きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

キングスマン ファースト・エージェント

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スタイリッシュな英国紳士が過激なアクションを繰り広げる人気スパイアクション「キングスマン」シリーズの3作目。第1次世界大戦を背景に、世界最強のスパイ組織「キングスマン」誕生の秘話を描く。表向きは高級紳士服テーラーだが実は世界最強のスパイ組織という「キングスマン」。国家に属さない秘密結社である彼らの最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった。1914年、世界大戦を裏でひそかに操る闇の組織に対し、英国貴族のオックスフォード公と息子のコンラッドが立ち向かう。人類破滅へのカウントダウンが迫るなか、彼らは仲間たちとともに闇の組織を打倒し、戦争を止めるために奔走する。「ハリー・ポッター」シリーズでも知られる英国の名優レイフ・ファインズがオックスフォード公、「マレフィセント2」「ブルックリンの片隅で」の新鋭ハリス・ディキンソンが息子のコンラッドを演じた。彼らの前に立ちふさがる敵でもある怪僧ラスプーチンには個性派俳優のリス・エバンスが扮した。監督、脚本、製作はシリーズ全作を手がけるマシュー・ボーン。(映画・comより)

コロナによる延期に次ぐ延期で気付けば二年近く経過。そして遂に昨年末公開となった人気シリーズ『キングスマン』の最新作。僕はこのシリーズは一作目から追い続けていて本作の公開も心待ちにしていました。本作公開前の予告編では「映画館でだけ上映」とまるであの会社を皮肉る様な煽り文句に心が躍ってました。そして遂に公開され、私は新年早々1月3日に鑑賞して参りました。

さて、この『キングスマン』ですが、元々は監督のマシュー・ヴォーンが原作者とパブで話したものが着想の決め手。と、言うのが最近のスパイ物はシリアス過ぎる物が多いという指摘。『007』シリーズの大ファンでもあるが、ならばと思い切って製作したのが本シリーズだった様です。結果、ド派手なガジェットや不謹慎なユーモアを盛り込み、1作目は全世界で大ヒット!英国紳士×スパイという異色な組み合わせ等の発想も斬新で僕は一気に大ファンになりました!

そしてこのシリーズの立役者こそがコリン・ファースタロン・エガートンであったのは言うまでもありません。『英国王のスピーチ』や『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ等これまでアクションのイメージがなかったコリン・ファースがダンディなスーツを着こなしながら派手に銃を撃ちまくる姿にはしびれました。タロン・エガートンもまた本シリーズでの成功を皮切りにすっかり人気俳優に。二作目ではエルトン・ジョンカメオ出演してましたが、そんなエルトンの伝記映画『ロケットマン』でエルトン役を演じていたのも感慨深いです。

で、今回の新作は三作目は『キングスマン』の前日譚。実は私は楽しみにしていた反面、不安もあったんですよ。これまでの本流から外れた前日譚が果たしてどの様に展開されるか気になりましたし、何よりシリーズの屋台骨でもあったコリン・ファースタロン・エガートンの出演がない点ですよ。何てこったい!そんなのもはや別作品だ!なんて思ったものですが、いやいやそんな心配は無用でした。

キャストが変わろうが、内容も違えどもやっぱり『キングスマン』は『キングスマン』だ。

本作は世界史の知識があるとかなり楽しめるのですが、第一次世界大戦前夜のヨーロッパの人間模様がとにかく面白い!そこにはイギリス国王ジョージ5世、ロシアのニコライ2世、ドイツのヴィルヘルム2世が従兄弟同士であるとか第一次世界大戦勃発の契機となったサラエボのフランツ=フェルディナンド公の暗殺更にはロシアに暗躍した怪僧ラスプーチンマタハリ等実在の人物を描き出し、これらの史実を作中に絡めながら展開していく点を楽しんで頂きたいところです。

そして本作の不謹慎さも相変わらず健在でして、動物虐待描写が見るに絶えないものがあります。しかし、これがしかと伏線として昨日してラストは胸のすく展開に変わっていきます。胸糞悪くさせながらもそれをエンタメ的に上手く活かし、落し前をつけるこの辺りって如何にもキングスマンらしいなと感じましたね。

それからそれから前作までのコリン・ファースタロン・エガートンを絶賛したのはいいですが、じゃあ本作は?というと。まず、オックスフォード公のレイフ・ファインズ。彼と言えば何と言っても『ハリーポッター』シリーズでのダークなイメージが強いのですが、本作のオックスフォード公はまさに英国紳士そのもの。毅然とした振舞いと品の良さが身体全体から溢れる高貴さが魅力的。しかし、戦闘モードになるとガラッと一変。特にラスボスとの雪山でのバトルが俄然盛り上がりましたね!

そして息子コンラッドのハリス・ディキンソン。父・オックスフォードと共に仕立てたスーツを着るというシーンが映えてましたね。しかし、ネタバレになるので詳しく言えませんが、後の意外な展開には衝撃でしたね。

それから何と言っても悪名高き怪僧ラスプーチン。僕のイメージだと、ディスコソングの印象が強いのですが、20世紀初頭のロシアに暗躍した祈祷師です。祈祷で王族の治療を施し、出世していったという日本で言えば道鏡の様な人物。得体の知れない怪しいオーラが全体からみなぎっており、この上ない悪役感がたまりませんでした。リス・エバンスの演技あってこそかな?

そんな本作は何度も言いますが、今回が三作目。前日譚なので過去のシリーズ未見でも全く問題ないのですが、過去作の云々よりも世界史の知識が試される様な内容でしたね。

私は十分満足な作品でした!

オススメです!