きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー

マーベル・シネマティック・ユニバースの一作として世界的大ヒットを記録し、コミックヒーロー映画として史上初めてアカデミー作品賞を含む7部門にノミネート、3部門で受賞を果たした「ブラックパンサー」の続編。主人公ティ・チャラ/ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年8月に死去したが、代役を立てずに続編を製作した。

国王ティ・チャラを失い、悲しみに包まれるワカンダ。先代の王ティ・チャカの妻であり、ティ・チャラの母でもあるラモンダが玉座に座り、悲しみを乗り越えて新たな一歩を踏み出そうとしていた。そんな大きな岐路に立たされたワカンダに、新たな脅威が迫っていた。

監督・脚本は前作から引き続きライアン・クーグラーが担当。ティ・チャラの妹シュリ役のレティーシャ・ライト、母ラモンダを演じるアンジェラ・バセットをはじめ、ルピタ・ニョンゴマーティン・フリーマン、ダイナイ・グリラ、ウィンストン・デューク、フローレンス・カスンバらが前作キャストが再登場。新たに「フォーエバー・パージ」などで知られるテノッチ・ウエルタが参加した。(映画・comより)

久しぶりのMCU…という洋画自体扱うのが久しぶりですが、二ヶ月振りとなる洋画『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』です。MCU作品としては『アベンジャーズ エンドゲーム』に次ぐ長尺の160分という大作になった『ブラックパンサー』の二作目。そこまでの大作になったその背景としては前作でブラックパンサーを務めたチャドウィック・ボーズマンの死去というのが大きいですよね。

2018年に公開され、全世界で大ヒットとなった前作の『ブラックパンサー』。MCU作品として史上初のアカデミー作品賞他7部門でノミネート内3部門を受賞する等の快挙を遂げ、コミックヒーロー映画として軽く見られがちなMCU作品が映画として高い評価を得るに至った出来事だと思います。その功労者となったのがチャドウィック・ボーズマンの名演が果たした役割はかなり大きいのは言うまでもありません。

MCU他作品とのユニバース展開等今後の期待もかなり大きい中での彼の逝去は映画ファンに深い悲しみを与えました。しかし、亡くなった彼の意志を作品に託し新たなブラックパンサーのユニバースを展開すべく遂に今作『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』が公開となりました。

まず冒頭。チャドウィック・ボーズマンへの追悼また実際の作品世界でもティ・チャラ/ブラックパンサーは亡くなったものとして映し出されます。悲しみに暮れる家族やワカンダの人々。如何に彼が愛されて親しまれ尊敬を集めたのかこれは俳優・チャドウィック・ボーズマンへのそれと重ねており、製作にあたっての監督をはじめとしたチームが如何に彼に敬意を払っているのかがスクリーンから我々に訴えかけてくる。もちろん作品を見ている我々だって彼の死を受け止めながらもその光景に感情が揺さぶられる。冒頭から落涙する人だってきっと少なくないでしょう。また、彼の葬儀のシーンが印象的でして、棺が運ばれる中、太鼓や踊りで賑やかに葬送するんですね。日本に住んでいるとこういう光景はお目にかかれないもの。厳かに葬儀を執り行うのが日本式。こういう葬儀のスタイルもあるのかと学ばせて頂きました。

そして国王亡き後のワカンダ。母・ラモンダが王位に就くのですが、国際的な議会に出た時に他国からの締め付けというのかともすればカリスマ的国王亡き後だからこその資源を巡っての動きなんかを見ていたら実際の世界で行われている事象と重なる様でもありました。

しかし、敵は意外な所から現れるもの。本作の核となる当該の敵なる存在との対峙が加速度的にストーリーを盛り上げていきます。そして面白かったのがバトルシーン。前作ではワカンダの広大な大地を中心とした陸上戦が主となってましたが、今作では更に広いフィールドを使う事になります。海上で派手にぶつかれば空中でも白熱した戦いが画面いっぱいで繰り広げられる。そう!陸海空を所狭しと使いながらアクションたっぷりにバトルが展開される!これはテンション高まりましたね!

そしてこの敵となる種族の悲しい歴史も明かされます。それは正に人類の歴史そのものを見る様。異分子を排斥し、はたまた奴隷として酷使し搾取するその様子ですよね。こんにちでは多様性を認め合う風潮が強まってはいるものの、しかし根底に漂う普遍的なテーマがしっかりと描かれていました。

それにしても彼らの姿がどうしてもアバターと重なってしまったのは私だけでしょうか。

さて、ティ・チャラ亡き後ワカンダの危機を救うべく戦ったのは誰でしょうか?もちろん残された人達が力を合わせ局面に向かい合ってはいましたが、要となったのは妹・シュリでした。彼女は兄の死という悲しみを背負い、それでも自分に出来る事を見つけ、時にはそれによる葛藤を見せながらも力強くピンチを切り抜けワカンダの民の為に戦います。ワカンダに彼女がいる限り続編にも期待が高まる所です。しかし、ラストでは意外な流れに…という所なんですが、そこは是非直接見て頂きたい!

冒頭ではブラックパンサーことチャドウィック・ボーズマンへの弔意を壮大に写し出していましたが、エンドロールで再び彼に対するメッセージが。ここにも込み上げるものがありましたね。

マーベル作品は他のユニバースとの繋がりが等ハードルが高いという人も多いとは思いますが、本作に関してはまず1作目を見た上で鑑賞すれば全く問題ありません。きっとブラックパンサーの事が好きに更にはワカンダに住みたくなるかもしれません。

是非劇場でご覧下さい!

最後にいち映画ファンとしてチャドウィック・ボーズマンへ感謝と敬意を込めて今回は締めさせて頂きます!