きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

地獄の花園

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OLたちの華やかな職場の裏で、拳を戦わせる壮絶な派閥争いがおこなわれていたというバカリズムの奇想天外なオリジナル脚本を、Perfumeサカナクション星野源のMVを手がける関和亮監督のメガホン、永野芽郁主演で映画化。ごく普通のOL生活を送っているかのように見える直子。しかしその裏では社内の派閥争いをかけ、OLたちが日々ケンカに明け暮れていた。ある日、中途採用されたOL・蘭と直子は一緒にカフェめぐりをするなど友情を深めていくが、蘭の正体はスカジャンがトレードマークのカリスマヤンキーOLだった。蘭の入社をきっかけに、直子の会社が全国のOLたちのターゲットになってしまい……。主人公・直子役を永野、蘭役を広瀬アリスがそれぞれ演じ、菜々緒川栄李奈大島美幸森三中)、小池栄子に加え、勝村政信松尾諭丸山智己遠藤憲一らが全員OL役を演じている。
(映画.comより)

芸人さんの中でもとりわけ僕が好きなバカリズムさん。
かつては某ネタ番組で「お笑い四次元ポケット」という異名を取っていたバカリズムさんですが、とにかくその奇想天外な発想の数々にこれまでかなり楽しませて頂きました。
コントのDVDも持ってますし、YouTubeを通じてもよくネタの動画を拝見しています。
で、バカリズムさんのネタってとにかく何かと何かを組み合わせる事に長けてるんですよね。
患者にマイクを向け、さながらクイズ番組の司会者の様に診察をする医者・卒業式の壇上で生徒一人一人に誰もが知ってる当たり前な事を告げる先生から本能寺の変をテレビの寝起きどっきりの様なつくりにしたらという妄想をクソ真面目にプレゼンしたりととにかく何かと何かを繋げながら常人では発想出来ない思考で笑いを生み出す天才だと思ってます。

そんなバカリズムさんの脚本による映画。
バカリズム愛好家として兼ねてから見たい一本でした。
何かと何かを組み合わせる組み合わせの天才・バカリズムさんだけあって、本作の設定もぶっ飛んでます。
OL×ヤンキー。
かつては「架空OL日記」が話題となったバカリズムさんですが、OLを皮肉らせたら天下一品。
自身のコントでもこれまで数々のOLをおちょくってきていたわけですが、ヤンキーとOLという対極の設定をどの様に結びつけるかが注目です!

結論を言えばバカリズムさんにしか生み出せない独特の世界観。
これまでのバカリズムワールドの中に豪華俳優陣を巻き込んだ一級のコントに仕上がっています。
学校をオフィスに置き換えた女性版の『クローズ』や『今日俺』。
現に作中にも『クローズ』はもちろん、『BE-BOP-HIGH SCOOL』、『湘南爆走族』、『ろくでなしBLUES』と言ったヤンキー達のバイブルの様な漫画のオマージュは登場するし更にはこれらのヤンキー漫画をリスペクトを込めながらおちょくるというバカリズム節とも言うべき世界をとことん堪能出来ます。

キャストには主演の永野芽郁はじめ広瀬アリス菜々緒川栄李奈大島美幸遠藤憲一小池栄子等を配しながらオフィスでの頂上決戦が繰り広げられます。
コミカルなやり取りももちろん楽しいですが、アクションが力入ってるんですよ。
とりわけ永野芽郁広瀬アリスによる格闘シーンなんかは見所ですよ!
広瀬アリスさんのアクションやヤンキー風ビジュアルもバッチリハマるんですが、永野芽郁ちゃんですね!
アクションの立ち回りでかなり見せてくれるんですよ。
例えば僕がプッシュするアクション系女優さんで言えば土屋太鳳さんであったり、綾瀬はるかさんでも全然この役は治まると思うんですよ。
そして持ち前の身体能力を活かしたアクションを披露したらきっと「さすが~」と唸らせられる事でしょう。
でもそこを永野芽郁ちゃんにした辺りにキャスティングセンスが光りますよね!
彼女と言えばどちらかと言えばおっとりしたイメージが強く、アクションイメージってそこまで強くない女優さんですよね。
ところがそのイメージを覆す様なキレッキレのアクションとドスの効いたセリフ回しを見せてくれましたね!

また、本作を手掛けた関和亮監督の手腕が光ったなと感じたのはそのカラフルな映像美ですね!
これまで数々のアーティストのMVを手掛けてきたキャリアの方だけに音楽と映像の組み合わせが絶妙なんですよね!
とりわけタイトルバックの出し方により、一気に映像に引き込まれたし、エンドクレジットとLiSAの曲との組み合わせが最高にハマっていました!

それから本作はラストもスッキリさせてくれました。
まるでこれまでのぶっ飛んだストーリーをチャラにさせるかの様な壮大なコントのオチを見る様で笑っちゃいました。
また、その時の永野芽郁ちゃんの表情もいいんですよね~。

バカリズム大好きな方はもちろん、『翔んで埼玉』や『新解釈・三國志』の様な頭を空っぽにして楽しめるコメディが好きな方にもオススメ出来ます。
言い換えればそういうノリが苦手な人には合わないかもしれませんが…。