きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

変な家

違和感だらけの“変”な間取りの裏に隠された驚きの真実に迫る展開で話題を集めたYouTube動画をもとに、動画制作者・雨穴が自ら物語の続きを加筆して書籍化したベストセラー小説「変な家」を映画化。
オカルト専門の動画クリエイター・雨宮はマネージャーから、購入予定の一軒家の間取りについて不可解な点があると相談される。そこで雨宮は、自身のオカルトネタの提供者であるミステリー愛好家の設計士・栗原に意見を聞いてみることに。間取り図から次々と浮かび上がる奇妙な違和感に、栗原はある恐ろしい仮説を導き出す。そんな中、その家のすぐ近くで死体遺棄事件が発生。事件と家との関連を疑う雨宮が一連の疑惑を動画にして投稿すると、その家に心当たりがあるという人物・宮江柚希から連絡が来る。
間宮祥太朗が雨宮役、佐藤二朗が栗原役で主演を務め、物語の鍵を握るヒロイン・柚希を川栄李奈が演じる。「エイプリルフールズ」の石川淳一監督がメガホンをとり、「七つの会議」の丑尾健太郎が脚本を担当。(映画・comより)

さてまずは原作について触れていきます。ベストセラーとなった雨穴によるミステリー小説『変な家』。1作目のヒットを受け現在まで2巻が刊行されています。更にシリーズとして『変な絵』も刊行されこちらも大ヒットとなっています。私も『変な家』の1巻は読みましたが、家の間取り図から謎が謎を呼んでいくそのストーリー展開に一気に引き込まれていきました。また、文章も良い意味で平易で難しい表現はなく行間を読み取れ的なミステリー小説によくある凡人の理解度をいたずらに試してくる様な事もなく普段小説をあまり読まない僕にも非常に優しく読みやすいそんな良書でした。だから僕はこの原作については推していきたいなと思っています。

だからこそ僕はこの映画化は非常に楽しみにしていました。果たして原作で描かれたあの独特な世界観が映画ではどの様に表現されているのか?期待を胸に公開直後の3月16日の土曜日。MOVIX日吉津にて鑑賞して参りました。

さて、特に小説の場合ですが、事前に原作に触れると自分が読んだイメージというのは各々の脳内で作られていきますよね。登場人物のキャラクターや舞台設定から細やかな背景等等。それが映像化となるとその自分の描いたイメージとのある種の答え合わせの様な作業が生まれます。登場人物の誰々は自分の中ではこんなキャラクターなんだけど映画ではどうなってんのかな?みたいなね。そしてそれが楽しくもあるのですが、間宮祥太朗の演じた雨宮という動画クリエイターは確かに自分がイメージしていたそれに近かったですね。ただ、他の主要キャラ二人、川栄李奈演じる柚希と佐藤二郎演じる設計士の栗原ですね。僕が小説を読んで抱いてキャラクター像よりもダークな雰囲気を醸し出していた印象ですね。

また、舞台となる変な家の数々。この映像化はなるほどこう来たかと思わせてくれた。とりわけこれは原作読んだ人なら分かるんですけど本家ですよね。玄関から真っ直ぐに伸びる廊下。その突き当たりにある仏壇というあの怪しさ極まりない本家ですよね。開かずの襖や謎の通路等等小説を読んで抱いたイメージの上をいく不気味さを禍々しさの描き方。いやいやお見それ致しました。

と、原作を読んだからこそ感じる映像化に際しての発見等等は個人的には面白かった点でしょうか。

ただ、一方では過剰に表現するあまり気になってしまった点がありましてそこについて触れていきますね。

まずおどろおどろしさに比重を置くあまりホラーっぽくし過ぎてやしませんか?という点。原作の改変から大きな問題に発展してしまった中、原作にあるなしの描写に少しナイーブになってやしませんか?と言われそうですが、割と映画の序盤に出てきた窓ガラスのキィ〜っていうあの耳障りな音の場面ですよね。あんなの原作にあったかな?というのもそうなんだけどホラー的な映像演出として加えたというのであればあれ要る?って思っちゃいましたね。

後、横溝正史的な本家の因習に触れていくくだりですよね。いや、あれ自体はいいんですよ。横溝正史オマージュの文脈で言えば『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』という成功例がありましたし、石坂浩二さんが本家の当主である老人を演じていたのは金田一耕助からの流れなんでしょうね。そして本家の禍々しき因習を軸にした明治時代の女中の負った悲劇等は『番長皿屋敷』等の古典的な日本の怪談を思わせる不気味さに潜む悲哀を十分に表していたと思います。また、その因習からの惨劇に巻き込まれる雨宮達の姿も間宮祥太朗、佐藤二郎、川栄李奈という三人による迫真の演技もあって見る人に緊張感を与えてくれます。

更に言えば『事故物件』であったり『樹海村』に始まり村シリーズ等近年のジャパニーズホラーと比肩いや或いは凌駕する様なホラーとしての面白さはありましたよ。ただね〜、今作って原作がこんなホラーに寄った作品だったのかな?なんて気になってしまいまして。いや、むしろ先日取り上げた『マッチング』に近いサスペンス寄りな作品なんですよね。『マッチング』について話した際に僕は不気味さやダークな描写等等には触れましたが、ホラーに寄ってたとは言ってませんからね。

で、『マッチング』の話しが出てきたのでその流れで…。『マッチング』にも出てきたあのベテラン女優さん。今作にも出られてました。しかも『マッチング』同様に今作でも快演を見せています。かつてのアイドルも年齢を重ねて役の幅の広さ更に深みを感じさせてくれましたね。僕の世代より少し上の方々に向けてですが、初代の『スケバン刑事』や『はいすく〜るらくがき』を見ていた僕のお兄さんお姉さん世代の皆さん。今の彼女の女優としての深みを味わう為にも『マッチング』と『変な家』は是非チェックして下さい!

と思わぬ形で前々回取り上げた作品も合わせて推す形になりましたが、『変な家』。小説と合わせてオススメです!

是非劇場でご覧下さい!