きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ゴールデンカムイ

明治末期の北海道を舞台にアイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化。
日露戦争での鬼神のごとき戦いぶりから「不死身の杉元」の異名を持つ杉元佐一。ある目的のため一獲千金を狙う彼は、北海道の山奥で砂金採りに明け暮れていた。そんなある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った「のっぺら坊」と呼ばれる男は、捕まる直前に金塊を隠し、その在処を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させた。金塊を見つけ出すべく動き始めた杉元は、野生のヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにすることに。一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三も、それぞれ金塊の行方を追っていた。
「キングダム」シリーズの山崎賢人が杉元、「彼女が好きなものは」の山田杏奈がアシリパを演じ、眞栄田郷敦、工藤阿須加玉木宏舘ひろしら豪華キャストが個性豊かなキャラクターたちを演じる。監督は「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭。(映画・comより)

はい、遂に公開の「ゴールデンカムイ」。実は私原作が大好きでしてそれもあって今回の実写化には並々ならぬ期待を寄せていました。とは言え実写化したはいいものの…なんて事は過去に数多の作品が示してしまっていて一抹の不安だってもちろんありました!だけど今作を見た上での率直な感想を言うならば…大満足のひと言。追ってお伝えはしますが、一流のキャストとスタッフが揃い原作への愛とリスペクトを作品に注ぎ込むとこうもクオリティの高い作品が仕上がるのかと圧倒されました。

尚、今作の鑑賞は1月21日の日曜日。MOVIX日吉津。さすが公開週の週末とあってたくさんのお客さんが詰めかけていました。

さて、まずこの実写版を見て圧倒されたのが白熱のバトルシーン。日露戦争の旅順二百三高地における日本陸軍とロシア軍による戦闘の様子が出て来ます。白銀の中、日露両軍が銃を構え緊迫感溢れる戦闘を繰り広げる正にその場面。銃弾に倒れた日露の兵士の屍も映し出し如何に熾烈な戦場であるかをリアルに映し出していく。この光景も息を飲み込む様な描写ではありますが、ここに敵軍へ突っ込んでいく山崎賢人演じる杉元の姿が何とも鬼気迫るものがあります。ここは杉元が不死身と呼ばれるその所以を伝える為の場面ですが、この一連の場面がとにかくダイナミックであり、「キングダム」シリーズで鳴らした山崎賢人のアクションがとにかく圧巻です。ここはハイローシリーズで迫力あるアクションシーンを撮り続けた久保茂昭監督の真骨頂が早速現れたと見ていてテンションが上がりました!

また、明治時代の北海道を舞台にしていますが、小樽の街並みの再現度のクオリティたるやですよ。もちろん僕はこの時代の小樽を直接見た事なんてないのですが、近代化が進む明治時代ならではのモダンさが感じられる街並み。また、小樽を離れた雪原の中にアイヌの人々が暮らす集落等等まるで映画を見ている事を忘れるくらいつまりそれくらいの舞台構築力の高さを感じました。

また、アイヌの言語や文化等についても相当研究してるなと思いましたし、見ている人にアイヌ文化への興味を促す作りでしたね。

後、食べ物の写し方がホントうまい!こんにち我々が口にする様なポピュラーな食べ物というのはほぼ出て来ませんが、アイヌ特有の食文化に触れる事が出来るし、見ていてお腹が空く事必至です(笑)とりわけ鍋ものはよだれが出て来そう。僕は劇中に出て来た物で言えば桜鍋ですかね、馬肉ってうまいんですよね。

さて、キャストの面々ですが先程少し触れた様に山崎賢人くんに関してはこれ以上ない適役だと思います。思えば悪い意味で山崎賢人=実写請負俳優みたいなイメージでしたが、「キングダム」が当たってからはすっかり印象が変わりましたね。それはアクションをこなす事によって唯一無二の存在となっていきました。今やこの世代でアクション俳優の最筆頭になった感がありますよね。

また、ヒロインであるアシリパを演じた山田杏奈ちゃんもアイヌ語と日本語のバイリンガルという難役をこなしていました。また今作では玉木宏さんの怪演も語る上で外せないですね。これまでの玉木宏さんのイメージを覆す様なダーティーな役柄。無慈悲に人を殺せるサイコパスっぷりもハマっていました。

ところで今作は現在まで原作は31巻出ています。しかし、今作はそのうち3巻分しか出て来ません。刺青を入れた24人の囚人だって数人程度しか出ていません。つまりこれはどういう事か?そうです、続編ありきなんですよね。実際に本編でも次作を示唆する場面が出て来ましたからね。僕はこれは全然ありだと思います。映画も大ヒットしてますしね。何より高度に再現されたその世界観を一作だけで終えてしまうのはあまりに勿体ない。そうなると山崎賢人君はヒットシリーズを二本抱える事になりますね。そのうちハリウッドの作品にも出たりするんじゃないですか。

原作もアニメも見た事がないという人でも十分楽しめる内容となっています。

実写化して失敗する作品が多い中、今作は十分以上に成功した実写作品だと思います。

強くオススメします!