きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

名探偵コナン ハロウィンの花嫁

青山剛昌原作の大ヒットシリーズ「名探偵コナン」の劇場版25作目。ハロウィンシーズンの東京・渋谷。コナンたち招待客に見守られながら、警視庁の佐藤刑事と高木刑事の結婚式が執り行われていたが、そこに暴漢が乱入。佐藤を守ろうとした高木がケガを負ってしまう。高木は無事だったが、佐藤には、3年前の連続爆破事件で思いを寄せていた松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが、高木に重なって見えた。一方、同じころ、その連続爆破事件の犯人が脱獄。公安警察の降谷零(安室透)が、同期である松田を葬った因縁の相手でもある相手を追い詰める。しかし、そこへ突然現れた謎の人物によって首輪型の爆弾をつけられてしまう。爆弾解除のため安室と会ったコナンは、今は亡き警察学校時代の同期メンバー達と、正体不明の仮装爆弾犯「プラーミャ」との間で起こった過去の事件の話を聞くが……。降谷零と、すでに殉職している松田陣平、萩原研二、伊達航、諸伏景光の4人を含めた、通称「警察学校組」と呼ばれる5人がストーリーの鍵を握る。(映画・comより)

ハイ、やって来ました!毎年恒例の『劇場版名探偵コナン』。25作目の作品になりますが、思えば私。この内の半分以上は劇場鑑賞しております。もっとも一作目から見続けている人だっているでしょうから大した自慢にはなりませんが…。で、この最新作も迷う事なく公開直後に鑑賞。4月16日土曜日午後の回。MOVIX日吉津はポップコーンの購入にも長蛇の列が出来る程賑わっておりました。

さて、ここ近年のコナン君と言えば興行収入もとてつもない数字を連発しており、すっかり春の風物詩として定着した感が非常に強いです。とりわけコナンくんプラスのメインキャラをフィーチャーした形を取っており、それがより人気を高めるのに功を奏しているのかななんて思います。今年は警察学校組と呼ばれる五人のストーリーを軸にコナンらお馴染みの面々が大活躍する流れになります。

特徴としては王道のサスペンス要素はもちろんのこと、アクション・ラブストーリー等が織り込まれている点。…なんて言えばあれやこれやを入れ過ぎて散漫になるきらいがありそうですが、そこはご心配なく。110分の尺にこれらが非常にバランス良く織り込まれている為、決して飽きさせない。つまりはテンポが良いんですよね。松田刑事を中心とした過去シーンと現在をクロスするシーンも非常にスムーズだし、正直近年のコナン映画の中でも個人的にはかなり好きな方かもしれません。

それから今回に関しては原点回帰の様なコナン君大活躍という辺りが光りますね!例えば赤井一家であったり安室さんであったり怪盗キッドであったりとここ近年の作品だとその映画の核となるキャラクターに見せ場があり、コナン君がやや控え目だった印象。もちろん本作では警察学校組を中心に据えながらもしっかりとコナンの見せ場も用意してあり、全方向に向けてのアプローチがしっかりなされていた印象ですね。

それからお馴染みの阿笠博士のクイズだってあるのですが、今回は忘れた頃にぬるっと登場。このパターンも新鮮でしたね。

本作には2年以上の製作期間があったので、製作側も全く意図しなかったであろうロシアとの関わり。これは公開延期となったドラえもん映画を扱った時に現在の国際情勢と思わぬ形でリンクしてしまったとお伝えしましたが、まさかのコナンでも…というのが正直、驚いたしハロウィンの渋谷であわや爆破事故?なんて辺りが昨年のハロウィンの日の夜からしばらく続いた場当たり的なジョーカー事件とも繋がる様でこれもまた偶然とは言え、驚きを得なかったところです。

核となるキャラクターがロシア人という事で今はデリケートになりがちなんですが、本作でお伝えしたい事があるので、そこに触れていきます。少しネタバレが含まれてしまいますので、これから鑑賞予定の方は一度引き返して頂いてよろしいですか?


ハイ、よろしいでしょうか?

爆破事件を食い止めるのは日本人とロシア人なんですね。ハロウィンの渋谷での事件を戦争に置き換えて考えるとこんな見方が出来ませんか?日本とロシアが戦争を食い止める為に奔走していると。

ウクライナの人もロシアの民間人もどちらも平和を願っている誰だって戦争なんかしたくない。早く終わってほしい。平和を誰もが願っている中でロシア人達が爆発を止める姿に胸を打たれた。

復讐に燃える人物だって復讐を誓うが故の動機はある。だけど暴力や破壊的衝動は何も生まないという事を暗に伝えているんですよね。

僕は今回の内容は『ドラえもん』の時がそうだった様に非常にタイムリーなテーマだと思いました。

それから人の死生観について見せてるのも印象的でした。松田刑事は3年前に殉職してこの世にはいない。しかし、降谷さん・警察学校組・佐藤刑事と松田とゆかりの深い面々の思い出で生き続けるそんなそれぞれの松田刑事のドラマを綺麗にまとめながら見せてくれていましたね。

また、BUMP OF CHICKENの主題歌『クロノスタシス』について。実はコナンのイメージと合わなくない?なんて意見がありまして、僕も確かに!なんて思っていたんですよ。ところが実際に映画で耳にすると印象が変わりましたね。なるほど曲だけ聴くといつものBUMPなんだけど、作品にこれ程寄り添った楽曲もないかなと感じました。これは是非映画を見た上で感じて頂きたいところです!

と、この様に見所満載な名探偵コナンの最新作。『ドラえもん』に続いて思わぬ形でロシア・ウクライナ情勢にリンクしてしまいましたが、こんな時だからこそ見て頂きたいですね!