きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ワイルド・スピード/スーパーコンボ

f:id:shimatte60:20190813151959j:plain

メガヒットシリーズ「ワイルド・スピード」の通算9作目で、「ワイルド・スピード MEGA MAX」で初登場して以降、シリーズの顔となったドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスと、「ワイルド・スピード EURO MISSION」からシリーズに参戦したジェイソン・ステイサム扮するデッカード・ショウがタッグを組んで挑む戦いを描く。かつては敵同士で何もかも正反対のホブスとショウが、いがみあいながらも、目の前に立ちふさがる謎の強敵ブリクストンに挑んでいく。ブリクストン役は「パシフィック・リム」「マイティ・ソー」シリーズのイドリス・エルバが務め、物語の鍵を握るショウの妹ハッティに「ミッション:インポッシブル フォールアウト」のバネッサ・カービー。監督は「ジョン・ウィック」「デッドプール2」のデビッド・リーチ。
(映画.comより)

アニメの大作ばかりで大人の鑑賞作品がこの夏は少ない。とりわけ洋画実写が少ない、なんてお嘆きの皆さん。
やっぱこういうド派手なアクション映画、待ってました!なんて方も多いのではないでしょうか。
日本ではここ数年、興行収入も右肩上がり。
すっかり大人気シリーズへと成長した『ワイルド・スピード』シリーズの新作です。
このシリーズが始まったのは21世紀に入ってすぐの2001年。
カスタマイズされた車に屈強な男たちとセクシーな女達。
わかりやすい程ステレオタイプなヤンチャな方々が好むカーアクション映画というイメージの為、食指の伸びなかった人も多そうですが、これまで戦ってきた相手が仲間に加わったりひとつのチームをファミリーと称し、共闘したりとまるで『週間少年ジャンプ』漫画の様な安定の王道ぶりから日本でもかなりのファンを持つシリーズでもありますね。

そんな『ワイスピ』ですが、今回はシリーズ初のスピンオフです。
元FBI捜査官で、ドウェイン・ジョンソンが演じるルーク・ホブス。
そして元々は敵だった元MI6エージェントのジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウ。
この二人によるバディもので、したがって原題も『HOBBS & SHAW』。
ただ、そのタイトルだと『ワイスピ』シリーズだと気付きにくいし、ただのドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムによるアクション映画と思われるだけです。
そこに『ワイルド・スピード』の冠をつけたのはいいけど「スーパーコンボ」って何だ(笑) 
原題には全く入っていないよ…。

と、それはさておきですが『ワイスピ』シリーズ初のスピンオフなんていうとこれまでのシリーズ見ていないときついのかな?なんて思いますが、結論から言いましょう。
シリーズを追ってきたファンなら満足度かなり高い事は確かですが、決して一見さんお断りのファンムービーではありません!
むしろこれまでシリーズに触れて来なかった人にこそ薦めたいワイスピ入門編としても最適な作品です!
確かにホブスとショウの関係性を知っていたらより楽しめるのは確かですが、二人は仲が悪いそれだけ頭に入れておいたら十分ですし、何よりそれは作中で「あ~、もうわかったから~」てくらい登場するので説明は不要かと思います。
で、そんな仲の悪い二人がひょんな事から行動を共にする。
そこから生まれるちぐはぐさが笑いを生みます。
で、バディものて新旧洋邦あまたの作品がありますが、本作はそのお手本とも言うべきキャラクター配置を見せています。
ではそこについて整理してお伝えしましょう。 
バディという言葉。
相棒とか仲間という意味ですが、こと映画の場合はじめから仲が良かったりすると話しに盛り上がりが生まれにくいと思います。
先日、『アルキメデスの大戦』を取り扱いましたが、あの作品で菅田将暉演じる櫂と柄本祐演じる田中のコンビネーションが絶妙だと評しました。
あの作品の場合、軍人が嫌いとのたまう櫂に対してはじめのうちこそ、嫌悪感を抱いていた田中が次第に櫂の姿勢に心を打たれ、櫂の片腕になっていきました。
詳しくは先日アップした『アルキメデスの大戦』記事を読んで頂くとして、つまりこの様に反りが合わないといった者同士が手を組む事によって話しの盛り上がりが出来ていくものだと思います。
その点、この『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』。
まるで対照的で水と油の様な二人がお互い喧嘩し、いがみ合いながらも仕方なく一緒に作業をしているうちに、いつの間にか名コンビになってしまっていたり。
二人の容姿が似ている事もあり、まるで兄弟の様に見えてしまう。

で、そこに至るまでの過程として、冒頭のシーンから面白い。
画面を二つにわけて二人の一日の行動を同時に見せてくれますが、あれはわかりやすい!
僅かな時間内で二人の性格の違いがはっきり現れるのですが、起床時の行動、ファッションセンス、乗っている車、悪党を戦うシーン等々。
まるっきり性格が違うんだけど、でもめちゃくちゃ共通点もあったりする。

それから『ワイスピ』と言えばやっぱりカーアクションなんですが、これがまた今回も迫力あるんですよ!
とりわけロンドンでのバイクとスポーツカーによるチェイスシーンはすごかったなぁ!
道を塞がれたトレーラーの下を潜り込んでいくシーンなんかは手に汗握りましたもん!
ちょうど一年前、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で同じ興奮をおぼえましたけど、もはやトム・クルーズもびっくり!じゃないですか(笑)

で、この『ワイスピ』と言えばファミリー。
本作においてはファミリー=家族の美徳がいつも以上に出ていた感じですね。
そもそも本作最大のミッションはショウの妹を救う話しです。
更に母親は獄中にあり、そんな母親とのエピソードも出る。
一方、ボブスの場合は愛娘の姿に始まり、故郷・サモアで疎遠になった母や兄弟と再会、更には彼の出自まで明かされる。
そしていがみ合っていたボブスとショウの間に生まれた友情という名のファミリー感。
確かにこれまでのシリーズでもファミリーを意識させるテーマはかなり掘り下げられていましたが、本作は特にそれが色濃く描かれていたのではないでしょうか。

全体的にはかなり満足は出来ました!
上映時間135分はやや長い感は否めませんが、ただ迫力あるカーチェイスにバトルシーン、笑いもあればファミリーというテーマも丁寧に盛り込まれ、飽きさせない内容でした。 
また、エンドロールが始まってもすぐに席を立たないで下さいね。
特典映像もしっかりとありますので。