きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOL.3

クセが強くてワケありな銀河の落ちこぼれたちが結成したチーム「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の活躍を描く、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の人気シリーズ第3弾。
アベンジャーズの一員としてサノスを倒し、世界を救ったものの、最愛の恋人ガモーラを失ったショックから立ち直れないスター・ロードことピーター・クイルと、ガーディアンズの仲間たち。そんな彼らの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする恐るべき敵が現れ、ロケットが命を失う危機にさらされる。固い絆で結ばれた大切な仲間の命を救おうとするガーディアンズだったが、ロケットの命を救う鍵は、ロケット自身の知られざる過去にあった。
監督・脚本はシリーズを一貫して手がけてきたジェームズ・ガンクリス・プラットブラッドリー・クーパー、ビン・ディーゼルゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、デイブ・バウティスタ、ポム・クレメンティエフとおなじみのキャストも変わらず集結。(映画・comより)

お馴染みマーベルの人気シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の最新作にして3作目のラスト作です。2015年から続きアベンジャーズの戦いにも参戦したガーディアンズギャラクシーも遂にラストを迎える事になりました。このシリーズはMCUの中でもとりわけ人気が高く私も大好きなシリーズでした。過去にはジェームズ・ガン監督の発言が物議を醸しディズニーを追い出されるなんて事態にまで発展しましたが、こうして3作目にしてラストまで到達出来た事は嬉しく思うところです。

少し時間が経ちましたが、GW中の5月3日に公開。初日に松江東宝5で鑑賞。めっちゃ泣きました!ガーディアンの中でもいや、MCUの全作品でも屈指の名作となっていました。

さて、今作最大のポイントそれはアライグマのロケットの過去が明らかになる事です。

これまでのシリーズを見てきた人であればロケットのキャラクターについてはよく知るところ。そんな彼が瀕死の状態で集中治療室で横たわっています。そんな描写から彼の過去と現在を交互に見せていくという流れです。

彼の過去。これはとてつもなく悲しい。マッドサイエンティストによって実験台とされる動物達。そんな中に彼はいたのですね。

彼が人間並の知能を持ち、言語を口にする辺りにもここと繋がっていきます。

彼と同じく実験台として檻に収監されているのはカワウソのセイラ、セイウチのティーフス、ウサギのフロアといった面々。彼らは肩を寄せ合いながら檻の外にある自由な空間ここでは夜空いっぱいに広がる星空をその象徴として扱うのですが、要は絶望的な状況を脱して空の下を自由に動き回りたいという希望を持ちながら、ただひたすら耐える日々を過ごしているんですね。

そして様々な出来事を重ねた末にロケットは仲間達と共に脱走を試みます。

しかし、マッドサイエンティストであるエボリューショナリーによって仲間達が殺されてしまう。

ただ、自由に空の下を動きたいという彼らの夢を一瞬にして奪ってしまうエボリューショナリーにただ不快な感情を抱くのはこれまでの流れを知っているからであり、これがあまりに劇的だからこそ胸を強く打ちつける。感情が強く刺激されます。

これまでのシリーズでロケットはアライグマと呼ばれるとすぐに悪態をついたり、人の気を惹く為にやんちゃをしたりでもその一方では仲間達が危機に瀕した際には勇敢に立ち向かいまた仲間を失った時には哀しい表情を見せる、誰よりも仲間想いで熱いヤツ。そんな姿を見てきたからこそやんちゃで口が悪くても憎めないなと思って見てたんですね。

でもこのやんちゃさって実は過去のトラウマに端を発した自分を守る為からきてる事が伝わったし、ホントは臆病なんですよね。でもこれがすごい彼の良さを引き出しているなとも思ったし、何より仲間想いの面は痛みや悲しみを強く知っているからこそ。ガーディアンズの面々は銀河一の落ちこぼれなんて揶揄されたりもするけどロケットにとっては境遇も似てるし、だから仲間であると同時に家族でもあるんだなと思いました。

そんな彼のハイライトシーン。過去でのエボリューショナリーに感情剥き出しで立ち向かっていく場面。ヒーロー漫画でもよくありますよね。仲間が犠牲になった事によって身体中の怒りという怒りのエネルギーが爆発して強大な敵へ立ち向かっていくという場面。まさに構図としてはそれなんですよね。これまで耐えるところはひたすら耐え忍んできた。しかし、その一線を超えるととてつもないエネルギーが全身に漲り、絶対的な強者であってもぶつかっていける感情ですよね。僕はこれまでは比較的おっとりとしていたロケットが自らの殻を破ったその瞬間こそがまさにこの場面だと思っています。

さて、このガーディアンといえば音楽にも強いこだわりを持つジェームズ・ガン監督の選曲センスにも定評があります。今作でもレディオヘッドのクリープ、ラストに流すCOME AND GET YOUR LOVE等グッとくるチョイスにさすが!と思いました。

このガーディアンズを最後にMCUを離れますが、DCUでも新しいサプライズを見せてほしいなと思います。

ガーディアンズオブギャラクシーの感動のフィナーレしかと楽しませて頂きました!