「スーサイド・スクワッド」に登場して世界的に人気を集めたマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが主役のアクション。悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。マーゴット・ロビーが自身の当たり役となったハーレイ・クインに再び扮し、敵役となるブラックマスクをユアン・マクレガーが演じた。監督は、初長編作「Dead Pigs」がサンダンス映画祭で注目された新鋭女性監督キャシー・ヤン。
(映画.comより)
2016年公開の『スーサイド・スクワッド』。
割と僕は好きてすが、コアな映画ファン程厳しい意見を放っていたという事を思い出します。
翌年の『ジャスティス・リーグ』もまた然りでDCEUっていわゆるユニバース物が苦手なのかななんて感じてしまいます。
でも、僕は意外と『ジャスティス・リーグ』好きなんですよ。
確かに比較されがちなMCUの『アベンジャーズ』シリーズの圧倒的なスケール感に比べて格落ちするというのは否定出来ませんが、巨人より阪神じゃないけどいわゆる王道より対抗派が好みな僕の感性的にはMCUよりDCEUの方がフィットするのかもしれません。
さて、酷評の多かった『スーサイド・スクワッド』においてマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインに関しては誰もが認める絶対的な存在感を放っていました。
僕もやられましたね~、ジョーカーとのダーティなバディ感とマーゴット・ロビーのコケティッシュなハーレイ・クイン像に惹き付けられたものです。
そして遂にこのハーレイ・クインの単独作が公開されたわけですが、僕はまず言いたい!
ここ最近、特に公開延期が相次ぐ中、よく公開に踏み切ったと。
特に洋画の大作に関しては公開が予定されていた作品がこの先夏ごろにかけて順次公開延期のアナウンスが流れているわけです。
本作が如何に貴重な作品かと。
そんな本作の特徴をまず挙げるならば「立ち上がれ!女性たち」と言ったところでしょうか。
ここ数年こういったテーマの作品は増えてきておりまして、いわゆるアメコミ系でも『ワンダーウーマン』や『キャプテン・マーべル』等のヒット作があります。
自立した女性の姿を描くというのは近年のトレンドなのかもしれません。
しかし、往々にして女性のスタイリッシュさに対してどこかしら男性は情けなく描かれがちで男性が女性に守られていたりとか行き過ぎれば男性差別になるのでは、なんて作風が目につきます。(特にディズニー系で多いイメージ)
それに対してこの作品における男性はというと絶対的支配者としての男性なんですよね。
腕力においては女性に勝る男性。
彼らの支配から女性が抜け出し、男性と戦うという構図。
故に男性からは弱々しさは感じず、悪役的な憎たらしさに溢れている。
それをどう捉えるかは人によりけりでしょうけど、個人的には絶妙なバランス感覚で作られているなと感じました。
サブタイトルである「BIRDS OF PREY」ともうまく繋がっていきますしね。
そして男性支配から抜け出した女性達の共闘ぶりも高揚させてくれるんですよ!
そこにおいてのアクションシーンは見ていて痛快の一言。
僕は男性ですが、登場人物達の理不尽さから彼女達を応援したくなる感情移入への導き方が非常にスムーズでしたね!
そして何と言っても本作でのヴィランを演じたユアン・マクレガーですよね。
さすがは名優と唸りたくなるのですが、こいつのド変態ぶりと憎たらしさが非常にストーリーを面白くしていました。
『プーと大人になった僕』でプーさんと戯れ、良き夫良きパパであったユアン・マクレガーと180度違いますからね(笑)
ユアン・マクレガー意外と悪役ハマるなぁ!
ところで女性が活躍する=力ずくで男と戦い勝つという発想を疑問視する意見も聞きました。
腕力ではなく、知力・判断力・戦略で勝つとかの方が女性の強さを表すのには良いのでは?と。
なるほど、一理ある。『オーシャンズ8』みたいな感じね。
でもそういうタイプの作品はそれはそれで面白いし、本作の様な腕力勝負の作品はそれとして楽しむ。
男女の力の概念そのものが時代と共に変化してるのであって、それぞれの作風を楽しむという余裕があればそれで良いのではなんて僕は思うんですけどね。
ところで本作ですが、時系列の動かし方については好みがはっきりわかれるかなと思います。
MCUの『デッドプール』で用いられていたやり方ですが、ある起点から時間を巻き戻しそこから再び話しを展開していくというパターン。
『デッドプール』大好きな僕の場合、「お、この手法できたのね」なんてニヤリものでしたが、とにかく集中して映画を見ない事には混乱しそうですね。
で、今回良かったなと思うのはMCUでもDCEUでもそうなのですが、関連作品の鑑賞が求められる作りを本作では見せていない点ですかね。
確かに他作品の小ネタが多少は出てきますが、それは全然問題ない程度。
まぁ、強いて言えば『スーサイド・スクワッド』をサラッと見ておいた方がハーレイ・クインのキャラクターなりは伝わりますが、ストーリーそのものは全く独立していますので、本作単体で見ても十分楽しめます!
普段アメコミ映画見ないという人でも問題なく鑑賞出来ますよ!
一応最低限の予備知識としては『スーサイド・スクワッド』ではジョーカーの恋人として出ていたというくらいで十分でしょう!