きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

キングダム 運命の炎

原泰久の人気漫画を実写映画化した大ヒット作「キングダム」シリーズの第3作。
春秋戦国時代の中国。天下の大将軍を志す少年・信(しん)は秦の若き国王・えい政(えいせい)と運命的な出会いを果たし、ともに中華統一を目指すことに。魏との戦いに勝利をおさめた彼らのもとに、秦に対して積年の恨みを抱える隣国・趙の軍隊が攻め込んでくる。えい政は長らく戦場から離れていた伝説の大将軍・王騎(おうき)を総大将に任命。王騎から戦いへの覚悟を問われたえい政は、かつての恩人・紫夏(しか)との記憶を語る。100人の兵士を率いる隊長となった信は、王騎から「飛信隊」という部隊名を授かり、別働隊として敵将を討つ任務に挑むが……。
信役の山崎賢人、えい政役の吉沢亮、王騎役の大沢たかおら前2作からのキャストに加え、紫夏役で杏、趙の総大将・趙荘(ちょうそう)役で山本耕史、副将・馮忌(ふうき)役で片岡愛之助、副将・万極(まんごく)役で山田裕貴が新たに参加。(映画・comより)

2019年の一作目「キングダム」、2022年の二作目「キングダム2 遥かなる大地へ」。圧倒的なスケールで作られいずれも興行収入は50億円を突破。更には二作品ともその年の邦画実写としては年間トップの大ヒットとなり当番組でも紹介して参りました。

そんな「キングダム」の魅力を私なりに言うのであればとにかく迫力のある合戦のシーンが魅力的であるのと山崎賢人演じる孤児の少年・信の成長に感情を乗せやすい、更には様々な個性を持ったキャラクターが登場し、作品としての世界を彩ってくれる点等挙げればキリがありません。総じて言えば大ヒットする要素がてんこ盛りで初見でもその世界へ一気に引き込まれていくそんな作品だと思います。

そんな「キングダム」の三作目が早くも登場!あの広大な舞台で再び熱いドラマが繰り広げられるのかと期待しながら公開週の週末である7月30日日曜日。MOVIX日吉津にて鑑賞して参りました。

前回紹介した「ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART1」を見た翌日なのですが、前回同様たくさんの人が劇場へ詰めかけていました。年齢層も様々で夏休み中のお子さんから時代劇が好きであろうご年配の方まで、幅広い層に支持されているのがわかりました。

さて、いきなりですが今作の見どころを追って伝えていきます。

まずは吉沢亮演じるえい政の物語。改めてではありますが、元々孤児であった信は亡き親友と瓜二つであったえい政と出会う事でその運命が変わっていきます。この辺りはこれまでのシリーズを見ていたらよく分かるところ。さて、このえい政とは今でこそ秦の王として君臨しているのですが、どういったプロセスを経て現在の地位にあるのか?ここを大きく深掘りするそんな前半パートとなっています。そこには悲しいストーリーがあり、彼もまた信同様に戦乱の世に翻弄される生い立ちがあった事が伝わります。

そこには重要なキーパーソンがおり、これこそが杏演じる闇商人の紫夏なる人物。しかしこの紫夏もまた悲しい運命の下、生き抜いてきた人物でありやがてえい政と紫夏は互いに強い結びつきが生まれる。しかしこれもやがては終焉を迎えるのですが、ここに至るまでの顛末があまりに辛い。物語はまだ前半にも関わらず涙なしでは見る事が出来ない内容となっていました。

次にすっかり逞しくなった信の姿を見て頂きたい!一作目から見るとよくわかるが威勢はいいのだが、まだまだ未熟さが多分に感じられていた彼が遂にひとつの軍隊を率いて戦うに至ります。王騎によって名付けられたその名も飛信隊と名付けられたその隊の隊長になるのですが、そこには過去作で見せていた様な無鉄砲な戦法ではなくしっかりと冷静な分析をした上での戦略を立てていきます。もちろんそこには彼の仲間達の存在が大きいのですが、すっかり隊長としての器も身につけた彼の姿には胸が熱くなる事でしょう。

そして次に大沢たかお演じる王騎の絶対的総大将感。これまでにも彼の存在感は作品に強いインパクトを与えてきましたが、これまで以上にこの王騎の存在が光ります。元々信にとっては憧れの存在だった王騎。しかし身分を超えた信頼関係がやがて友情にも近いものを生み出し今作へ。王騎役に臨むにあたって徹底した肉体改造を行なってきた大沢たかおさんの佇まいが作品全体をより引き締めていましたね。尚、次作はこの王騎を中心としたものになると伝えられています。非常に楽しみ。後、大沢たかおさん関連で言えば9月に公開の「沈黙の艦隊」こちらも楽しみですね。

さて、これまでがそうであった様に今作でもやはり圧巻だったのは合戦のシーン。

大平原を舞台に繰り広げられるハイライトシーンですが、二万の大軍勢に対する100人ばかりの小隊。ここで成長した信によって鼓舞される隊員たち。はじめこそ「こんなガキンチョの隊長なんてよ〜」とやべきょうすけに悪態をつかれていたりもしましたが、信は皆の心をひとつにして勇猛果敢に敵軍に挑んでいく。ここでのカメラワークが非常に工夫が施されていてより白熱しました。崖に上がるシーンでは崖に上る人の目線でカメラを回す。崖上から敵兵に斬られ落ちてくる兵士の姿を捉える等臨場感たっぷりなアングル。更には清野菜名演じるきょうかいと信が大立ち回りをする場面では様々な角度からカメラを回し、二人の無双っぷりを余すところなく写し出す。また効果的なスローモーションの使い方等佐藤信介監督の真骨頂が遺憾なく発揮されていた印象です。

やはり今回も裏切らないバトルシーンでした。

そしてラストでは絶望的な敵キャラ登場を孕ませてからの次作への誘導。

最後まで気持ちを乗せっ放しで終了。

なんて上手い見せ方なんでしょう。気持ちが一切切れる事のない130分間でした。

これは間違いなく次作も見る事でしょう。

自分的にはこれまでのシリーズ史上最も高いボルテージで見ました。

強くオススメします!