きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

f:id:shimatte60:20190717202514j:plain

1998年公開のポケモン映画シリーズ第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」をフル3DCGでよみがえらせたアニメ映画。全てのポケモンの“はじまり”と言われ、「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」の2つを持つ冒険者の前にだけ現れるという幻のポケモン・ミュウ。世界中のポケモン研究者がその行方を追う中、ついにある科学者がミュウの化石を発見し、それをもとに禁断の行為に手を染めてしまう。人間のエゴによって生み出された伝説のポケモンミュウツーは、自身の存在理由も分からないままに兵器としての実験を繰り返され、心の中に人類への憎悪の念を宿していく。劇場版第1作でミュウツーの声を演じた俳優の市村正親が再び同役を担当。これまで数々のポケモンアニメを手がけてきた湯山邦彦と「ルドルフとイッパイアッテナ」の榊原幹典が監督を務める。
(映画.comより)

夏と言えばポケモン映画なわけですが、今年は5月に『名探偵ピカチュウ』がありましたからね。
あまり久しぶりな感じがしないのもまた事実。
で、その『名探偵ピカチュウ』の時にも言いましたが、ワタクシお恥ずかしながらゲームでポケモンをやった事のない超門外漢。
ただ、実はここ数年ではありますが、劇場版ポケットモンスターは見て参りました。
で、昨年夏に公開された『みんなの物語』では今年の予告としてミュウツーが登場し、『ミュウツーの逆襲』がリメイクされるという事を高らかに告げておりました。
何しろ劇場版ポケットモンスターのシリーズ1作目にして最高の興行収入を叩き出したポケモンのレジェンド的作品ですから、ファンの間でも期待半分不安半分といった声が散見されておりました。

で、実際に僕も1作目の元祖・『ミュウツーの逆襲』を見ました。
全くの予備知識なしで見たんですが、衝撃的でしたね。
というのも僕の中でのポケモンのイメージってもっと軽いものだったんですよ。
サトシとピカチュウポケモンをゲットする為の冒険に出る、みたいな。
いや、実際そうなんだけど小学校低学年くらいの子供が見てもすんな理解しながらサトシ達に共感し、楽しむ。
ざっくりですけどそんなイメージでした。
ところが実際のところ、『ミュウツー~』に関して言えば生命についての哲学的要素が全面に押し出されているし、それを深く考えるなんて大人にも難しい。
でも、それがこれでもかとばかりに描かれている。
いや、はっきり言ってめちゃくちゃ重い。
心にズシンと響いてくる。
それでいて泣ける。
「これ、当時の子供楽しめたのかな?」とか「むしろ大人こそ見るべき映画じゃね、これ」なんて思いましたが、でも確実に日本のアニメ映画史で語り継がれるべき名作である事は間違いありません。

そして21年の時を経て甦ったのが『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』です。
で、公開早々に僕も見てきましたが、はじめのうちこそ3DCGとなったサトシ達に違和感をおぼえましたが、でもそれはほんの一瞬です。
すぐに気にならなくなります。
いや、それ以上にオリジナルと比べた時に感じるのは21年の技術的進歩をまざまざと見せつけられます。
背景の美しさであったり、細かいところまで非常に鮮やか。
更に登場するポケモンの描写もリアルで3Dになった事でより美しさが際立っていた様に思います。
ストーリーに関してもオリジナルから改変する事なく忠実に再現。
よくリメイクにありがちなんですが、いらん演出を入れたり蛇足的エピソードを挿入したりという悪例をよく見かけます。
しかし本作においては全くの改悪要素はなくオリジナルストーリーにこだわっていた辺り好印象です。

で、これは当時の子供そして今は大人になった人の目にはどの様に映ったのか気になった。
子供を連れて見に来てる大人たち。
子供の頃に見て気付かなかった色んな発見が出来たんじゃないでしょうか?

とにかくポケモン達から生命について学びを得ます。
ミュウツーが何の為に生まれたのかを自問自答するシーン。
クローンと本体により止めどなく続く争い。
全てが深いんですよね。

21年前のポケモン映画史上最大のヒット作にして名作のリメイク!
これまでポケモン映画に触れていない大人が見ても非常に楽しめる作品だと思います。
是非劇場でご覧下さい!