きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

名探偵コナン 100万ドルの五稜星

大ヒットシリーズ「名探偵コナン」の劇場版27作目。「月下の奇術師」の異名を持つ怪盗キッドや、キッドとは因縁のある「西の高校生探偵」こと服部平次が登場し、北海道・函館を舞台に、謎に包まれた日本刀をめぐるミステリーが展開する。
北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届く。キッドの狙いは新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だったが、折しも函館で開催される剣道大会のため、服部平次やコナンも同地を訪れていた。平次はキッドの変装を見破り、追い詰めていく。時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で発見され、捜査線上には「死の商人」と呼ばれる日系アメリカ人の男の存在が浮上する。
北海道警捜査一課の刑事・川添善久役で北海道出身の大泉洋がゲスト声優出演。監督は「名探偵コナン 緋色の弾丸」「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」や人気アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」も手がける永岡智佳。(映画・comより)

毎年恒例の「名探偵コナン」の劇場版。やはりGWと言えばコナンくん…ってな事を毎年僕も言ってますが、まぁ許して下さい。

そしてもちろん大ヒットとなっており、初動の興行収入も歴代の劇場版史上最高のものとなっており、二作連続の興収100億円超えが濃厚となっています。原作の連載開始から30周年ですが、非常に景気のいい数字が期待出来るのではないでしょうか。

そして毎年劇場版のコナンは見続けているワタクシも当然ながら公開直後に鑑賞。

4月13日土曜日。MOVIX日吉津。さすがは公開週の週末とあってほぼ満席。そんな中でオッサンのぼっち鑑賞。果たして新作は?…と期待を抱きながら幕間の時間からそわそわとしておりました。

それでは今年の劇場版名探偵コナン評いってみよう!

毎年、劇場版名探偵コナンを見る度に思うのですが、コナンくんの強みって各作品においてプッシュするキャラクターが充実しているなという点です。ある時は赤井さんをまたある時はキッドを去年の様に灰原を推したりと。そして今年はキッドと平次&和葉のコンボでといった具合に。コナン(工藤新一)とヒロインの蘭のみならず周辺のキャラクターを含めて魅力的に描いてきた青山剛昌先生が30年に渡って各キャラクターと共に作品を国民的コンテンツに育て上げていったからこそだなと改めて感じました。

またこれはサスペンスだからこその国内外のあらゆる場所を舞台にする事が出来るのも強いかなと思ってまして、今回の舞台は北海道函館。ジャンルや作風が違いますが、同じ年一公開のコンテンツでSF要素が加わる「ドラえもん」や基本カスカベを中心にしながらあらゆる要素でファンタジックに描く「クレヨンしんちゃん」との違いはそこにあるかなと思っています。

で、これまでの作品がそうであった様に実在の場所を舞台にするからこそのリアルな描写がまた見所でもあってとりわけ五稜郭や函館の夜景等はアニメである事を忘れるくらいです。

そして今作の場合は土方歳三の刀をめぐってのミステリーなのでこれまでのコナン映画ではイメージの薄い時代劇描写もあったりとなかなか新鮮でした。

更にはお宝探しの要素も加わる為、北海道でお宝ハント?これって「ゴールデンカムイ」?いやいやそこはブレる事なくしっかりミステリーしてましたからご安心を(笑)

また函館有数の斧江財閥と刀の因縁を巡るストーリーも展開され…とひとつひとつに目が離せない作りとなっています。

もちろんオヤクソクの阿笠博士と少年探偵団のクイズもお忘れなく。それにしても今回のクイズの問題っていつものダジャレっぽくなかったんだよな。内容は伏せますが、これって割とガチ目なクイズ?って戸惑っちゃいましたもん…。

また、平次と和葉が登場するのでこの二人を応援する蘭ちゃん目線の持ち主はそこも含めてお楽しみあれ。

で、実は僕はというと今回に関してはここ近年のコナン映画の中では物足りなかったなと思っていまして、コナンくんガチ勢からの批判を覚悟の上で言わせて頂きますね。

まぁ、批判がくるかはさておき批判するのはガチ勢でしょう。つまりはディープなファン。この方々はしっかり楽しめた事でしょう。何故なら今作、ファン向け映画だからです!ファンなら大満足必死なネタの数々や場面がふんだんに盛り込まれているんですよ!ただ劇場版くらいしか見ない僕みたいなライト層だとそれがしっかり伝わらない描写も多々ありましたし、更には青山剛昌ユニバースとして「YAIBA!」のキャラクターも登場という辺りですね。マーベル作品みたいな事しちゃいましたか〜と。いや、もちろんこれがいいんじゃないかという人も居るでしょうが、僕はあくまでコナンはコナンで楽しみたいからな〜という考えだったりするもので。

それから去年の「黒鉄の魚影」の灰原の過去にフォーカスしていく様なヒューマンな描写があれば尚よかったのにななんて思っちゃいました。後、キッドの違和感ありありの京都弁のくだりはちょっとくどかったかななんて思いましたね。それから毎作惹きつけられるアクションシーンが今年はやや薄目だったというのも不満点としてあげておきます。

う〜ん、近年のコナン映画があまりに良作続きだったからこそというのがありますが、ファン向けに寄せ過ぎたのが特に残念な印象を抱きましたね。

というのが全体的な僕の感想です。ただ不満点はあれど作品そのものは劇場版名探偵コナンとして決して恥じない高クオリティのエンタメ性は担保されているという事は強くお伝えしておきますね。

是非劇場でご覧下さい!