きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

クルエラ

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ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」に登場した悪役クルエラの誕生秘話を、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン主演で実写映画化。パンクムーブメント吹き荒れる70年代のロンドンに、デザイナーを志す少女エステラがやってくる。情熱と野心に燃える彼女は、裁縫やデザイン画の制作に打ち込み、デザイナーへの道を駆けあがるため切磋琢磨する。そのままデザイナーへの道を進んでいくと思われたエステラだったが、カリスマ的ファッションデザイナーのバロネスとの出会いが、エステラの運命を大きく変えることとなる。夢と希望にあふれた若きエステラが、なぜ狂気に満ちたクルエラとなったのか。その秘密が明らかにされる。エステラの運命を大きく変えるカリスマデザイナーのバロネス役を「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「美女と野獣」のエマ・トンプソンが演じ、「キングスマン」シリーズのマーク・ストロングらが共演。「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」「ラースと、その彼女」のクレイグ・ギレスピーがメガホンをとった。2021年5月27日から劇場公開され、5月28日からDisney+でも配信(追加料金が必要なプレミアアクセスで公開)。
(映画.comより)

すっかりこのところ、ディズニー作品はDisney+チャンネルで見るというのが定着しました。
本当は映画館のスクリーンで見たいのですが、残念ながら山陰のシネコンでは上映されていないんですよね。
その辺り所謂大手シネコンと日本ディズニーの間で諸問題がある様ですが、以前の様に全国津々浦々でディズニー作品が上映される日は来るのでしょうか。
僕は切望しています。

で、本作『クルエラ』。
「『101匹わんちゃん』ってそもそもどんな話しだっけ?」なんて思いながらクルエラに関して簡単な下調べ。
「ダルメシアンの毛皮を狩ってコートにする悪女ね、ふんふん。」と。
でもぶっちゃけ本作に関してはその程度の知識で全く問題ありません。
エステラという一人の少女がクルエラへと変貌するその過程を楽しむ作品で件のダルメシアンの登場も思ってたよりかは少ないです。

そしてこのエステラ/クルエラを『ラ・ラ・ランド』でお馴染みのエマ・ストーンが演じクルエラ誕生譚を展開していきます。
まず、このエステラですが、早くに母親を亡くし、泥棒稼業へ身を落としていきますが、この一味が日本人には分かりやすくかつ馴染みやすい。
このクルエラをはじめ、やせ型の男性に小太りの男性そう、ドロンボー一味ですよ。
クルエラをドロンジョ様と見立ててストーリーを追っていくとまぁ面白い面白い!
ドロンジョ様にはセクシーで妖艶な美貌があるわけですが、このエステラにはデザイナーの才能があり、ファッション業界へと進入していきます。
なかなかチャンスに恵まれない日々を過ごす中、エマ・トンプソン演じるバロネスと出会い、その運命が変わっていくんですね。
そしてここからのストーリーが加速していくと、作品が俄然盛り上がりを見せていくんですよ。
我が儘で独善的だけど有り余る才能で魅了するカリスマ・バロネスの下で腕を磨くエステラ。
ここだけ見ていたら『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープアン・ハサウェイの様。
ただ、ファッション業界の良き上下関係を描いているだけならそれでいいけど、そうはいかないのがこの映画なんですよね。
エステラがある秘密を知り、バロネスもまたそれに伴い関係性が変わってくるし、元々我が儘だったバロネスのそれだって成功者特有の自信やプライドからくるものと思いきや、サイコな面が次第に剥き出しとなっていく。
そこからの熾烈な戦いこそが本作最大の見所と言えるかもしれません。

さて、本作の見所はそれだけではありません。
70年代のロンドンを舞台としてるだけあってアートなファッション・更に作品を彩る70'sロックの数々。
グラムロックプログレ、パンクと音楽とアートが融合したそのヴィジュアル的なインパクトも強烈でしびれます!
とりわけ件のダルメシアンコート。
当たり前だけどダルメシアンの毛を刈る残酷な描写はありませんが、それと思わせる白と黒をあしらったコートを身にまとったクルエラがその過激なメイクと共にランウェイを歩く姿は目を引きます。
雰囲気を演出するグラムロックが高揚感を高め、画面全体からエクスタシーを感じさせる!
サイコーなシーンであると同時にこれをスクリーンで見れていない事に何とも残念な思いがありましたね。

それにしても今回はクルエラというヴィランの話しでしたが、例えばジョーカー例えばマレフィセント例えばハーレイクイーンといった具合に本来の悪役を主人公にした映画というのは悪役というその立ち位置すら忘れさせてくれるくらい魅力的に映りますね。
ダークヒーロー/ヒロインと呼ばれるものですが。
本作においてのクルエラもエマ・ストーンがハマっていたというのもありますが。

尚、Disney+で配信中の日本版では柴咲コウがクルエラの吹き替え更に日本版のテーマ曲を歌っています。
こちらもまた素敵です。

Disney+では追加料金が必要なプレミアアクセスで配信中ですが、十分追加料金に見合った内容かと思います。
是非ご覧下さい!