きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

名探偵コナン 緋色の弾丸

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青山剛昌の人気コミックをアニメ化した大ヒットシリーズ「名探偵コナン」の劇場版24作目。世界最大のスポーツの祭典「WSG」と、世界初の「真空超伝導リニア」の開発という2つのキーワードを軸に、前代未聞の事件に挑む江戸川コナンの活躍を描く。FBI捜査官・赤井秀一が、シリーズ20作目「純黒の悪夢(ナイトメア)」以来に劇場版に登場。さらに、赤井の弟でプロ棋士の羽田秀吉、女子高生探偵の妹・世良真純、3人の母親で“領域外の妹”と名乗る謎の女性メアリーも登場し、“赤井ファミリー”が集結する。4年に一度開かれる世界最大のスポーツの祭典「WSG ワールド・スポーツ・ゲームス」が東京で開催され、その開会式にあわせ、最高時速1000キロを誇る世界初の「真空超電導リニア」を開発することが発表された。しかし、世界の注目を集める中、名だたる大会スポンサーが集うパーティ会場で突如事件が発生し、企業のトップが次々と拉致されてしまう。そして、その裏には事件を監視する赤井秀一と、彼の指令を待つFBIの姿があった。江戸川コナンは、今回の事件と、15年前にアメリカのボストンで起きた「WSG連続拉致事件」との関連性を疑うが……。
(映画.comより)

毎年この時期恒例の劇場版『名探偵コナン』。
しかし、昨年は新型コロナの影響により、公開が延期となり一年越しの公開となりました。
とりわけここ数年ファンから高い評価を受ける作品が続き、興行収入も右肩上がりとなっておりましたので、今回の一年越しでの封切りを首を長くして待っていた方も多い事でしょう。
僕もそんな一人です。

さて、本作の核となるのは赤井一家。
そして本作の公開を前にして2月にはこの赤井一家のあらましをまとめたテレビ版の総集編が『名探偵コナン 緋色の不在証明』として劇場公開されました。
あくまでテレビアニメを編集したものではあるのですが、それでも興行収入は12億円を突破し、改めてのコナン人気の高さを証明したのも記憶に新しいところです。
テレビアニメの総集編という事もあり、番組では取り上げませんでしたが、実際僕も鑑賞。
劇場版しかコナンを見ないという僕にとっては非常にわかりやすい内容でしっかり予習をした上で本作を鑑賞しました。

まず、冒頭のシーンからしてカッコいい!
「えっ、いつものあらすじ紹介とおなじみのあのフレーズ?」と言いたいところでしょうが、いやもちろんそのくだりありますよ。
今回はそこに至るまで結構引っ張るんですよ。
15年前にある事件からスタートします。
そしてこれこそが本作で起こる事件の引き金として後々明かされるのですが、これがね~かなり渋い雰囲気を醸し出しているんですよね。
ブルースハープを奏でながらニューヨークの街を走り回る被害者。
この街並みであったり挿入されるSE等がとにかくカッコいい!
近年では大人ファンが多いコナン。
さながらハリウッドのサスペンス映画を思わせるこの序盤のシーンで一気心を持ってかれちゃいましたね。
そしてこの緊迫感からいつものほのぼのシーンへと変わると「あっ、今俺はコナンの映画を見てたんだ」なんて気づかされる。
そしていつものお約束である阿笠博士のクイズに挑戦したり少年探偵団や蘭やその子のわちゃわちゃしてる感じを見ると和むわけですよ。

こうしたお馴染みの面々ももちろんですが、各キャラクターの表現もよくて、その魅力をしっかりと捉えている辺りも楽しめましたね。
とりわけ赤井一家集合となるとその辺りが非常に難しくなると思うんですよ。
如何に各々のキャラを活かすかそして持ち味を適材適所で表現させながら決してただのキャラ祭りの様に散漫にさせない。
その辺りかなり緻密な計算がされているなと本作では感じましたね。
特に前述の『緋色の不在証明』を見ていた事もあってよりキャラクターへの心が誘導されていきましたね…あ、ご安心下さい。
『緋色の不在証明』末見でも全然楽しめますよ。

で、キャラクターの配分と同時にストーリーの配分。
これまた絶妙でして、WSGと超真空電動リニアという2つの題材が軸となっています。
余計なお世話承知で一つに絞った方が良いのでは?なんて思ったのですが、ここはさすがの『名探偵コナン』ですよ。
決して散漫にならず上手くこの二つを結びつけておりまして、そこも脚本の妙とでも言いましょうか、唸らされましたね。
だけどこれが苦手な人も居るのかななんて事も思いましたね。
本作は割と賛否が分かれる内容となっている様でして、ネットのレビューを見てもこれまでにない程、意見が割れております。
詰め込み過ぎという批評も見受けられましたね。
僕は良かったんですけどね。

と、本作に関してはかなり個人的にはヒットしたのですが、最大のハマりポイントをお伝えするならば、それが終始だれさせない究極のジェットコースター映画だなと感じまして。

というのが前半はひたすら犯人を追うという展開で見ているこちらも一緒になんちゃって探偵をするわけですよ。
そしてこの犯人が明かされるまでの展開がひたすらスリリング。
その後、犯人が明かされてから。
そこがまたボルテージの上がる様なつくりなんですね。
お馴染みのカーチェイスもあるし、ひたすら話しにのめり込んでいく。
この渦中に前半部で張られた伏線の回収劇もあり、ただただ面白い!
そしてまさかの…なんて展開に。
とにかく見ている側もアドレナリン出まくりです。
犯人が明かされるまでを第一の、そこから展開される意外な事実の判明を第二とし、僕はこれを興奮の二段構えと称したいなと思いましたね。

そして主題歌である東京事変の『永遠の不在証明』が流れる辺りには僕は心の中でスタンディングオベーションをしていましたね。
椎名林檎さんの書くコナンくんの世界がたまらなく本作にピッタリでしたね!
これまで数々のアーティストが劇場版『名探偵コナン』の主題歌を担当してきましたが、僕が椎名林檎さんが好きという事を差し引いてもこれ程作品とハマった曲もなかったのでは、と感じました!

これは是非劇場で味わって頂きたいです!
オススメです!