きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ドラゴンボール超 スーパーヒーロー

鳥山明による大ヒット漫画「ドラゴンボール」を原作とする劇場版アニメ。2015~18年に放送されたテレビシリーズ「ドラゴンボール超(スーパー)」の映画化第2弾で、2018年公開の前作「ドラゴンボール超 ブロリー」同様に、今作でも原作者の鳥山が脚本やキャラクターデザインを担当した。かつて孫悟空によって壊滅させられた悪の組織「レッドリボン軍」の意志を継ぐ者たちが現れ、新たに最強の人造人間ガンマ1号、2号を生み出す。彼らは自らを「スーパーヒーロー」と名乗り、ピッコロや悟飯たちを襲い始める。ガンマ1号と2号の声を、神谷浩史宮野真守という人気声優がそれぞれ担当。そのほかにも新生レッドリボン軍の天才科学者Dr.ヘド役を演じる入野自由や、ボルケーノ太田、竹内良太らが出演。監督は前作「ドラゴンボール超 ブロリー」でも3Dパートの制作などに参加した児玉徹郎。(映画・comより)

このところ、例年の6月では考えられない様なヒット作や大作が続きますが、今回はコチラ!『ドラゴンボール超』の最新作です。

さて、いきなり私事から入るのですが、『ドラゴンボール』はどストライクな世代でして、子供の頃は毎週水曜日に放送されてたアニメと『週刊少年ジャンプ』での連載が楽しみでした!その中での自分的な推しキャラがいましてそれがピッコロだったんですよ。元々は悪役として登場。滅法強くて悟空を苦しめつつも、その後は悟飯の師匠的役割を果たし悟空達とも共闘。で、元敵キャラから仲間になる位置付けで言えばヤムチャ天津飯の様に強さのインフラ状態から気付けばフェードアウトし、地味な存在になるかと思いきや今でもメインどころとして登場する。キャラクターとして魅力的だし、カッコいいんですよね!ドラゴンボールごっこなる遊びで皆が悟空やベジータを選んでいたのに、ピッコロ役を買って出てた小五の頃の俺のセンスは間違ってなかったね(笑)

で、本作なんですがそのピッコロそして悟飯がメインなんですよね。逆に悟空とベジータは今回控え目なので悟飯・ベジータ推しの人には物足りないかもしれないです。

ただ、本作てはあのレッドリボン軍が復活!冒頭ではそのレッドリボン軍を紹介するくだりが登場!ここでは何と86年の『ドラゴンボール』の映像が使用されてるんですよ。子供時代の悟空ですね!リアルタイムで見ていた身としてはこの映像だけでアガりますよ!特に僕なんかは『ドラゴンボール』シリーズだと何だかんだで悟空の子供時代が一番好きですからね。懐かしさがたまりませんでした。

で、その悟空子供時代を知ってる人であればレッドリボン軍は悟空によって全滅したのでは?レッド総帥出るの?ブラック大佐も?メタリック軍曹も?とキリがないですが(笑)まぁ、その辺りは実際に見て頂きましょう。更にその当時に登場した人造人間ハッチャンとは違う人造人間も出てきます。

更に言えば今回はそれこそ初期の『ドラゴンボール』さながらのギャグも多めなんですよ。ブルマによる神龍の願い事なんかはそれこそウーロンのギャルのパンティほしいに匹敵するものでしたし、何故かピッコロがぬいぐるみ好きキャラにされてたし、いやそもそも本来そんなキャラじゃないのに今回はやけにピッコロがコメディリリーフ的役割を果たしてたぞ(笑)

そして今回のメインの一人である悟飯ですよ。すっかりスーパーサイヤ人になる事なくつまりバトルをする機会もなく、平穏に暮らしていたんですよ。ピッコロはそんな悟飯にやきもきしつつも、悟飯の娘パンに稽古をつける毎日。しかし、あるきっかけを契機にスーパーサイヤ人としての悟飯が蘇るのですが、やはりバトルモードになると圧倒的な映像表現で食い入る様に見ましたね!特にあのピッコロの必殺技を悟飯が放つ辺りなんかはドラゴンボール映画の真骨頂でもあるかなと思いました。

さて、このバトルシーンは大変見応えがあるものでしたが、そもそも彼らは何を動機に戦うを見て頂きたいところです。ピッコロにはピッコロの、敵キャラには敵キャラのとそれぞれの動機があるわけですが、悟飯ですよ!今や父親でもある孫悟飯は娘の事となると人が変わる。数々の熱いバトルを見せてくれた悟飯だって人の親なんですよね。憤怒にかられるエネルギーの描かれ方なんかは子を持つ親御さんには共感を呼びそうかななんて思いました。

今回はピッコロと悟飯という師弟コンビをメインに据えた内容でしたが、ラストまで気になっていた事があるんです。それは…でも結局悟空がおいしいトコ持ってくんじゃないの?

その辺もうまくピッコロと悟飯のカッコいいトコロを写しながら綺麗に落とし前つけてましたよ。改めてこの二人は最高の師弟であり、バディーだななんて。そして悟天とトランクスもフュージョン決めてくれてましたよ!

本作のタイトルは『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』でしたが、個人的にはその後にfeat.ピッコロ&悟飯と付けたかったですね。

アツイ内容でした。

オススメです!

トップガン マーヴェリック

トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。主人公マーヴェリックをクルーズが再び演じ、「セッション」のマイルズ・テラー、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー、「アポロ13」のエド・ハリスが共演。さらに前作でマーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたバル・キルマーも再出演する。「オブリビオン」のジョセフ・コジンスキーが監督を務め、「ミッション:インポッシブル」シリーズの監督や「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加。(映画・comより)

先週取り上げた『シン・ウルトラマン』もそうなんですが、例年であればこの時期にこんな大作は続かないんですけどね、まぁそれもこれもコロナが影響してって事なんですが、この『トップガン マーヴェリック』は元々2020年の夏に公開予定だったものが、延期に次ぐ延期でようやく先月27日に公開となりました。

実は私はというと、1986年の『トップガン』についてあまりよく知らなかったんですよ。サントラが大ヒットしたのとそこから数曲がシングルとして大ヒットしたという事くらい。まぁ、『フラッシュダンス』とか『フットルース』等MTV全盛時代にアーティストのプロモーションとしても映画が積極的に使われていたという80年代特有の面が強いのかななんて思いますが。

しかし、この新作を見るにあたって内容を知らないとまずいと昨年の秋にアマゾンプライムビデオで1作目の『トップガン』を鑑賞。結局再度の延期となりましたが、この時は11月に公開とアナウンスされてましたからね。それに合わせての予習でした。

で、この予習は本作鑑賞にあたっては裏切らなかった。前作を知らないと理解出来ない点も多々あったし、何より冒頭の場面の感動は前作ありきでしょ!そう、見た人ならばわかるでしょう。『DANGER ZONE』のかかるアソコです(笑)

さて、36年振りの新作という事で実は鑑賞前は不安もあったんです。というのが昨年末の『マトリックス』であったり今年2月の『ゴーストバスターズ』であったりといずれも超久しぶりの続編でしたよね。個人的に『ゴーストバスターズ』はスゴい良かったんですが、興行的には伸び悩んでしまいました。そんな中で『トップガン』はどうなのか?全く心配無用でしたね。大大大ヒット中ですし、内容もハッキリ言ってしまえば今年ベスト級に良かったです!実は鑑賞中なんかはマスクの下で「うわっ、やばい!」とか「アツイ!」とか一人で呟いてましたもん(笑)

というのが前作の踏襲ではあるものの、そこにより磨きをかけた様な描写の数々。それはこの36年の時代の進化というものが大きく貢献してもいるのです。撮影にドローンも使えるし、カメラにしてもIMAXのカメラを戦闘機に持ち込んで撮影出来たり。無論それだけではありませんね。前作のトムクルーズは20代前半。新進気鋭の若手俳優だったわけですが、前作の大ヒットを契機に大躍進。以後、数々の作品に出るハリウッドを代表するスター俳優なんですが、彼がスゴいのは徹底して役者としてのアクションを間もなく60歳を迎える今も追求してるトコロなんですよね。本作上映前には来年夏に公開予定の『ミッション:インポッシブル』の予告が早くも流れていたのですが、本来彼クラスのキャリアとポジションにもなれば自らが身体を張ってアクションをせずとも大御所としてド〜ンと構えていたらいいハズなんですよ。ましてやこのCG全盛の時代にですよ!ところが自らのアクションやスタントにこだわりを持ち続ける。撮影時50代後半にしてアクション、バイクの操縦に肉体美等等トムクルーズの魅力が凝縮されているんですよね。

で、本作におけるマーヴェリックって正に今のトム・クルーズを反映してる様でもあるんですよね。パイロットとしても大ベテランだけどまだまだ現役で飛行機の操縦はまだまだこなすぜ!的なところが。しかし、そんなマーヴェリックが後進の指導をする。今やトム・クルーズは俳優だけではなく、プロデューサーとしても業界を盛り上げる存在でもあるわけで、マーヴェリックの教官的な立場にもなるわけです。実際映画では息子の様な年齢の若手俳優を導いていますからね。

で、こういう光景を含めてオールドファンへのサービスも入れつつ、楽しませてくれます。

更に言えば戦闘機のパイロットの物語である以上、ドンパチがあるのは避けては通れないところ。ただ、ここが今の情勢下だとかなりナイーブになりがちなんですよね。ウクライナ侵攻という現実での状況が重なるとエンタメとは言え、迂闊な描写が出来ない。自己犠牲や殉職からの英雄視みたいな場面って物議を醸し出しかねないんですよね。だけどここもうまくまとめていました。それは生きるという事を讃えるものです。生きて帰り、大切な人と暮らし愛情を育むこと。信じる事やあきらめない事の尊さが描かれていました。そして前作でメガホンを取った故・トニースコット監督への献辞が流れた時には僕も目頭が熱くなりました!

最高にアツく胸を打つ様な素晴らしい続編でした!オススメです!

シン・ウルトラマン

日本を代表するSF特撮ヒーロー「ウルトラマン」を、「シン・ゴジラ」の庵野秀明樋口真嗣のタッグで新たに映画化。庵野が企画・脚本、樋口が監督を務め、世界観を現代社会に置き換えて再構築した。「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れ、その存在が日常になった日本。通常兵器が通じない禍威獣に対応するため、政府はスペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」=通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。班長の田村君男、作戦立案担当官の神永新二ら禍特対のメンバーが日々任務にあたっていた。そんなある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため禍特対には新たに分析官の浅見弘子が配属され、神永とバディを組むことになる。主人公・神永新二を斎藤工、その相棒となる浅見弘子を長澤まさみが演じ、西島秀俊、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、早見あかり田中哲司らが共演。劇中に登場するウルトラマンのデザインは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」などの美術監督として同シリーズの世界観構築に多大な功績を残した成田亨が1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」がコンセプトとなっている。(映画・comより)

皆さん、大変長らくお待たせ致しました!遂に『シン・ウルトラマン』でございます!ホントはもっと早く鑑賞してレビューをお届けしたかったのですが、何やかんやとありまして、公開から一ヶ月弱経過して満を持してようやく先日見て参りました!

6月5日の日曜日。場所はMOVIX日吉津。午前の回に入りましたが、かなりの人の入りでしたね!8割方は埋まっておりました。

さて、『シン・ウルトラマン』レビューに入る前に本作鑑賞前の公開から三週間の私の心境からお伝えしていきますね。公開週の週末からSNSを見ても『シン・ウルトラマン』見てきましたという声は非常に多かったですし、YouTubeでも感想をアップしてる人は非常に多かった。それは著名人から一般の方に至るまで様々な方がそれぞれの感想を述べてらっしゃいました。しかし、私は当然これらに触れずこの目で見るまで只々期待を胸に抱えて過ごしていたわけですよ。

そして遂に鑑賞!結論を述べるならば

賛否両論も納得!私は賛も否も両方をしかと感じてきた!そして否も含めて最高の映像体験をしてきたと胸を張って言えます!

さて、皆さんはどれだけウルトラマンの事を知ってるでしょうか?

実は僕はほとんど知らないんですよ。スペシウム光線を出す、怪獣と戦う、カラータイマーが付いてて3分間しか戦えないとかそんなレベルですよ(笑)でも、実はこの程度知ってたら十分楽しめるんですよ!というのがこの『シン・ウルトラマン』というのは庵野さんが子供の頃に初めてウルトラマンを見た時のインパクトを同じ様な体感をしてもらうべく自らが作り出したというものなんですね。だからこれまでのウルトラマンを見て予習をする必要もないし、出来るだけ知識は入れないで見た方が良いという事なんですね。更に言えばウルトラマンのトレードマークとも言えるカラータイマーがないんですよ。

えっ?ウルトラマンなのにカラータイマーがないの?それでいいの?

いや、いいんですよ。実は我々が認識するウルトラマンのカラータイマーや三分間ルールなんかは後に付け加えられたもので当初はなかった設定だそうです。つまり庵野・樋口チームが作り上げたのは『ウルトラマン』放送開始当初のイメージを再現したという事なんです。庵野さんの特撮オタクぶりからカラータイマーなしのウルトラマンが採用されたわけですよ!

それから本作は『シン・ゴジラ』の作風を求めてはいけないというポイントですね!『シン・ゴジラ』ではゴジラ襲来から日本政府の対応をその類稀な想像力で描き出し奔走する姿がリアルに描かれていました。また、難解な説明台詞の応酬で展開される内容が非常に印象的でしたよね。それが『シン・ウルトラマン』ではそれが全く無いわけではないですが、もっとシンプルにまとまっています。というのがウルトラマンってゴジラに比べるともっとストーリーや構成がシンプルなんですよ。だからでしょう。決して難解な事なくわかりやすいのでお子さんであっても鑑賞に問題はないでしょう。何だったらちょっと笑いを誘う様なユーモラスな場面だってあります。

そして映像面ですよ!これは文句なく日本の映像技術では最高峰の物が楽しめます!ウルトラマンの戦闘シーンは言うに及ばず徹頭徹尾飽きさせない映像表現で楽しませてくれます!

後、山本耕史演じるメフィラスのキャラクターが良かったですね!すげぇ人間臭いんだもん。ブランコに乗るわ斎藤工演じる神永新二と浅草の居酒屋で酒を酌み交わすどころか自分が誘っておきながらまさかの割り勘とかね(笑)出せよ(笑)更には日本の諺や慣用句が大好き。もっともこれは後々出てくる言葉のフリでもあるんですけどね。

1966年の『ウルトラマン』は当然、僕はリアルタイムで見たわけないですし、実は男子でありながら、これまでの人生でウルトラマンって触れてこなかったんですね。そんな僕からするとすごい新鮮だったし、男の子的ワクワク感を40過ぎて味合わせて頂きました!その意味では正に庵野さんのウルトラマンを見た事ない人に向けたインパクトの植え付けは大成功だったんじゃないかなって思います。

庵野さんの特撮愛に溢れていたし、ウルトラマンを知らない人も存分にその世界へ引き込んでくれました!個人的にはエンタメとして見た場合、『シン・ゴジラ』より楽しめました!

さて、ここまで賛否の賛の部分をお話しして参りました!

では否の面はどうかというと、まぁこれが楽しめた面でもあるんですが、長澤まさみ演じる浅見弘子巨大化の場面ですね。これは実際のウルトラマンでも同じ様なシーンがある様で言わば庵野さん流のオマージュでもあるんですが、確かに巨大な長澤まさみはパンチが効いてて迫力があった。更に巨大な長澤まさみが終始無表情なので画的にもシュールで思わず笑いが込み上げた。これはいいけど、この巨大長澤まさみの生足が捉えるアングルは今の時代どうよ?俺も男だから「見えないかな…」なんて期待…いや、「セクハラだ!けしからん!」と憤慨してしまいましたよ。庵野さん、長澤まさみが好きなのは十分わかったから、この令和の時代はこれはダメなんちゃいますか?

ま、最終的には否の部分も伝えはしましたが、やっぱり全体的には飽きる事なく楽しめました!

後、これは見た人と色々と意見交換をしたくなりますね!

オススメです!

大河への道

落語家・立川志の輔による新作落語「大河への道 伊能忠敬物語」を映画化。主演の中井貴一をはじめ、松山ケンイチ北川景子らキャストがそれぞれ1人2役を務め、現代を舞台に繰り広げられる大河ドラマ制作の行方と、200年前の日本地図完成に隠された感動秘話を描き出す。千葉県香取市役所では地域を盛り上げるため、初めて日本地図を作ったことで有名な郷土の偉人・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマの開発プロジェクトが立ち上がる。しかし脚本制作の最中に、忠敬が地図完成の3年前に亡くなっていたという事実が発覚してしまう。1818年、江戸の下町。伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく他界する。彼の志を継いだ弟子たちは地図を完成させるべく、一世一代の隠密作戦に乗り出す。「花のあと」の中西健二が監督を務め、「花戦さ」の森下佳子が脚本を手がけた。(映画・comより)

伊能忠敬。歴史の教科書にも必ず登場してくる偉人です。日本で初めて日本地図の測量をして、それをまとめ上げたという人物ですよね。しかし、そんな伊能忠敬が実は地図を完成させていなかったという史実から落語家の立川志の輔師匠が作り上げた創作落語が『大河への道 伊能忠敬物語』ですが、本作が映画化されたその背景が面白いんですね。

中井貴一さんがたまたまその落語を聞いたところ、感銘を受け映画化の話しを志の輔師匠に直談判。主演は自分じゃなくてもいいから企画やプロデュースという形態ででもこの作品を映画化したいという情熱を持ったプレゼンを行い、映像化実現へ向けて動き出したという事です。

とは言え今の時代、堅苦しい時代劇というのはなかなか受け入れられない。そこで取った手法が喜劇調の現代劇と忠敬の意思を継いだ名もなき人々の地図作成に向けたサクセスストーリーを融合させるというものでした。

時代劇と現代劇をひとつの作品で融合させるという非常に珍しい手法。果たしてこれがどの様に展開されるのか私も楽しみにしながら5月25日。水曜サービスデーを利用してT-JOY出雲で見て参りました!

大河ドラマ伊能忠敬を、基本的には戦国時代や幕末が扱われ易い大河ドラマにおいてはなかなか難しいのかも知れません。

しかし、今年の大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』は平安末期〜鎌倉時代。更に2024年は紫式部を主人公にといった具合にここ近年は変わりつつある。だけど、伊能忠敬は確かに地味な感があります。だけどその辺りも劇中に突っ込んでいます。ただ、測量の為に日本中をくまなく歩くとなれば江戸時代版ロードムービーになっちゃいますもんね(笑)

そういったツッコミ点を見ている人に指摘される前に提示しちゃう辺りは如何にも創作落語っぽいし、思わずニヤッとしちゃったのも事実です。

他にも現代劇パートにおいての中井貴一松山ケンイチという実際の大河でも主演を務めた二人がまるで息の合ったコントユニットの様に軽妙なやり取りをして楽しませてくれます。中井貴一さんの場合、三谷幸喜作品でこれまでにもコメディ演技をされてこられましたが、松山ケンイチさんとなると『デトロイト・メタル・シティ』以来じゃないですかね。コメディも非常に板に着いてまるんですよね。

また、北川景子さんのバリバリ出来る女イメージが現代パートでは非常に活きていましたし、時代劇パートでは凛とした強さとして表現されていました。

その他、個性豊かなキャスト陣が現代と江戸時代で一人二役こなしながらストーリーを盛り上げてくれていました。

江戸時代では11代将軍・徳川家斉を現代では千葉県知事を演じていた草刈正雄さんと中井貴一さんが向かい合った時なんかは三谷幸喜作品『記憶にございません!』を思い出しましたね。

伊能忠敬大河ドラマ化プロジェクトに奔走する現代劇パートはとにかくコミカルにテンポ良く展開されており、コメディ映画が好きな僕としては非常に楽しませて頂きました!

一方の江戸時代パート。こちらはガチな大河ドラマっぽさと『プロジェクトX』的なヒューマンドラマが実に見応え抜群でした!伊能忠敬亡き後、彼の意思に共鳴した人々が三年間の間で地図を完成させるまでのプロセス。それは決して容易なものではありません。幕府からの援助を受け、地図作成へ動いている以上忠敬本人が亡くなったという事は決してばれてはいけません。彼の死を隠し援助の費用を得るという事がバレると打首になる可能性だってある。そんな中で彼らはこのスリリングなプロジェクトに向けて動くわけです。怪しむ人物も登場するし、忠敬の影武者も用意しなくてはならない。様々な困難を乗り越え、完成した地図を見た時はそれまでのプロセスを見続けたからこその感動がそこにはありました。日本地図を見て涙を流したのは生まれて初めてだしこれからの人生でもそうそうないだろうなと思います(笑)

現代劇と時代劇の融合というものに対して実を言うといささか不安があったのですが、ここまでうまくまとまっていたらケチの付けようがありません!この映画の評判が良いのも納得でした!

それから伊能忠敬という人が日本地図を作り出したというのは我々はよく知ってる所。しかし、彼がどの様にして測量をしたのかとか人物像を知らないという人は多いと思います。そもそも伊能忠敬が現在の千葉県出身だったなんて事もあまり知られてないし、地元の人は愛着を込めて「ちゅうけいさん」と呼ぶなんて事も僕は初めて知りました。伊能忠敬について興味を持たせてくれるし、劇中にも登場する伊能忠敬記念館にも行ってみたくなりますよ。更に中井貴一さんが演じた高橋景保という人物についても興味が湧いてきます。

また、伊能忠敬が主題ではあるものの、もうひとつ見逃せない点がありましてそれがラジオなんですよ!立川志の輔師匠も本作には出演してらっしゃるんですが、これがラジオパーソナリティの役で出てるんですよ。映し出された局の雰囲気や扱う話題からして千葉県のコミュニティFMかななんて思いました。この番組をお聴きのリスナーさんは皆さんラジオがお好きだと思います!そういう視点でも是非本作を見て頂きたいですね!

伊能忠敬大河ドラマに!これを大きなテーマに、そこからぶれさせずに現代と江戸時代を結ぶ人間ドラマとなっていました!時代劇が苦手という人は多いと思いますが、この作品は非常に鑑賞し易く万人に自信を持ってオススメ出来る作品だと思います!

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

元天才外科医で最強の魔術師ドクター・ストレンジの活躍を描くマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の「ドクター・ストレンジ」シリーズ第2作。2016年に公開されたシリーズ第1作以降も、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(18)、「アベンジャーズ エンドゲーム」(19)、そして「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」(21)など一連のMCU作品で活躍してきたドクター・ストレンジが、禁断の呪文によって時空を歪ませてしまったことによって直面する、かつてない危機を描く。マルチバースの扉を開いたことで変わりつつある世界を元に戻すため、アベンジャーズ屈指の強大な力を誇るスカーレット・ウィッチに助けを求めるストレンジ。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。その脅威の存在は、ドクター・ストレンジと全く同じ姿をした、もう一人の自分だった。ドクター・ストレンジを演じるベネディクト・カンバーバッチをはじめ、ストレンジの盟友ウォン役のベネディクト・ウォン、元恋人クリスティーン役のレイチェル・マクアダムス、兄弟子モルド役のキウェテル・イジョフォーら前作のキャストが再結集。物語の鍵を握る新キャラクターのアメリカ・チャベス役でソーチー・ゴメス、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ役でエリザベス・オルセンも出演。「スパイダーマン」3部作(02、04、07)を大ヒットさせたサム・ライミが監督を務め、「オズ はじまりの戦い」(13)以来となる長編映画のメガホンをとった。(映画・comより)

久しぶりの洋画大作はお馴染みMCUの最新作でありドクター・ストレンジの単独作としては二作目となる『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』です。

ドクター・ストレンジと言えば『アベンジャーズ』シリーズでも存在感を示し、スパイダーマンの最新作でも登場していたのですっかりお馴染みな感がありますが、単独作としては意外にも二作目なんですね。

前作は日本での公開が2017年ともう5年経過する事に時間の早さを感じつつもT-JOY出雲にて鑑賞。5月11日の水曜日に見て参りましたが、平日にしては割と人が入っていましたね。

監督を手掛けたのは『スパイダーマン』三部作でお馴染みのサム・ライミ監督。スパイダーマンが代表的なだけにMCUの過去作も手掛けていたのかと思えば意外や意外。本作が初なんですね。『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』でサム・ライミスパイダーマントム・ホランドによるスパイダーマンが共演していたのが記憶に新しいところですが、遂にサム・ライミ監督がMCU参入!と言ったところでしょうか。

そんなサム・ライミ版『ドクター・ストレンジ』なんですが、いや〜大作でしたね〜!何と言ってもその映像表現ですよ!マルチバースを用いた空間的表現はドクター・ストレンジでしか出来ないなと感じましたし、お馴染みの魔術描写だって前作より圧倒的にスケールアップ!CGのレベルだって圧巻でしたし、ハリウッドの映像表現はここまで進化しているのかと唸らされるばかり。これを見るだけでも値千金かと僕は思います!正直、実写映画での表現とは思えないまるでアニメの様な…いや、アニメですらここまで高次元での表現は難しいのではないかというクオリティでしたね!その意味では配信を待つのではなく是非劇場で体感して頂きたいところです!

また、サム・ライミといえば『スパイダーマン』のイメージが強い監督ではありますが、ホラーも手掛けてきた人です。それが何と本作で遺憾なく発揮されている。今までこの手のアクション/ファンタジーの大作ではあまり見られないホラー的な演出ですが、本作ではこれが功を奏してまして、絶妙なスパイスとして機能してるんですよ。あ、でもご安心を!ホラーと言ってもガチな物ではなくホラー映画が苦手な人でも大丈夫かなというレベルです。

さて、ここまで映像や演出面で推しておきたいポイントを挙げてきましたが、ストーリーはというと。

これがね〜、意外と敷居が高いんですよ。MCUと言えば展開されるユニバースの線上でストーリーが進行する為の関連作品の予習がもはや必須と言えるかもしれません。となると『ドクターストレンジ』の1作目や『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ エンド・ゲーム』更に『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』まぁこの辺りを押さえていたら無難かな?と思いきやディズニープラスで視聴出来る『ワンダヴィジョン』の視聴も求められるんですよ。ちなみにこちらはドラマ版です。実は僕、映画に関してはある程度追ってきましたが、ドラマは弱いんですよね。そんな僕からすると本作の内容を理解するのにはかなりのハードルの高さを感じちゃいました。これは前にも話した事ですが、MCU作品って映画だけでも膨大なシリーズがあるんですよね。それだけ追うのもかなり大変なんですが、ましてやドラマを絡めてくるともう何が何やら?初心者に優しくない作りをし続けるのには辟易している所もあります。まぁ、それでも毎回安定した興行収入をあげるのには根強い固定ファンの多さを物語ってもいるんですけどね。

と、本作に関してなんですが、まとめるとこんな感じです。

映像表現だけで言えば現代の最先端の高レベル・高クオリティな物が間違いなく堪能出来ます!ここを見るだけの為に本作を見ても決して損はないと思います!更にはサム・ライミ監督のホラー的表現が良いアクセントになってるし、更にはゾンビの使い方にもチェックして頂きたい!

しかし、ストーリーに関してはかなり難解でハードルの高い作りとなっていたと言う事。

それでも極上のエンターテイメントに仕上がっていたのは間違いないし、アクションも楽しめるかと思います!

僕の印象としては映像は保証済み!ストーリーは1作目の方が楽しめました。


死刑にいたる病

「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が、櫛木理宇の小説「死刑にいたる病」を映画化したサイコサスペンス。鬱屈した日々を送る大学生・雅也のもとに、世間を震撼させた連続殺人事件の犯人・榛村から1通の手紙が届く。24件の殺人容疑で逮捕され死刑判決を受けた榛村は、犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。手紙の中で、榛村は自身の罪を認めたものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。独自に事件を調べ始めた雅也は、想像を超えるほどに残酷な真相にたどり着く。「彼女がその名を知らない鳥たち」の阿部サダヲと「望み」の岡田健史が主演を務め、岩田剛典、中山美穂が共演。「そこのみにて光輝く」の高田亮が脚本を手がけた。(映画・comより)

『凶悪』、『孤狼の血』シリーズで日本の映画界に激震を与えた白石和彌監督の最新作。と、あれば見ないわけには行かない。私は本作に関しては公開前から楽しみにしておりました!

そして公開週の週末MOVIX日吉津にて見て参りました!こういう真に迫る様なヒューマンサスペンスというのは一定数のファンがいるものでして(私もその一人ですが)割と人は入ってましたね。中にはポップコーンとドリンクを手に入っていく人も見られましたが、果たしてそれを食べながら見る事が出来たのでしょうか。後述しますが、グロいシーンがご多分に漏れずあるんですよ。そりゃ白石和彌監督だしね(笑)

さて、本作ですが特定の元となっている事件はない様です。ただ、映画を見ているとあの事件に似ているなとか凶悪事件に詳しくなってくると思考が巡らされてくるんですよね。

で、映画のタイプとして拘置所内で死刑囚と面会して真相を暴いていくという点では正に白石監督の『凶悪』に近い物がありましたし、普段は人当たりの良いパン屋そして裏では…なんて点ではジョニーデップの怪演が光る『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』を思い出しましたね。

キャストの演技ですが、とにかく阿部サダヲのイメージを180度変える様な怪演には引き込まれました。前述の様に表向きは人当たりが良く気さくなパン屋さんなんですよね。中年男性でありながら女子高生に話しかけても警戒されるどころか心を開いて何でも打ち明ける様な関係を築いていく。犯行現場は全て自宅という事を考えると自宅まで連れ込んでいける様な関係が築けるという人たらしぶりなんですよね。それだからこそのパン屋として気さくな笑顔を振りまく姿とシリアルキラーとして凄惨な殺人をする姿に恐怖を感じるわけですよ。ただ、ここで感じるのはシリアルキラーが社会に溶け込んで生活をしている事への恐怖なんですよね。側から見たらどう見てもいわゆる良い人にしか見えない男が隠す牙ですよね。

以前男女問わず白いソックスとヘルメットを装着した姿に興奮するという男が連続殺人事件を起こしました。その男は人が窒息をして苦しむ姿を見たいという欲情が抑えきれずに殺人を繰り返していたという事でした。性欲の吐口として連続殺人をしていたのですが、この映画における榛村の場合もまた、自身の欲望を満たす為に殺人を犯すんですよね。快楽殺人というんでしょうか。我々の感覚ではこういった連続殺人犯の心理なんて理解出来ないものがあります。「許せない」、「被害者がかわいそう」、「こんな奴は死刑で当然だ」この様な感情が湧くのは人間としては自然な事です。しかし、そこからひとつ踏み込んで犯人は何故この様な人物になったのか?とか事件を未然に防ぐ事が出来なかったのか?そういった事に思考を巡らせ、事件を知る学ぶ。そして自分の大切な人を守る為の知識を身につける。これこそが犯罪学を学ぶ意義ではないでしょうか。と真面目な話しになりましたので映画に戻しますね。

白石和彌監督ならではと言うべきでしょうか。手にかける描写も容赦なく出てきますが、こういうグロ描写に耐性のない方には鑑賞注意を強く呼びかけておきます。ちなみにグロにはある程度耐性のある僕ですが、『孤狼の血 LEVEL2』でのあのシーンに続き下をむいてしまいました。

尚、阿部サダヲさんですがコメディのイメージが強い役者さんですが、それに反してシリアルキラーの役は以前からやりたかったそうですよ。

一方、榛村の証言を元に事件の真相を追及すべく奔走する大学生の雅也を演じた岡田健史。抑圧された少年時代を過ごし現在はいわゆるFラン大学に通っている彼。教育熱心だった彼の父親はそれが気に食わないとあり、祖母の葬式にすら顔を出して欲しくないと思っていたりもする。一方で学校生活もうまくいっておらず友達も居ず、学内でも浮いた存在。鬱屈した日々を過ごす中で榛村からの冤罪証明の依頼を受けるんですね。これを見ると彼の境遇が実は事件を起こす側になってもおかしくない。それくらい屈折の毎日が描かれているんですよね。最終的に溜め込んでいた物が爆発して…なんて展開があるのですが、榛村という猟奇的な事件を起こした死刑囚に目が行きがちなのですが、事件の加害者に瀕する立場として彼が描かれているのではないかと思いました。もっとも彼の場合、榛村との違いとして通り魔的犯行を起こすタイプの境遇に近いかなと感じました。

個人的には非常に見応えのある作品だと感じました。粗を探せば突きたい部分も確かにありますが、白石監督の過去作が好きであれば今回も期待に応えてくれた或いは期待を上回る様な作品だと保証します!

毎度ながら見る人を選びますが、僕は好きです!

オススメです!

ホリック ×××HOLiC

創作集団「CLAMP」の大ヒットコミック「xxxHOLiC」を、「Diner ダイナー」「ヘルタースケルター」の蜷川実花監督が実写映画化。人の心の闇に寄り憑く“アヤカシ”が見えてしまう男子高校生・四月一日君尋(ワタヌキ・キミヒロ)。その能力のせいで孤独な人生を歩んできた彼は、能力を消し去って普通の生活を送りたいと願っていた。そんなある日、一匹の蝶に導かれて不思議な“ミセ”にたどり着いた彼は、妖しく美しい女主人・壱原侑子(イチハラ・ユウコ)に出会う。侑子は四月一日のどんな願いでもかなえてくれると言い、その対価として彼の“一番大切なもの”を差し出すよう話す。侑子のもとで暮らしながらミセを手伝うことになった四月一日は、様々な悩みを抱えた人たちと出会ううちに、思わぬ大事件に巻き込まれていく。孤独な高校生・四月一日神木隆之介、ミセの女主人・侑子を柴咲コウが演じる。「センセイ君主」の吉田恵里香が脚本、「ミッドナイトスワン」の渋谷慶一郎が音楽を担当(映画.comより)

蜷川実花監督と言えば色彩美豊かな映像表現とひと癖もふた癖もある原作を選びながら蜷川実花ワールドをこれまでに展開してきました。父親譲りの独創性の高い作風はこれまでの『さくらん』、『ヘルタースケルター』、『Diner ダイナー』、『人間失格 太宰治と三人の女たち』を見てきた人であれば誰もが認める事でしょう。かくいう私もこれまでの作品は全て目を通しており、その都度インパクトを感じながら楽しく鑑賞して参りました!

そんな僕だからこそ本作の公開も楽しみにしておりました。原作は読んだ事ないですが、きっと蜷川実花の極彩色溢れる映像世界に今回も魅了されるであろうと胸高らかに5月のファーストデイにMOVIX日吉津で見て参りました。ゴールデンウィークの前半でしかも日曜日とあり、たくさんの人で賑わっていましたが、本作に関してはまぁまぁの人入り。やはりコナン君がダントツ人気というのは疑い様がないみたいです。

さて、鑑賞後しばらくはお馴染みのコッテリとした極彩色の映像を堪能。蜷川実花ワールド今回も裏切らない!とりわけ侑子の居るミセはその雰囲気が非常に映えていましたね。非常に濃い赤や紫、青等が入り混じる色彩に侑子の存在感が光ります!

その侑子を演じた柴咲コウがまた何とも妖艶で美しいんですよね!如何にも怪しいミセの中に佇む謎の美女というミステリアスさ。もちろん他の女優さんが侑子を演じても魅力的なんでしょうが、本作においては柴咲コウの新たな魅力を引き出していた様でした。

神木隆之介くんもまた特殊な能力を秘めた高校生という役ではありましたが、こういうミステリアスなシチュエーションに遭遇した役柄は見事に合いますよね。『屍人荘の殺人』もそんな感じでしたよね。ただ、いつまで高校生役やるんだ問題は個人的には気になっちゃいました。

で、前半の展開はとにかくスリリングで見応えがありましたね!望みを叶える変わりに対価を払うというミセのシステムに乗っ取り女性は願望を成就させるのですが、ある縛りを破る事によってとんでもない目に遭ってしまうという『笑ウせえるすまん』を思わせる破滅的展開で一気に作品世界へ引きずり込んでいきます。

ここまでは実に面白かったです、そうここまでは。全体で110分の尺内の前半30分くらいですね。

じゃあそれ以降はどうかというとこれが正直ね〜、しんどかったですね。

ここまでお話しした30分というのは物語の世界観を伝える為のいわば説明描写なんですよね。で、実際に引き込まれていき期待値もグングンと上がっていくんですよ。

で、ここからなんですが、神木くん演じる四月一日を巡る話しに変わっていくんですよ。これまで人と打ち解ける事が出来なかった四月一日にも仲間が出来る。ここまではいいのですが、その後に遭遇するアクシデントのシーンですね。はっきり言って地味なんですよ。詳しくは話しませんが、同じシーンの繰り返しなんですね。もちろんそれにはきちんと意味があるんですが、この下りがあまりにしつこいんですよ。一度見せればわかる内容ですが、これを何度も見せられると飽きてくるし、「この後話し進むの?」ってはがゆくなってきます。

で、ようやくこのループから脱したと思ったら吉岡里帆演じる女郎蜘蛛とのあれこれが始まるし、これこそがハイライトシーンなんですよね。

ただ、蜷川実花監督がこういうバトル物が不得手なのかどうにもアクションの撮りが弱いんですよね。『Diner ダイナー』の時は割と良かったんですけどね。ただ、女郎蜘蛛の衣装とか色気は良かった!この女郎蜘蛛に限らずだけど女性のキャラクターはかわいいキャラはとことんキュートを突き詰め、セクシーなキャラはまるで男性の嗜好を心得ているかの様にツボを刺激してくる。一方、男性のキャラクターは世の女性全てを虜にするかの如くセクシー&イケメンに撮る。これまでの蜷川実花作品でもそうでしたが、蜷川実花さんのアーティスティックな感性はやはり際立ったものがありますよね!

それだからこそ勿体ないんですよね。せっかくキャストを上手く活かしてアートな世界観を構築しているのに肝心のストーリーや展開等がそれについていけてないというのが。ずば抜けた才能のある方だからこそその辺りを磨けば更に質の高い作品を生み出せるのでは?というのが僕の感想です。

ちなみに僕の好きなキャラクターは橋本愛ちゃんが演じた座敷童です。四月一日の事を好きになるのですが、正直現世には居ない妖怪であってもこんな座敷童になら取り憑かれたいと思った僕ちゃんでした(笑)

今回はやや辛口になってしまいましたが、蜷川実花さんの作品は今後も見続けていきたいと思っています。『ヘルタースケルター』や『Diner ダイナー』の様な作品とまた巡り会いたいと心から思ってます!

カラフルな色彩とイケメンや美女を見たいという方にはオススメです!

是非ご覧下さい!