宿敵スミス役をドラマ「マインドハンター」のジョナサン・グロフが新たに演じ、ニール・パトリック・ハリスクリスティーナ・リッチらが扮する新キャラクターも登場する。シリーズの生みの親であり、過去の3作品を監督しているラナ・ウォシャウスキーがメガホンをとった。(映画・comより)

ハイ、新年一回目の『シネマ放談』はかつての革新的な映像技術で全世界を席巻したあの『マトリックス』の18年ぶりの新作です。とは言えワタクシ、実はこれまで『マトリックス』シリーズを見た事がなかった為、本作鑑賞にあたって「これはいかん!」とばかりに過去作をまとめてアマゾンプライムビデオで鑑賞。こういう時はホントVODは有難いです。

99年の『マトリックス』〜03年の『マトリックス レボリューション』を見て率直に感じた事としては今でも通用する当時としては画期的だったVFXの技術に感嘆しつつ、哲学的な思想も織り交ぜた深みのあるストーリーに酔い、でもはっきり言って難解過ぎるその内容は僕みたいな馬鹿ではかなり理解に悩みました。しかし、キアヌリーブスによるあのお馴染みのマトリックスポーズやキレッキレのアクション等等非常に楽しませて頂きましたよ。

その上での新作の鑑賞ですが、僕は思いました。過去三作からどの様な展開で新作が製作されているのか、という事です。というのが99年〜03年までに作られた三作は三部作としてとりあえず完結してるんですよね。これを果たしてどう繋げるのかまたは新作でもあの斬新な映像が楽しめるのか興味は尽きませんでした。

その結果を言いますね。本作に関して言えばいわゆる三部作と別の世界線で描かれている。何だったら過去作を完全に切り離して俯瞰的な視点で捉えながらもメタ的なセリフや描写も三度登場してくる。僕みたいなライトな層ならさほど気にはなりませんでしたけど、シリーズに思い入れの強い人が見たらかなり戸惑いと不満の残る作りだったんじゃないかなと思いました。

前提として言えば『マトリックス』シリーズは03年の『マトリックス レボリューションズ』でストーリーとしては完結しており、続編の製作予定はなかった様です。しかし、これは劇中でまさかの形で明かされるのですが、大人の事情で製作を促され、作られたという事だそうです。

そんな事情はさておいても製作する以上はかつての人気シリーズに恥じない物は作って欲しいものなんですが、正直言えば『マトリックス』らしさって言うのかな、かつての様なセンセーショナルな物は感じられないんですよね。そりゃこの20年の間に映像技術は進化しているので、耐性がついて何を見ても余程の事でないと驚かないというのはありますよ。にしてもですよ。目新しさは感じられないし、何なら20年前とさほどの進化を感じないんですよ。

キアヌリーブスも20年分の年齢を重ねているので、アクションも特殊能力のCGでカバーされてしまったのが残念なところ。いや、仕方ないとは思うんですよ。でもこれなら敢えて新作をつくらずとも別の形で今のキアヌ・リーブスが光る様な作品を新たに作った方が良かったと思います。もしくはこれは『ロッキー』シリーズから『クリード』のパターンに倣い次の世代に託す的な見せ方もありだったかもしれないし。

それからこれはファン向けの仕様にする辺りの心遣いなのかもしれませんが、過去作の映像を使い過ぎなきらいは否めませんでしたね。確かに見てたら「あ〜、あのシーンがここに繋がるのね〜」みたいな発見があって面白かったですけど少々くどいかななんて思いました。

それから『マトリックス』のイメージを色で例えたら電飾系の緑更に劇中はやや薄暗い色彩なんですけど、今回はあまりあの薄暗さを感じられず、よくあるハリウッドのアクション映画のひとつにしか思えない印象だったのが残念。あの世界観を本作でももっと打ち出して欲しかったなというのが正直なところです。

何て不満をたらたらと述べてしまいましたが、個人的に詳しく言えませんが、ビルから人が〜みたいなシーンは面白かったですね。あれなんかはかなり凝ってたなと感じました。それからやっぱり過去の『マトリックス』イズムを感じる点としてはあの人がまさかの〜みたいなあの矢継ぎ早に繰り出されるトリッキーな映像はまだまだ枯れてないなと感じました。

尚、本作ですが、ハリウッドのあるあるですが、エンドロールが流れても決して席を立たない事を強調してお伝えします。それからこれまで『マトリックス』シリーズを全く見た事がないという人には初見で見ない事を勧めます。私が正にそうでしたが、過去三作を見てから鑑賞しないとただでさえ難解な内容。殊更ちんぷんかんぷんになるかと思います。

どうやら映画ファンからの評価は賛否両論の様ですが、是非ご自身の目で確認して下さい!


あなたの番です 劇場版

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2019年に日本テレビ系列で放送され、都内マンションで新婚生活を始めた夫婦が住民たちの「交換殺人ゲーム」に巻き込まれていく様子を予想外な展開の連続で描き、大きな話題を呼んだテレビドラマ「あなたの番です」の劇場版。テレビ版に引き続き秋元康が企画・原案、原田知世田中圭が主演を務め、もしもマンションの住民会に出席したのが妻ではなく夫だったら、そして交換殺人ゲームが始まらなかったら、というパラレルワールドを描く。マンション「キウンクエ蔵前」に引っ越して2年後、晴れて結婚した菜奈と翔太は、住民会を通じて親しくなったマンション住民たちを招待し、船上ウェディングパーティを開く。ところが、逃げ場のないクルーズ船内で連続殺人事件が発生。菜奈と翔太と住民たちは犯人捜しに乗り出すが、そこには思わぬ殺意が交錯していた。共演にも西野七瀬横浜流星木村多江生瀬勝久らテレビ版のキャストが集結。(映画・comより)

2021年最後の作品はドラマの劇場版です。前に何かの作品を扱った時にも話した事ですが、いわゆるコアな映画ファン程邦画のドラマ映画。正に本作の様な「劇場版」とか「THE MOVIE」と冠した作品は好まれない傾向にあります。気持ちはわからなくありません。あくまで我々は映画館に映画を見に行ってるわけであって映画として公開する以上はダイナミックな映像であったり映画でしか味わえない興奮や感動を欲するというもの。決してTVドラマを見に来てるわけじゃないんですよ。ドラマが見たければ家のTVなりPCやスマホでオンデマンドサービスを利用するのが良いわけです。では、本作はどうだったのか?ハイ、ゆっくりお話ししていきましょう。

まず、お伝えするとドラマの『あな番』が好きで本作も楽しんだという方。ごめんなさい、今回はあまりお聴きしない事をオススメします。つまりは…そういう事です。お察し下さい。

前提として僕は『あな番』のドラマは全く見ていません。つまり予備知識なしで本作を鑑賞したわけですが、結論から言えばストーリーとかその他の内容等は初見でも十分理解する事が出来ます。しかし、細かい設定やらはドラマを見ておいた方が良かったかなと思いました。というのが見ていく内に慣れていきましたけど、原田知世田中圭が夫婦設定な点にも戸惑いましたし、冒頭の登場人物達が集まってわちゃわちゃやってる辺りはファンムービーそのもの。初見さんが置いてけぼりをくらうなんて事もある感じ。例えて言えば何でしょう。少し興味のあるサークルや同好会に体験参加したら既にグループが出来上がってその人ら同士でわいわいやっててアウェイ感をくらうヤツに近いです(笑)

だからこれはドラマを見てたファンにとってはたまらない同窓会感みたいなノリで楽しめるんだろうなと思いました。でも僕は敢えてこの辺りを指摘しておきたい。僕はこれまでこういったドラマの劇場版を初見でも数々の作品を見てきました。で、多くの作品は割と初見にも優しいんですよね。例えば先般公開されていた『きのう何食べた?』。僕はドラマ未見で映画を見ましたが、すぐにその設定やら世界観を理解して没頭する事が出来ましたよ。その意味で本作は初見に不親切な作りだったのは否めませんでしたね。

あ、でもだからと言って全く楽しめなかったわけじゃないんですよ。前述の様にストーリー等に関しては王道のサスペンスモノとしてきちんと機能してましたし、キャストの皆さんの演技も良かったです。

なのでその辺りをもっとお伝えしていきましょう。この映画の大まかな作風イメージとしてはズバリ『オリエント急行殺人事件』です。豪華客船の中で個性豊かな豪華俳優陣が乗り込み、そこで次々に怪事件が起きていく。さしずめポアロのポジションとしては田中圭演じる翔太となるわけですが、このポアロはどこか頼りない。でもそれが人間味があってつまりは我々目線で事件を追っていくわけだから、考察も俄然楽しめるんだろうなと。

後、次々に起こる事件が不謹慎とエンタメを上手く融合させて笑いを誘ってくれるんですよ。真に迫るという点では『冷たい熱帯魚』とか『凶悪』の様なリアルな恐怖を与える物を好む私としては、当初人の死の描き方が軽いな〜なんて思って見てたんですが、結果としてこれくらいのタッチの作品だと重くしない方が賢明なのかもしれませんね。豪華客船が舞台だからなのか『タイタニック』のオマージュの様な描写もあるし、某俳優さんが演じるキャラクターが溺死する辺りはその俳優さんのコミカルなイメージも相まってかなり笑えましたからね。

で、本作の主演は原田知世田中圭のお二人ではありますが、西野七瀬さんでしたね。アイドルから女優へ転身してからの彼女の活躍は目を見張るものがありまして、今年公開された『孤狼の血 LEVEL2』においてのクラブのママであり、鉄砲玉の彼の姉という役も板についておりました。そして本作における不気味な佇まいと明らかにサイコな雰囲気をまとった存在感は光るものがありました。

等等の見所はありましたが、全体としては特に後半にかけては正直駆け足になってしまい、途中で張りに張った伏線をうまく回収出来ていない様な印象が残りました。更に言えばネタバレになるので話しを広げませんが、イカれたカップルが明らかにヤバイ展開になってる辺りでそのロマンチックな見せ方と音楽の使い方には違和感がありましたね。更に複数の事件が起こっているのに全てが明かされる犯人の仕業じゃない辺りも納得出来ませんでした。あの人とあの人殺したのはわかったけどじゃあアイツ殺ったの誰だよ?…みたいなね(笑)

もしかしたら一回目を全体を通して見て内容を知った上で二回鑑賞するとまた違う印象があるのかもしれませんね。なので僕はもう一度見てみたいと思います。

合わせTVerやfuluで無料配信してる様なのでドラマ版もサラッと見た方が良いかもしれません。

参考になりましたでしょうか?以上がドラマ未見で本作を見た私の全体的な感想です。

是非ご覧下さい!

ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ

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マーベルコミックのダークヒーロー、ヴェノムの活躍を描いたトム・ハーディ主演作「ヴェノム」の続編。圧倒的戦闘力と残虐性を持ち、ヴェノムの大敵となるカーネイジとの戦いを描く。「悪人以外を食べない」という条件でエディの体に寄生した地球外生命体シンビオートのヴェノムは、食欲制限を強いられ不満を抱えながらも、エディとの共同生活をそれなりに楽しんでいた。そんな中、ジャーナリストとして未解決事件の真相を追うエディは、刑務所で死刑囚クレタス・キャサディと再会する。クレタスは猟奇殺人を繰り返したシリアルキラーで、死刑執行が迫っていた。エディに対し異様な興味を示すクレタスは突如として彼の腕に噛み付き、その血液が人間とは異なることに気づく。そして死刑執行の時、クレタスはついにカーネイジへと覚醒する。主人公ヴェノム/エディ役をハーディ、エディの元恋人アン役をミシェル・ウィリアムズが続投で演じ、「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソンがカーネイジ/クレタス役を演じる。そのほか新キャラクターのシュリーク役で、「007」シリーズのナオミ・ハリスが参加。「モーグリ ジャングルの伝説」など監督としても活躍する俳優アンディ・サーキスがメガホンをとった。(映画・comより)

このところ、すっかり元の興行ペースに戻った感のあるMCU。先月の『エターナルズ』更に年明けには『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』の公開も控えています。

さて、本作はスパイダーマンの天敵であるヴェノムを描いた作品で2018年に大ヒットしたシリーズの二作目。公開を心待ちにしていた作品でした。前作ではヴェノムと身体に憑依するエディの関係性を主体に描いたバディもので私も当時楽しませて頂きました!

そして本作ではすっかり板についた奇妙な共生生活を送る二体のもはやラブ?と言える様なイチャイチャ感を楽しむ内容でございました!いや、もちろんエディには恋人が居る(本作では居たになってますが、触れないでおきますね。)だけどエディとヴェノムはまた違う様なイチャイチャっぷりなんですよ。欲望の赴くまま人を食らいたいヴェノムといち市民として社会生活を送るエディとしてはそんな事は到底許されない。その辺りの抑制とコントロールすらも微笑ましく見えてくるんですよ。だけど、ある事がきっかけでヴェノムはエディから抜け出して…なんて事も。この辺なんかホントにカップルの喧嘩にさえ見えてくるんですよね…。エディとヴェノムの関係って何だろジョジョのスタンド?いや違う。寄生獣?何だか例えようがないのですが、憑依しているからこそ生まれる奇妙だけど楽しいわちゃわちゃ感は間違いなく楽しめるんじゃないかな?と思います。

で、本作のポイントはこのエディだけではないんですよね。ヴィランとなるクレタス・キャシディと彼に憑依するカーネイジ。クレタスは幼少時に祖母と母親を殺害したシリアルキラーであり、死刑囚として収監されておりました。しかし、彼だけではないんですよね。彼の恋人でもある女性死刑囚・フランシス・バリゾンもまたヴィランとしてエディ達の前に立ちはだかります。この二人がまた、キャラクター濃いんですよね。とてつもない悪党なんだけどその連携プレーには目を見張るものがあるし、DCEU作で言えばジョーカーとハーレクインの間柄にも通じるものがある。何だったらこいつらで単独作作れるんじゃないの?と思わせてくれます。で、とにかくグロいシーンのオンパレードでその不謹慎ながらもエンタメ的な爽快感を味わえる描写は好きな人にはハマるんだろうなと思います。「目には目を」というフレーズからアレする辺りなんか『孤狼の血 LEVEL2』のあのシーン思い出した人多いんじゃないかな?

そしてバディモノだからこそのテーマとしては二人でひとつなんですよね。エディはヴェノムとクレタスはカーネイジといった具合に身体はひとつであっても意志は二人分あってそれが互いにぶつかり合う。そこから生まれるモノだってあるし逆に失うモノだってある。それがこの二体のバトルによって描かれていました。で、このバトルシーンがとにかくアツい!

修道院という神聖な場所を舞台にところ狭しのアクションの応酬!爆破もあれば、スタントもとにかく見せてくれる!ここに全てが凝縮されていた様ですね!

そしてこれは私が感じた事なのですが、全編に渡ってとにかくテンポが良い!アクションもさる事ながら、ストーリーもそうだし、ギャグパートだってそう。最近のマーベルにしては珍しく90分ちょっとと上映時間は短めですが、結果的にこれが功を奏したんだと思います。長くしようと思えば出来たのでしょうが、敢えてそれを選択せず、コンパクトに仕上げた分冗長的な場面もなく、非常にスピーディーで飽きさせない作品に仕上がったのではないでしょうか。尚、本作の製作にはエディ役のトム・ハーディ自らが関わったという事ですからキャストならではの視点も取り込んだ意欲作と言えるのかもしれませんね。

更にこれは本作のポイントですが、ピーターパーカーが遂に登場!どの辺りで、とかは言えませんがこれはスパイダーマンシリーズ本編にも繋がっていきそうなので、年明けの新作に対して期待が生まれてくるのも必然的な話し。

と、これが『ヴェノム』新作の全体的な感想。

さて、前作未鑑賞な方は本作を楽しめるのかという点についてお伝えしましょう。いちアクション映画としてはダイナミックな映像もふんだんにありますし、ストーリーも決して難しいものではありません。グロに耐性がない人にはキツいかもしれませんが、そうでなければ問題ないかと思います。しかし、何故エディの身体にヴェノムが入り込んだのかとかエディとは一体何者なのか?そこを知る為には一作目の鑑賞が外せないかなというのが私の印象です。

本作を楽しむ為にも是非前作鑑賞の上、お楽しみ下さい!

オススメです!

ミラベルと魔法だらけの家

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ディズニー・アニメーション・スタジオによる長編アニメーションで、南米コロンビアを舞台に、魔法にあふれた家に暮らす少女ミラベルの活躍を描いたミュージカルファンタジー。コロンビアの奥地にたたずむ、魔法に包まれた不思議な家。そこに暮らすマドリガル家の子どもたちは、ひとりひとりが異なるユニークな「魔法の才能(ギフト)」を家から与えられていた。しかし、そのうちの1人、ミラベルにだけは、何の力も与えられていなかった。力を持たずとも家族の一員として幸せな生活を過ごしていたミラベル。ある時、彼らの住む魔法の家が危険にさらされていることを知った彼女は、家族を救うために立ち上がることを決意する。監督は「ズートピア」のバイロン・ハワードとジャレッド・ブッシュ。ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」や「ハミルトン」でトニー賞グラミー賞など数々の賞を受賞しているリン=マニュエル・ミランダが音楽を担当。(映画・comより)

久しぶりのディズニー作品です!思えばこの一年以上に渡り、ディズニー本社が配信に力を入れる様になり、新作であっても大々的な劇場公開に踏み切らない興行が続いておりました。ディズニー系列のマーベル作がここにきて相次いでの新作劇場公開が続き、遂にディズニー本家もといったところ。配信より劇場派の私としては、何とかこの形態、保ってもらいたいと思ってます。

さて、久々に見たディズニーの作品。ここ近年におけるディズニー作品と言えばポップな作風の中にも社会性や多様性を問う様な内容が多かった印象。その最たる作品としては2016年の『ズートピア』が挙げられるでしょう。動物達が暮らす街でのバディモノのエンタメ作品でありながら、人種差別に対するメッセージを内包した素晴らしい映画でした!

そして『ズートピア』を手掛けた監督が本作で描いたのは家族の在り方でした。思えば『リメンバー・ミー』(2018)では南米メキシコを舞台に亡くなったご先祖様と現生に生きる人々との魂の結び付きや心の繋がりをテーマにしていました。その意味では家族の話しではありましたが、本作は特殊な力を持ち、街の人からも一目置かれている一家しかしその中でその能力を有さない少女を主人公にしたストーリーつまりは持たざる者の成長譚と言えるでしょう。

家族・親族全てが魔法を使える中、何故か魔法を扱えない少女・ミラベル。そのコンプレックスを抱えながらも自らの道を切り開き、家族のピンチを救う。まぁ、ベタと言えばベタなんですが、そこは腐ってもディズニー。あのテこのテの仕掛けを用意して楽しませてくれます。例えば家族の能力が一人一人違うんですね。巨大な建物等を動かしたり、花を出してみたり、変装が得意な人もいる。そしてそれぞれのキャラクターに合わせた部屋の内装はユニークでしたね。また、履物が目の前にひょいっと現れて履かせてくれたり床板がカタカタとまるで会話をしている様にミラベルの言葉に反応したり。これを見るだけでもかなりワクワクさせてくれますよ。

また、意地悪そうに見えるおばあちゃんだって過去のエピソードを深掘りしていくと悲劇的な過去があったりとストーリーの組み立てなんかもよく出来ていたなと思います。

そしてミュージカル映画ですから、当然音楽にも力が入っています!南米が舞台ですから、『リメンバー・ミー』に通ずる様な軽快なラテンのサウンドが心弾ませてくれます。日本版の主題歌がナオトインティライミなんですが、こちらもバッチリハマってましたね。

以上の様にトータルバランスが整っていて誰が見ても楽しめる内容かなと思います。

また、マドリガル家とミラベルの立ち位置って例えば実社会に置き換えて見ても誰しもが実感出来る内容かなと思いました。我々人間は当然ながら魔法は使えません。例えばこの魔法を個人の能力と置き換えてみてはどうでしょう?勉強やスポーツの優劣、仕事の能力、学歴や職業、社会的地位等ですね。マドリガル家は街では有名な魔法一家。その中で魔法が扱えないミラベル。つまりは地元では有名なエリート一家。しかし、勉強が出来ずいわゆる落ちこぼれの末っ子という見方ですよね。自分に置き換えた話しをしますが、我が家は祖父の代までは地元では知られた教員家庭。親族も高い学歴のいわゆるエリート層。兄貴も薬剤師をしていて、そんな中での俺ですよ(笑)元々は大の勉強嫌いでスポーツも苦手。両親は僕の教育にかなり頭を抱えたハズですよ。ミラベルの場合は家庭内でもかなり浮いた存在。「あなたは何もしなくていいのよ」なんて言われたりするんだけどこれって傷つくんだよね。「自分だって役に立ちたい」「認められたい!」って思うんだけどそれがかなわなかったりする。でも、最終的な話しをすると必要ない人間なんて居なくて必ず誰もが持ってる力がある。それを活かす環境に巡り会えれば誰だって輝けるんだって事なんですよ。ミラベルだってそう。魔法は使えずとも家族を危機から救い、そして家族をひとつにしたのは他ならぬ彼女の行動あってこそなんですよね。今回もまた、肯定的なメッセージが込められていて非常に深い内容だったと思います。

最後に言うならば全体的にはうまくまとまっていて良かったんだけど、『ズートピア』の時に感じた様な感動や興奮には及ばなかったかなというのが個人的な印象としてはあります。こう言っちゃなんですが、意外性に乏しく無難なディズニー作品のひとつで終わってしまった感が否めません。ストーリーにもっと起伏があれば良かったと思うし、ミュージカルシーンにも映画ならではのダイナミックさがあと少し加えられていたらより強く心に響いた作品だったかなと思いました。

しかし、一定以上の映画としての楽しさは保証します!

オススメです!