きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ゴーストバスターズ フローズン・サマー

1980年代に世界的ブームを巻き起こした映画「ゴーストバスターズ」シリーズの第3作として2021年に製作された「ゴーストバスターズ アフターライフ」の続編。
真夏のニューヨーク。日差しが降り注ぐビーチで大勢の人々が海水浴を満喫するなか、海の向こう側から突如として巨大な氷柱が大量に現れ、街は一瞬にして氷に覆われてしまう。ゴーストバスターズとしてニューヨークの人々をゴーストたちから守ってきたスペングラー家は、その元凶が全てを一瞬で凍らせる「デス・チル」のパワーを持つ史上最強のゴーストであることを突き止め、事態を解決するべく立ち上がる。
キャストにはポール・ラッド、マッケンナ・グレイス、フィン・ウルフハード、キャリー・クーンら前作のメンバーや、80年代版のビル・マーレイダン・エイクロイド、アーニー・ハドソンらおなじみの顔ぶれが集結。「モンスター・ハウス」のギル・キーナン監督がメガホンをとり、前作で監督を務めたジェイソン・ライトマンがキーナン監督とともに脚本を手がけた。(映画・comより)

日本では前回紹介した『オッペンハイマー』と同日の公開となったゴーストバスターズの最新作。ただ、はっきり言って『オッペンハイマー』があまりに頭を使い過ぎたせいで気軽に見て楽しめる今作みたいな作品の存在が如何にありがたいか骨身に沁みたそんなワタクシ。先週の月曜日にMOVIX日吉津で見て参りました。

さて、まず今作を語るにあたって前作の『ゴーストバスターズ アフターライフ』について。オリジナルメンバー出演としては32年振りの新作として話題を集め当番組でも扱いましたが、80年代の良い意味でのバカに振り切ったお気楽コメディが30年以上の時がシビアな現実を突きつけてしまい前二作で監督を手掛けたアイバー・ライトマンが他界し息子のジェイソン・ライトマンが監督を務めました。また、オリジナルのゴーストバスターズメンバーの一人であったハロルド・ライミスもこ天国へと旅立ち、そんな彼への追悼の意も込められた涙なしでは見る事の出来ない作品となっていました。

しかし一方ではゴーストバスターズの新たなフェーズに突入した事を印象付けるファミリーの物語としてうまくまとめていたなと思います。

僕自身、前作はかなり高い評価をしましたので、その次作となる今作にはかなり高い期待をしてました。

さて、前作からの流れを継いだファミリー達は早速ゴースト達と向き合いお仕事お仕事というお馴染みの展開。こういうの見ると再びゴーストバスターズを見れている事に喜びを感じます。

また、80年代の二作品はニューヨークを舞台にしていましたが、今作はお化け退治の舞台をそのニューヨークに戻しています。うん、ゴーストバスターズらしいですね。

語弊を恐れず言えば難しく考えずポップコーンでも食べながら気楽に見れる。最近小難しい映画多かったからハリウッドの娯楽映画はやっぱこうでなきゃなんて思わせてくれますよ。

また、良いところで出てくるオリジナルメンバーの登場も嬉しいし、ゴーストバスターズと言えばのあの曲もオヤクソクとしては外せない。といった具合に期待を裏切らないエンタメ性です!

また、前作はシリアス寄りに舵を切っていましたが、今作にもやはりうるっとさせる描写がありましたね。

それはお化けだって元は人間という事から現世を生きる人間と既にこの世には居ない成仏出来ない元人間、つまりはゴーストとの友情を点ですね。これは80年代の二作でのオッサン達によるお化け退治屋ではなく人間の少女がバスターズに居るという点から生まれた実に秀逸な設定ですよね。彼女達が魂を超えた友情を育んだ事そして暴走するゴーストを食い止める為に元・少女であるゴーストも犠牲にならなければならないという残酷だけど感情を刺激する展開。何この『大長編ドラえもん のび太と鉄人兵団』風味?って思ってみてしまいましたよ。

前作で監督を務めたジェイソン・ライトマンは今作監督のギル・キーナンと共に脚本を手掛けていますが、前作を踏襲する様に感動路線としてしかと脚本を仕上げています。

ただ、この様によくまとめあげてはいますが、全体としての前作の様な込み上げる物は希薄になった感が否めないです。

というのが今作の核となる部分として真夏のニューヨークが凍結されてしまうというこのアクシデントに至るまでが長すぎるんですよね。前半で不要と思われる様なシーンが多かった気もするし…。更にはビーチでレジャーを楽しむ人を襲撃するというサメ映画の『MEG』にも通じる場面。逃げ惑う人々を容赦なく襲っていくという今作で特にスリルを煽るあのシークエンスももう少し緊張感を生み出してほしかった気もするし、このデス・チルという強大なパワーを持つゴーストを抑える為に悪戦苦闘するくだりから収束までの流れが何ともあっけなかったしで色々ともったいなかったというのが率直な感想ですね。

全体として映画としては楽しめたんだけど前作が良過ぎただけに…というところでしょう。

それから僕は吹替版で鑑賞しましたが、日本版では新しい学校のリーダーズゴーストバスターズがコラボ。MVの様な特典映像は楽しめましたよ!

出来れば前作の『ゴーストバスターズ アフターライフ』の視聴をしてからをおすすめしますが、初見でも十分楽しめるかと思います。

是非劇場でご覧下さい!