きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー

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ABBA」のヒット曲で構成される人気ミュージカルの舞台を映画化した「マンマ・ミーア!」の10年ぶりとなる続編。主人公ソフィがホテルの開業を目指して奮闘する現在と、ソフィの母ドナの若き日である1979年の物語を交錯させながら、母から娘へと受け継がれていく物語をつづる。ギリシャのカロカイリ島で念願のホテルを完成させたソフィは、オープニングパーティの準備に追われていたが、母ドナの親友ロージーとターニャもやってきて、久々の再会を喜ぶ。しかし、ニューヨークにホテルビジネスを学びにいっている夫のスカイから、一緒にニューヨークで暮らさないかと誘われ、心揺れるソフィ。そんな彼女に、ロージーやターニャ、そして3人のパパのひとりであるサムらは、若き日の物語を話し始める。キャストにはソフィ役のアマンダ・セイフライドを筆頭に、ドナ役のメリル・ストリープら前作のメンバーが再結集。若き日のドナ役に「シンデレラ」のリリー・ジェームズ、若き日のサム役に「戦火の馬」のジェレミーアーバイン、ソフィの祖母ルビー役に「バーレスク」のシェールら、新たなメンバーも参加。「17歳のエンディングノート」のオル・パーカーが監督・脚本を手がけた。
(映画. comより)

前作公開から約10年。満を持して公開された『マンマ・ミーア!』の続編です。
元々ABBAが好きだからというのもありますが、前作はこの作品にドップリとハマりました!
とりわけ前作だとABBAのベストアルバムには必ず入っており、ABBAを知らない人でも間違いなく聴いた事があるナンバーがこれでもかとばかりに流れてくる。
そんなこんなで僕もしばらくはABBA中毒とも呼べる程ABBAヘビーローテーションし、カラオケに行ってはABBA祭りをしたものです。
DVD も何回見た事かわからないです。

そんな作品の新作に期待が上がらないわけがない。
公開初日に鑑賞してから現在までに三回ほど見ています。
ただ、実を言うと一回目見た時って途中まで自分の期待してたよりは物足りない感じがしたんですよね。
「おいおい、マンマミーアこんなもんか?9年前俺を感動と興奮の渦に落としてくれたあの勢いはどうしたんだ?」と思ったくらいです。しかし、後半になるにつれ「やっぱりマンマミーアは違うぜ!やっぱこうでなくっちゃ!」とそれまでの僕のもやっとしたものを吹き飛ばすかの如く盛り上がっていきました。そして終わった時には僕の目から涙が流れ、頬を伝っていきました。
そして気付けば2回目、3回目のリピート鑑賞。
一定のクオリティ以上のものがあったみたいです。

それがこの『マンマ・ミーア!』最新作に触れた私の総体的な感想なのですが、細かく見ていく事にしましょう。
まず、ストーリーから見ていくと前作を見た人なら度肝を抜かれます。
いきなり「えっ、あの人居ないの?」と衝撃的な事実を突きつけられるわけですから。
「前作ではめっちゃ元気やったや~ん?」とか裏の裏を見てしまう僕なんかは「そっか、あの人のスケジュールに折り合いがつかなかったのかな?」なんて邪推をしてしまいました。
そして1回目鑑賞時の前半の物足りなさはこの人の不在が大きい事もかなり影響しています。
しかし、それを埋めるかの様に他キャストの演技は素晴らしかった!
ソフィ役のアマンダ・セイフライド、ドナの若かりし頃を演じたリリー・ジェームズ更に三人の父親候補たちの若き時代を演じた俳優陣等若手の面々の存在が光ったと思います。
とりわけハリー(コリン・ファース)の若い頃のエピソードは笑えたな。
かなりヘタレでなおかつ童貞という設定ですからね。
その顔でそれはねぇだろ!みたいなね(笑)

で、現在と過去をシンクロさせて見せる手法はよかったな。
ただの回想シーンにするわけではなく「あっ、ここからこういう風に結びつけていくのか」といちいち感心させられました。

また、笑いどころも随所随所に盛り込まれております。
コリン・ファースが派手にオチる、画になる歌唱シーンでまさかのハプニングが…等々。

そして忘れてはいけないのがABBAの楽曲の数々です。
今回も余す所なくABBAのナンバーが盛り込まれ、楽しませてくれます。
前作で使われた楽曲もあれば今作ではじめて起用される曲もあり。
楽曲の傾向としては前作が前述の様にABBAヒットパレードの様な様相でしたが、今作ではややしっとり系な曲が多かった点、更に決して大ヒットした曲ではないけどABBAファンには嬉しいちょっぴりマニアックな曲が目立つ点が挙げられます。
それ故、ABBAの曲をある程度聴き込んで前作をきちんと見た上で鑑賞する方が望ましいです。
数々の曲が流れる中で、とりわけ印象的だったのが、『悲しきフェルナンド』です。
実は僕自身、ABBAの曲の中でも『フェルナンド』ってそんなに言う程好きではないんです。
もっと言えば『ヴーレ・ヴー』、『ギミーギミーギミー』、『レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー』みたいなコテコテのディスコ・チューンが好きなものでして。
しかし、本作においては『フェルナンド』が圧倒的に群を抜いて良かった!
何と言っても唄った人が素晴らしい!
あのシェールですから!
シェールの歌唱力はハンパない!
いや、それだけではない。
存在そのもののオーラがもはや神がかってる!
ラスボス見参!
後半、僕のテンションが一気に上がったと伝えましたが、そうです。ここなんです!
『フェルナンド』を唄うシェール姐さん、そしてバックでは花火がバンバン打ち上がる!
このシーン見たさに後2~3回行きたいくらいですよ、ぶっちゃけ。
そしてそれだけではなかった。
I’VE BEEN WAITING FOR YOU』と『MY LOVE, MY LIFE』
何だよ、この二曲~神曲かよ~‼
ABBAのベスト聴く時、何となく飛ばしてた自分を恥じるぜ(笑)
いや~、この二曲に関しては映像との相性が抜群だった!
この二曲はホントに泣けた。
そして僕が渇望していたあの方も遂にここで登場しました。
メリル・ストリープ様、あなたの存在は実に偉大です!

いや、ホントに後半の展開には参りました!
前半物足りないと感じたのは事実ですが、後半でそれ以上の物を見た様です。
このシーンを見るだけでも十分価値のある映画だと思います。

そして更に前作同様、出演者総出で唄うエンディング。
前作の『恋のウォータールー』は劇中に移動し、ここでは『スーパー・トゥルーパー』を唄います。
この曲も好きなんだよなぁ。
キラキラ感あって。
それをあの『007』のボンドが、『キングスマン』のハリーが、『プラダを着た悪魔』でアン・ハサウェイパワハラしてたあの人が、『アベンジャーズ』シリーズのハルクが、『テッド2』に登場するマリファナ大好きな弁護士が一同に会して往年のABBA風衣装を身にまとい唄うわけです。
胸アツじゃないですか~‼
泣かしに泣かして気持ちよくすっきりとさせてくれる。
「やるね、やるよマンマミーア!」そして僕は余韻に浸りながら劇場を後にし、気付けばパンフとサントラCD を手にしていたのでした。