シルベスター・スタローンの「ロッキー」に並ぶ代表作で、1982年に1作目が製作された人気アクション「ランボー」のシリーズ第5弾。グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれていた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。監督はメル・ギブソン主演作「キック・オーバー」を手がけたエイドリアン・グランバーグ。
(映画. comより)
はい、今回は『ランボー』シリーズ最新作にして、ラストとなるこちらの作品。
実は僕は『ランボー』に関してはめちゃくちゃ愛着があるかと言うとそうではなく、詳しい方はかなり詳しいでしょうから僕なんかが語るのはおこがましいところがあるわけです。
しかし、そんな僕からしてこの『ランボー ラスト・ブラッド』ですが、控え目に言って最高でした！
ちなみに僕が見に行った時ですが、客層は皆男性、更に恐れずに言えばオッサンです(笑)
まぁ、そうだろうと予想はしてましたけどね。
恐らく皆さん、過去作にハマりこのラストを見届けようと劇場に足を運んだ事でしょう。
何しろ前作からも12年振り、その前は更にインターバルがあったわけですが。
で、控え目に言って最高と言ったわけですが、この作品。
見る人を選びます。
『ランボー』の過去作にも言えるのですが、描写がとにかくグロい！
そしてそのグロさからカタルシスを生み出していくわけです。
まぁ、タランティーノであったり日本で言えば北野武作品にも相通ずる部分がありますね。
ちなみに僕は両監督とも大好きです！
で、今回の見所なんですが、その完膚なきまでグロく悪人を倒す勧善懲悪的な面も然りですが、ランボーの物語として、あまりにも残酷な展開なんですよね。
常に戦場で死と隣り合わせの中、闘ってきた孤独な男・ランボー。
彼にもようやく安息に満ちた時が訪れた。
しかし、そんな幸福な時間すらも奪われるんですよ。
ランボーの悲しみが怒りと変わり、戦闘モードへと変わるんですが、悪人を成敗するカタルシスと共にあまりにも見ていて辛くなっていきます。
それが前半のシーンと対比すると余計に残酷さが浮かび上がってくる。
何て悲しいストーリーだよ、これ！
そしてうまいなと思ったのが、前半ガブリエルが地下で友達を呼んでパーティーを開くというシーンがあります。
流行りのヒップホップをガンガン流して仲間と楽しい時間を過ごすガブリエル。
隙あらば彼女の恋人はガブリエルにキスを迫るなんて光景もありました。
若者達がどんちゃん騒ぎをするその場所が戦場に変わる後半。
そしてこの間に起こるガブリエルの悲劇がより強くこの場所の印象を強めるんですよ。
それから本作においては悪役が存在感を放ってるんですよ。
映画における悪役の動機を僕はよく語りますが、前回の『ドクター・ドリトル』でも触れました悪役には悪役の道理があるというやつです。
まぁ、それを強く意識づける様になったのは『アベンジャーズ』シリーズのサノスですが。
で、この『ランボー ラスト・ブラッド』ですよ。
人身売買カルテルを仕切る兄弟。
こいつらには何の道理もない。
人として許せないそこから見ている人にも憎悪の感情を抱かせるわけですよ。
で、それを演じた面々がうまい！
悪役は見ている人を不快にさせてなんぼなところがありますが、まぁ腹立った腹立った(笑)
で、彼らが憎たらしいだからこそランボーが戦闘体制に入った時に熱くなれるんだよなぁ。
ところで『ランボー』シリーズというと個人的にはラストが毎回余韻を与えてくれるという印象がありまして、前作では荒野を歩くランボーをひたすら引きの画で撮り続けエンドロールが流れるという作りでした。
本作では戦い終えたランボーがかつての幸せの証であった牧場の家。
地上から上空へとスライドさせての撮影。
いや、これだけではない。
過去の作品の名シーンも挿入させ、シリーズの幕を綺麗に閉じてくれるわけです。
きっと1作目から思い入れの強いファンは落涙モノだったでしょうね。
で、僕の様に特にシリーズに熱い思い入れがないという人にとっては過去作(特に初期の作品)に触れたいと思ったのではないでしょうか。
いや～、素晴らしいラストだったと思います。
スタローンのお年を考えると現役バリバリのアクションも圧巻でしたね！
これまで『ランボー』を見た事がないという人にも是非オススメです！
