きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

エクスペンダブルズ ニューブラッド

シルベスター・スタローンを筆頭にアクションスターが多数集結して話題を集める人気シリーズ「エクスペンダブルズ」の第4弾。
自らを「消耗品」と名乗り、CIAから依頼される数々の難関ミッションを乗り越えてきた最強の傭兵軍団「エクスペンダブルズ」を率いるバーニー・ロスは、CIAからの新たな依頼にこたえるため、かつての相棒であるリー・クリスマスを訪ねる。バーニーと再び組むことを決意したリーがエクスペンダブルズのアジトに足を運ぶと、そこにはかつての仲間たちに加え、新たなメンバーも顔をそろえていた。新戦力を迎えたエクスペンダブルズが挑む今回のミッションは、テロリストが所有する核兵器を奪還すること。もし失敗すれば第3次世界大戦が勃発しかねないという危険なものだった。
スタローン、ステイサムのほか、シリーズレギュラーキャストではドルフ・ラングレンランディ・クートゥアも出演。カーティス・“50セント”・ジャクソン、ミーガン・フォックストニー・ジャー、イコ・ウワイス、アンディ・ガルシアらが新たに参戦した。メガホンをとったのは、「ネイビーシールズ」「ニード・フォー・スピード」のスコット・ ウォー。(映画・comより)

2010年に公開され話題を呼んだ「エクスペンダブルズ」。その後、2014年までに3作が製作され、大ヒットとなりました。

そして2024年早々に10年振りとなる新作である今作が公開。僕も過去作をひと通り見てきたので今回も鑑賞。1月5日の金曜日MOVIX日吉津にて見て参りました。

さて、まずはこのエクスペンダブルズについて。2010年の1作目から3作目まではジルベスター・スタローンをはじめとしたレジェンド級アクションスターが一堂に会し持ち前の個性やアクションスキル等を如何なく発揮したそのスペシャル感にあったわけです。確かに大味なところもありましたけど、それすらも気にさせない豪華俳優陣の華々しさや見ている空間に爆薬、火薬の臭いすら立ち込めてきそうなド派手な爆破シーン等等。要は祭り感が半端なかったわけですね。

ところが10年経ってかつてシリーズを盛り上げた面々は去っていき、その上での新作です。そもそもがなぜ10年ものブランクが生まれたかと言えばジルベスター・スタローンの近辺を含め製作において様々なゴタゴタが続きその都度頓挫。この辺りの背景って調べるとかなりややこしいんですよね。

そしてようやく出来上がったのが今作となるのですが、正直言うとシリーズの新作としては残念な印象が拭えないそんな内容となっていました。

まずですが、これまでのシリーズで一貫していたド派手な仕掛けというか見せ方?これがどうにもスケールダウンしてしまったんですよね。前述の様な王道ハリウッドアクションの爆破シーンが顕著なものでして、理由がはっきりとしています。それはCGの多用なんですよね。今作がこれまでのシリーズと異にする点としてあるものは後述しますが、非常に現代的なんですよ。女性の活躍であったりアクションスターの文脈としてのスタローンからステイサムへ等等。確かに「ニューブラッド」と銘打ってるわけですから、そちらに比重を置きたいのはわかりますが、そもそもエクスペンダブルズって2010年代に80年代的文脈のド派手ハリウッドアクションを展開していったところにあるんですよね。故にキャストのアクションから爆破シーンから出来るだけあの時代に近づけていく映像的なアプローチがウリだったわけで。なのにそれを打ち消す様な見せ方?マーベルやDCの様ないわゆるアメコミ作品寄りな撮り方をしてしまったのが何とも残念でした。

それからニューブラッドというサブタイトルからの旧作からのバトンの明け渡しにも異を唱えたいんですが、まずは女性の活躍ですよね。如何にもジェンダーの時代ならではだなと思います。もちろん時代に合わせてアップデートしていかなければならないですが、ただエクスペンダブルズって時代を彩ったアクションスターの共演をウリにしてたところも強くて要はマッチョイズムなんですよね。肉体的な俳優陣が体当たりのアクションやバトルを繰り広げていくのがシリーズの肝となっているわけで今作のフライヤーにも「タギれ、野郎ども!」と書かれていましたね。もしかしたらそこに不満を持つ人がいるかもと思ったし、僕としては時代に合わせるのも大事だけどこれまでの世界観は継承していてほしいと感じました。でもそもそもがジェンダー的な観点で言うとこのテの作品って時代に合わなくなったのかもしれないですよね。

それからシリーズの屋台骨であったジルベスター・スタローン演じるバーニーがまさかの離脱?というのが驚きましたね。

もっともスタローンもかなりのご年齢ですからこれも必然かなとは思いました。ただ、このバーニーがまさかの…な展開に一言言いたいのですが、かなり劇的な形で離れるんですね。しかしこのシーンがあまりにあっさりしてるんですよ。ホントはここ、余韻を残すべき場面なのに何事もなく次の展開へ話しを進めていく辺りに違和感が拭えなかったです。スケジュール等様々な事情で難しいのは承知ですが、過去作に出てきたレジェンド達を集めてでもひと山作れただろうに勿体なかったですね。

で、そんなバーニーからジェイソン・ステイサム演じるクリスマスに舵取り役が渡っていきますが、ここはさすがのステイサムといったところ。動きにとにかく無駄がない。これは今のハリウッドにおいてのアクションスターの筆頭がジェイソン・ステイサムである事を印象付けていましたね。ただ、ステイサムが活躍するってだけなら何もエクスペンダブルズだけじゃないでしょ?個人的には過去作で見た様な化学反応を見たかったんですよ。一応お情け的にあの方との共闘シーンで体裁を整えようとしてるのはわかりましたが、やはりどうしてもシリーズの過去作と比べると粗が目立ってしまって消化不良感が否めないです。

それにしても今後はクリスマス中心に動かしていくんでしょうか?そもそもシリーズは今後も続くのか?わかりませんが、もし次があるならば原点回帰を図って多少大味なところがあっても良い意味でフィジカルで泥臭い内容であってほしいと願うばかりです。