マーベル・コミックのヒーローたちが活躍する作品群「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、アベンジャーズ最強ともいわれる女性ヒーロー、キャプテン・マーベルを主役に描いた映画「キャプテン・マーベル」に続くシリーズ第2弾。キャプテン・マーベルが、アベンジャーズオタクな高校生ヒーローのミズ・マーベルと、宇宙ステーション「S.A.B.E.R.(セイバー)」に所属する敏腕エージェントのモニカ・ランボーとチームを結成する。
規格外のパワーと不屈の心を兼ね備え、ヒーロー不在の惑星を守るため幅広く宇宙で活動していたキャプテン・マーベル。そんな彼女のある過去を憎み、復讐を企てる謎の敵が出現する。時を同じくして、キャプテン・マーベルと、まだ若い新世代ヒーローのミズ・マーベル、強大なパワーを覚醒させたばかりのモニカ・ランボーの3人が、それぞれのパワーを発動するとお互いが入れ替わってしまうという謎の現象が起こる。原因不明のこの現象に困惑するなか、地球には未曽有の危機が迫り、キャプテン・マーベルはミズ・マーベル、モニカ・ランボーと足並みのそろわないチームを結成することになるが……。
キャプテン・マーベル役はオスカー俳優のブリー・ラーソン。ミズ・マーベルことカマラ・カーンをドラマシリーズ「ミズ・マーベル」に続きイマン・ベラーニ、モニカ・ランボー役をドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」に続きテヨナ・パリスがそれぞれ演じる。MCU作品に数多く関わってきた、サミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーも登場。大ヒットドラマ「梨泰院クラス」のパク・ソジュンが出演し、ハリウッドデビューを飾る。メガホンをとったのは「キャンディマン」の女性監督ニア・ダコスタ。(映画・comより)
久しぶりのマーベル作品です。‥とは言えのっけからなんですがフェーズ4に突入してから個人的な盛り上がりがなくて正直鑑賞する事を直前まで躊躇ってました。少なくとも今年公開された作品で言えば「ガーディアンズオブギャラクシー3」は良かったですが、「アントマン」が微妙だったのと後はマーベルにもDCにもありがちな次の展開に繋げる為にとりあえず作りました的な内容だったらどうしようかなと。まぁ、言っててもしょうがない。他に目ぼしい作品があるでもなしと11月12日にMOVIX日吉津で見て来ました。なんだかんだ言いながら公開週の週末に見るんかいですよね(笑)
さて、本作を語る上で今のMCUの背景から。VFXチームへの過酷な労働環境などが問題視されているMCU界隈。ブラックな環境というのが世の中的には波紋を呼ぶ時代の中、それではいかんと改善が試みられています。その一方では昨今のMCU映画やドラマは映像としてのクオリティが劣化してしまってるところがあります。労働環境はもちろん社会的に改善すべき。しかしそれによって質が低下してうのは何とも皮肉な話し。どちらもバランスの取れた方で撮影が出来ればというのが今のMCUの課題なのかもしれません。
しかしそれ以上に今の僕がMCUに辟易してしまってる点としては基本フェーズ4作品に多く見られる今後の展開に向けて風呂敷を広げるのはいいんだけど少々な雑な手法でもっと畳む。それの繰り返しになってるところなんですよね。思えばフェーズ2やフェーズ3はもっときちんとしてたし毎回ワクワクさせてくれてたのになという不満があるんです。
果たして今作は?
結論から言いますね。普段はどんなに自分に合わない作品でもそれなりに評価出来る所は拾ってお伝えしていますが、ごめんなさい今回はかなり辛くなります。
派手な映像表現やアクション等等MCU流の一定のクオリティは保証します。なので子供に向けてだったらいいんでしょうね。でもね結局これだけなんです。ハッキリ言いましょう!前回紹介した「すみっコぐらし」は確かに子供向けです。だけど決して子供騙しではなかった。すみっコ達と工場で起こる様々な事象や建物の廃墟化と人間の営み等前回お話しした様に実に深いメッセージが内包されていましたよ。
だけど今作は本来は子供より大人がターゲットとなっているハズです。しかし結局はド派手な映像さえ見せておけばいいだろうというその安易さが見てとれて正直僕はすぐに飽きてしまいました。
映画を年間何十本と見ていると慣れるんですよね。「あ〜このパターンか」とか「次はこうくるんだよね?」という読みが悉く外してこない。映像では子供は騙せても大人は騙せないよ。いや、最近のお子さんはしっかりしてますからね。目の肥えた子なら「ふ〜ん、で?」なんて言われちゃうかもしれませんよ。
そもそも今回の設定が三人の身体が入れ替わるという事じゃないですか?それ自体決して目新しいものじゃないですよ。いや新しいもの至上主義くら離れてベタを良しとする目線で言いましょうか?それならそれなりのこの設定の中に二段三段に重ねたサプライズが欲しい。つまり工夫を施してほしいんですよね。
更にはこれはマーベルが今やディズニーのものになってますからディズニーの顔色を伺うとポリコレの流れに乗っかる方がいいんでしょうね。ただ近年のポリコレを謳う作品におもねた結果悪い意味でマーベルらしからぬ作風に仕上がってしまった感が否めないんですよね。
それから今作で僕が密かに期待していた点。それは上映時間が105分とこれまでのマーベル作品の中では特に短いという所。で僕が期待していたのはこの短い尺の中で上質なエンタメを見せてほしかったなと。ここ近年これはマーベル作品に限らずですが、ハリウッド映画では2時間半や3時間というのが当たり前の様になっていますよね。もちろん長尺映画も内容が面白ければ良いのですが、しかし正直いらない場面もあったりするしもっとコンパクトにまとめられなかったのかななんて思ったりもする。その点で今作の尺だと身構える事なく見れるんですよね。だからこそ今作の内容が良かったら短い尺でも良質な作品を生み出せると証明出来る。言わば長尺映画のカウンター的作品になってほしかったんですよね。
しかし結果的には映画をまとめるには尺が必要であるという悪い方向に転がってしまったかなという感じですね。
更に言及すれば要らないシーンに尺を使い逆に今作で特に大事と思われる団結や仲間との絆を見せる場面をダイジェストにしてしまう点。尺の使い方も間違ってる気がしましたね。
あ、でも僕が心なごんだ場面。猫ちゃん可愛い!ってところです。
猫好きな方にはここ見て欲しいかな?
はい、という事で今回はかなり酷評になってしまいました。