きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

シャン・チー テン・リングスの伝説

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アベンジャーズ」シリーズを中心にマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)を展開するマーベル・スタジオが、最強の力を持ちながらもそれを封印してきた心優しきヒーロー、シャン・チーを主人公に描くアクション大作。犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられ、最強の存在に仕立て上げられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は自ら戦うことを禁じ、父の後継者となる運命から逃げ出した。過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らしていたシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。「アイアンマン」シリーズなど、これまでのMCU作品で名前が登場していた犯罪組織「テン・リングス」の謎が明らかにされる。主人公のシャン・チー役には中国系カナダ俳優のシム・リウが抜てきされ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーら実力派俳優が共演。「黒い司法 0%からの奇跡」のデスティン・ダニエル・クレットン監督がメガホンをとった。

(映画.comより)

まずはお帰りなさ〜い!…と言うのも昨年以来ディズニー関連作品は配信に舵を取り、Disney+チャンネルでの配信プラス規模を縮小しての劇場公開という興行形態が続いてきました。これは本家ディズニーもピクサーもそしてマーベルも例外ではなく、『ブラックウィドウ』はまさにそのスタイルとなってしまいましたね。規模を縮小というのがクセモノでして、いわゆる大手シネコンだと全く公開されないとあってこのまま山陰地方ではディズニー関連作品を劇場では鑑賞出来ないものかと思ってましたよ。しかし、本作を皮切りに11月公開予定の『エターナルズ』も大規模な劇場公開という事で徐々に元のスタイルに戻ってくれたらと願うばかりです。さて、久しぶりに見たマーベル作品は新たなフェーズに突入しての第一弾!これまでのマーベルキャラクターと違うアジア人を主役にしたものです!これは多様性を尊重するまさに今の時代らしくディズニーでは黒人や黄色人種を積極的にメインキャストに起用してきた背景があるのですが、遂に中華系のアクションヒーローが誕生したわけですね!

期待を胸に私も鑑賞して来ました!久しぶりに見るMARBELのロゴに感動!そして映画の世界へと足を踏み入れていくわけですが、まず何と言っても中国系とあり、往年のカンフーアクション要素もあり、『ロード・オブ・ザ・リング』的なファンタジー要素ありそれでいて『ワイスピ』さながらのバスを使ったカーアクションなんかは圧倒される映画体験が出来ます!「そうそうこれよ、これ!」なんてバスアクションにはアガりっ放し!更にシャン・チーとガールフレンドのケイティとのバディっぷりも良かったですね。二人は恋人ではないものの、10年来の大親友。同じホテルに勤務し、勤務後はカラオケで『ホテル・カリフォルニア』を熱唱する間柄。そんな二人ではあるものの、とあるきっかけで共に闘う事に。そこは直接見て頂くとして、関係性としては、親友なんだけど、兄妹の様でもあり、だけど決して恋愛には発展しないというこの絶妙なバランスがいいんですよね。

また、この映画は家族の話しでもあり、父と子・母と子・兄と妹のエピソードが非常に重要なものとして描かれています。家族という絶対的な絆、しかしこれがある日無惨にも崩されてしまった時、人はどの様に動くのか。この辺りは父・ウェンウーの動きが直接的に示してくれるのですが、これと対峙した時のシャンチー・チーが非常に印象深いです。父の動機には理解は示せるが、しかしやり方は間違っている。そんな父の動きをどの様に食い止めるかは直接見て頂くとして、ここに至る心理的描写がうまく劇中では機能していて、非常に引き込まれましたね。

また、シャーリンの存在も光ってましたね。兄シャン・チーと共に子供の頃から修行に明け暮れていた彼女。長年生き別れていた割にはあっさりと再会するんだなんて突っ込みはさておき、兄のシャン・チーやケイティと共闘する事に。MCU好きが反応する小ネタも盛り込んだ闇の競技場を支配する裏の実業家っぷりも板に着いてましたが、アクションシーンの見せ場は楽しませてくれました!

さて、MCUの作品と言えばどちらかと言うとSFっぽいヴィランがよく登場してきたイメージです。そこには最新技術を駆使したCGで独創性の高い世界を作り上げていたのですが、本作の場合、これまでと違うCGの使い方が印象的です。それは、とある村に伝わる伝説不思議な生き物たちが登場するファンタジックな世界観を見せてくれた事です。これはモーリスと名付けられ、とあるキャラクターの友達である謎の生物をはじめ、狐や麒麟、更に「聖なる守護者」たる龍や恐ろしい「魔物」などです。それも龍なんかは『ラーヤと龍の王国』で見た様なユーモラスな龍でもなければ『ドラゴンボール』の神龍にも近いけどどこか違う。MCU作品ではあるものの、どちらかと言うと本家ディズニーが得意とする様なファンタジー像ですが、実はこれは中国の神話等に登場する空想上の動物を映像化したものだそう。う〜ん、凝ってるな〜。

それから本編と絡まない小ネタですが、シャン・チーが友人に語っていた場面。サンフランシスコに来た当初「カンナムスタイル」とかとからかわれ、「俺は中国人だよ」なんてぼやくシーンがありましたね。案外、欧米から見た極東の人ってそんな感じなのかもね。日本人に向かって「いいね、BTS!」なんて言われる事もあるかもしれないよね。ま、いいやそんな話し。

MCUのフェイズ4のスタートを切った記念すべき一作目『シャン・チー』はアクションありファンタジーありの痛快なエンタメ作品です!MCU作品にありがちな何かしらの関連作品の鑑賞が必要という事もなく、初見でも十分楽しめる作品です!むしろラストの展開はまた他作品に繋がる予兆を感じました!これを機にMCU作品初体験というのもありかと思います!

是非劇場でご覧下さい!