きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版 呪術廻戦 0

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解説

週刊少年ジャンプ」連載の大ヒットコミックを原作とする人気テレビアニメ「呪術廻戦」の劇場版。原作者・芥見下々が本編連載前に短期集中連載で発表した前日譚「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」を基に、呪いと化した幼なじみに憑かれた青年・乙骨憂太の“愛と呪いの物語”を描く。高校生の乙骨憂太は、幼い頃、結婚を約束した幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で亡くしていた。それ以来、呪霊化した里香に取り憑かれるようになった乙骨は、暴走する彼女に周囲の人々を傷つけられ苦悩していた。そんな中、呪霊を祓う“呪術師”を育成する教育機関・東京都立呪術高等専門学校の教師にして最強の呪術師・五条悟に導かれ、乙骨は同校に転入することに。自身の手で里香の呪いを解くことを決意した乙骨は、同級生の禪院真希や狗巻棘、パンダと共に呪術師として歩みだすが……。アニメシリーズでの本格的な登場は本作が初となる乙骨の声を「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの緒方恵美が演じる。

(映画.comより)

ハイ、この冬最大のヒット映画となっている『呪術廻戦』の劇場版です。思えば『鬼滅の刃』が社会現象的な大ヒットとなった後、「鬼滅の次は呪術廻戦だ!」なんて言われていたわけであってそれを考えれば大ヒットも当然と言えるのでしょう。

しかし、ワタクシこの映画を見るまでは全く『呪術廻戦』には触れて来なかったものでして、ならばと思い、アマゾンプライムビデオにてアニメを全て視聴。その上でこの劇場版の鑑賞をしてきました。

つまりは『鬼滅〜』の時同様に超にわか視点とお伝えしておきます。

と何度も『鬼滅〜』の名前を挙げている様に何かと比較されるこの『呪術廻戦』。しかし、当たり前の事を言いますが、両者は全く別の作品であって登場人物も舞台も時代設定も全く違うわけです。片や鬼が敵として出て来る片や呪いを操りながら戦闘を行う。これまでの『週刊少年ジャンプ』のアクション漫画に見られる物と異なる点としては日本古来からの伝承や民話的或いは怪談話し等の文脈で語られる事の多い題材を扱ってるという点ではないでしょうか。それが何故令和の時代に人気を博したかと言うと日本人本来の馴染みある民俗学的ベースが琴線に触れやすく、そしてこれまでの少年漫画にありそうでなかった(あ、水木しげる先生の作品は除きますね)という点が大きいのではないでしょうか。そしてただ単なる鬼退治の話しや呪い合戦に終始させない深みのあるストーリーここに寄る所が大きいと思います。

とこのままだと『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』の作品比較評で終わりそうなので、ここからは『呪術廻戦』に絞ってお話しをしますね。

鑑賞したのは2021年12月27日。場所はMOVIX日吉津。仕事納めには少し早いですが、子供達は既に冬休み期間に突入とあり、比較的若い層を中心に入ってましたね。また、正月には別作品を鑑賞しに行ったのですが、この時は『呪術』目当てのお客さんファミリーやカップル、友人同士等たくさんの方が詰めかけておりました。こりゃ大ヒットしているわと実感した次第。

さて、この『劇場版 呪術廻戦0』を見て率直に感じた事。それは『寄生獣』、『デスノート』更に海外の作品だと『ヴェノム』の様な生身の人間と当該の人物内に共生する別の魂との交流を非常に丁寧に描いていた事です。そしてこれが何とも新しさを感じたのって『寄生獣』にしろ『ヴェノム』にしろ身体に入り込んでる物の性別って明らかにされてないですよね?ところが本作の場合、女の子なんですよね。不幸にも交通事故で亡くなってしまった少女が幼なじみで結婚の約束をしていた少年に憑依するわけです。

幼なじみ、結婚の約束、不慮の事故死、こんなフレーズが揃えば泣き要素が揃った様なもんですよ。実際作中では乙骨憂太と里香の絆の深さを中心にドラマチックなストーリーが展開されていました。

さて、この乙骨憂太はと言えば気弱な少年なんですね。だけど、呪術師としては超エリートという設定。これは幼なじみの里香を亡くして以来自分の殻に閉じこもり…というまぁ、割とありがちではありますが、そんなこんなでいじめにもあいます。だけどそれを助けるのが彼に取り憑いた里香の霊なんですよ。

で、そんな彼の声を担当するのが緒方恵美さん。キャラクター的にもシンジくんそのものなんですよね。多くの人が語ってる様に碇シンジというキャラクターが別作品に下りてきたかの様な(笑)何ならエヴァのパロディというかオマージュ的な描写もあるんですよ。まぁ、これは賛否両論ある様ですが、僕はありじゃないかなと思ってますね。

というのが『呪術廻戦』って割とギャグシーン多いんですよね。その点では『銀魂』的な要素もあって適度なパロディ描写はわかる人にはたまらないだろうし、思わず反応する事でしょう。

それから里香のキャラクターについて。憂太に取り憑いてる霊なわけですから、見た目こそクリーチャーそのものなんですね。だけど意志は亡くなった10代の女の子ですから、めっちゃ乙女なんですよ。だから次第に可愛く見えてきます。

また、アクションシーンも当然力が入っていましたが、特に音の使い方が印象的でしたね。そしてこんな白熱したバトルがあるからこそラストの展開がまぁ、泣ける!この感動は是非皆さんにも感じて頂きたいところです!

最後に本作はアニメ・原作を見ずとも楽しめるかについてお伝えしておきます。僕はアニメ全話を見た上で鑑賞したのはお話しした通りですが、末見でも内容は理解出来ます。ただ、細かい設定や世界観を理解する為には原作やアニメには触れておきたいところでしょうか。

予習をした上での鑑賞を強くオススメします!