きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版ハイキュー‼︎ ゴミ捨て場の決戦

バレーボールにかける高校生たちの熱い青春を描いた古舘春一の人気漫画を原作とする大ヒットアニメ「ハイキュー!!」の続編となる劇場版2部作の第1部。原作の中でも屈指の人気エピソード「烏野高校VS音駒高校」を映画化。
強豪ひしめく春高バレー宮城県予選を勝ち上がり、優勝候補のひとつとされていた兵庫県代表・稲荷崎高校を破って3回戦に進出した烏野高校。対戦相手となる音駒高校はかつて烏野とライバル関係にあり、一時は交流が減ったものの日向たちが入部してからは再び合宿や練習試合で共に汗を流す良き仲間となっていた。その戦いは校名についた「カラス」と「ネコ」の名前から「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれる。プレースタイルも真逆で、超攻撃型の烏野に対し、音駒は「つなぎ」をモットーにする守りのチーム。ついに現メンバーでの公式戦初対決に臨むことになった彼らは、全国大会の舞台で白熱の試合を繰り広げる。
テレビアニメに続いてProduction I.Gがアニメーション制作を手がけ、テレビアニメ第1~3期の監督を務めた満仲勧が監督・脚本を担当。(映画・comより)

どうやら人気あるみたいですね〜、「ハイキュー」って。それくらいの浅い認識で予備知識は全くなし。今回の劇場版から初見。果たして大丈夫なのか?アニメに詳しいパーソナリティ仲間の情報ではアニメ未見だと大変らしいですよと教えてもらいとりあえずアマゾンプライムビデオで配信されている「ハイキュー‼︎」のアニメを何話か見た上で鑑賞。僕なりの臨戦体制を整え先週の金曜日、2月23日の天皇誕生日にMOVIX日吉津にて鑑賞して参りました。さすがに祝日とあってたくさんの人が入っていましたが、僕みたいなおじさんよりも圧倒的に若い人の姿が多い。これまで見てきたジャンプ原作の映画の中でも特に客層がはっきりしていた印象です。

さて、原作ファンに人気の高い烏野高校 VS 音駒高校の戦いいわゆるゴミ捨て場の決戦を描いた今作。高校生がスポーツに打ち込む姿を描き、大ヒットとなったあの作品がまず頭に浮かびました。それは『THE FIRST SLAMDUNK』。かたやバスケかたやバレーボールで競技は違えど白熱する試合を軸にストーリーを展開していくという共通点がある為、どうしても比較対象としてスラダンの存在がありました。

なるほど劇的な試合展開を見せる為に細かい技法や見せ方にはこだわりがあります。激しく打ち込むスパイクやスローモーションを積極的に取り込みながら両校の熱戦が実際のバレーボールの試合さながらに描かれていく。一方で幼馴染でありながらライバルとして対戦する翔陽と研磨のサイドストーリーを盛り込みながら二人の友情そして現在のそれぞれの視点を捉えながらドラマティックに見ている人の感情をうまくのせていきます。僕なんかは今回初めて『ハイキュー‼︎』に触れた超初心者ですが、ジャンプ漫画王道の勇気・友情・努力がバレーという球技にのってうまく表されているな。そりゃ人気あるわなんておじさん目線で感心して見ていました。

ただ、やはりおじさんはおじさん。エモーションな感情で全編楽しめたかというとそれはごめんなさい。若い人向けだなと感じてしまいました。それはやはりスラムダンクと比べると…という事でして。もちろん自分の場合はスラダンの世代だからというのもありますが、それ抜きにして学生時代バスケはおろかスポーツすらしていない僕が何故『THE FIRST SLAMDUNK』にあそこまでハマったんだろう?それはまず湘北高校目線で見た場合のアウェイ感と絶体絶命からの逆転劇というところ。後は試合の一方で描かれたサイドストーリーの深さなんですよね。それはリョータの過去の悲劇であったり喧嘩に明け暮れた不良達が今はバスケットボールというひとつの競技によって打倒山王高校を掲げ一丸となる姿等等ストーリーにドラマがあったんですよね。『ハイキュー‼︎』にももちろんドラマチックなシーンはありましたし、研磨のラストの場面はこれまでの伏線が効いた上での名シーンだと思います。しかし、それ以外にも厚みのある人間ドラマ描写があれば尚良かったのにとおじさんは思うんです。それには尺があまりに少な過ぎる。本編の時間が84分ですもん。一般的な映画が120〜130分とするならば後30〜40分くらいの尺は取れたのでは?と。その時間に音駒と烏野両校のこれまでの軌跡をダイジェストででも挿入出来ただろうしサイドストーリーをあといくつか盛り込む事も出来たのでは?と思いました。

後、惜しむらくは『THE FIRST SLAMDUNK』における「LOVE ROCKET」や「第ゼロ感」の様な神曲が欲しかったな。特にスラダンでの試合展開が劇的に盛り上がるシーンで流れた「第ゼロ感」の様な曲があればと。今作ではインストによる劇的な劇伴は流れはしましたけどね。

と個人的には言いたい事が多々ありましたが、スポーツ系アニメが好きな人にはハマる要素はふんだんに盛り込まれているかとは思います。

是非劇場でご覧下さい!