きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ワイルド・スピード ジェットブレイク


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メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作。ドミニクはパートナーのレティや幼い息子ブライアンと3人で平穏な日々を過ごしていたが、否応なく自身の過去の罪と向き合うことに。ドミニクの実の弟ジェイコブの存在が初めて明かされ、その因果はファミリーを窮地に追い込んでいく。ファミリーは世界を揺るがす陰謀を阻止するため、凄腕の殺し屋で超一流の運転技術を持つジェイコブとの戦いに身を投じる。ビン・ディーゼルミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソンらおなじみのメンバーに加え、「ワイルド・スピード ICE BREAK」に登場したシャーリーズ・セロン扮する悪役サイファーや、サン・カンが演じるハンも再登場。さらに新たな敵となるドミニクの弟ジェイコブ役でジョン・シナが参戦。監督には、シリーズ第3作から第6作を手がけたジャスティン・リンが復帰した。

(映画.comより)

世界中のパリピに愛されて20年。ワイルドスピードの最新作が遂に登場しました。…なんて陰キャな俺が言うとめちゃくちゃ皮肉っぽい感じがするんですが、すいません。正直言うと以前の僕はワイスピをめっちゃ偏見持って穿った見方をしてました。ところが前作の『ワイルド.スピード アイスブレイク』を見てから印象が変わりまして、いや確かに陽キャ向けなヒャッハー映画なんですよ、でも陰キャが見ても全然楽しめる!…というのがただのカーアクション映画じゃないんですよね。とにかく既存の枠に捉われない「何、ここまでやるか?」なんてとにかく手に汗握りながらエキサイトさせてくれ、以来過去作もしっかりチェックしワイスピの面白さをしかと感じたものです。そんなワイスピも残り二作で完結と発表され、これは世界中のワイスピファンもショックを受けている事でしょう。だからこそ今回の新作にも並々ならぬ期待がかけられた事は想像に固くなく。

で、ですよ。私も見てきたわけですが、本作はまずストーリーにも力が入っているなと感じました。過去作がストーリーおざなりと言ってるわけではなく、本作は何と言ってもドミニクの過去が深掘りされている辺り興味深いです。彼は仲間達をファミリーと称して共に戦いそしてバーベキューを楽しむ日本で言えば『ONE PIECE』的なイメージがありますが、(その、辺りがパリピ受けするんだろうな.笑)彼が何故ファミリーに思いを寄せるのかを紐解く生い立ちをクローズアップしていきます。それは30年前にレーサーであった父を事故で失い、また弟との確執があったりと。ちょうど20年前のワイスピ1作目にドミニクが口頭で語る場面があるのですが、それを映像で見せる事でよりリアルに伝えているわけですね。そしてこの弟こそが本作では敵として立ちはだかるわけですが、この因縁があるからこそより見ていて説得力があるんですよ。本作でメガホンを取ったジャスティン.リン監督は3作目から6作目を担当していたいわばワイルドシリーズを盛り立てた最重要人物でもあるわけですが、そんな彼だからこそこれまで断片的に示されていたドミニクの生い立ちを敢えてここで可視化してみたのかもしれませんね。

そして何と言ってもワイスピの楽しさはそんな小難しさはそこそこに世界中で繰り広げるあの豪快無双を絵に描いたようなカーアクションにあるのではないでしょうか?これは本作でももちろん健在ですよ!映画開始早々の段階では件のドミニクエピソードを重点的に映し出す為、1989年のシーンから始まります。その後、現在のシーンへと変わるのですが、割と早い段階から白熱するカーアクションが登場!まるで車を使ったぶっ飛び大サーカスかの様なファンタスティックなカーエンターテイメントが楽しめる!そして『ミッションインポッシブル』のトムクルーズ顔負けの脱出劇もあったりで。

他にも市街地を大型トレーラーで大爆走!街のあらゆる物がなぎ倒されていくのですが、これを運転してるのは女性、しかも彼女は運転免許のない無免許ドライバー!…なんて言葉はないか(笑)思わず「良い子は絶対マネするなよ」なんて夏休み中で映画を見ている子供達に言いたくなりましたけど、でもこれって映画という非現実空間の中で見るとめちゃくちゃ楽しいんですよ。てか、そもそも車の運転が出来ないキャラに運転させんなよ…まぁ、運転せざるを得ない状況だったんですよね。詳しくは劇中で。

そして本作最大のおバカポイントそれはサブタイトルの「ジェットブレイク」にあり!何とワイルド、宇宙へ行く!なのです。「えっ、どういう事?」…だから!宇宙へ行くんですって!

これまでの何でもありの精神で車を使ったあらゆる可能性を示してきた『ワイルドスピード』。ワイスピにかかれば車で出来ない事はない。とばかりに色々試してきたのですが、遂に宇宙です…。しかもこれドミニクではなく、イケメンキャラでもないコメディリリーフの二人が行くからこそたまんなく面白いんですよね(笑)ワイスピは良い意味でのおバカ映画なんですが、コメディではない。だけどこの辺りは完全にコメディでしたね。

更にあります!これはシリーズの過去作を見た人にはアツい!アイツが帰ってきた〜という展開。既に死亡していたとされる人気キャラが復活。更にはラストの方でも次作を匂わすシーンが登場してましたね。尚、そのラストシーンですが、やはりファミリーでバーベキューをしてました(笑)「よっ、パリピ!」と冷やかしたい半分ちょっとした場面も見逃せなかったりします。

そんなワイスピ最新作。これまでシリーズ未見という方はとにかくド派手なカーアクションを楽しんで頂き、これをきっかけに過去作へ触れて頂きたいし、ワイルドファンは本作も間違いなく楽しめる内容ではないかと思います。

是非劇場でご覧下さい!