きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

現代によみがえった恐竜たちの姿をリアルかつスリリングに描いて人気を集めるメガヒット作「ジュラシック・パーク」シリーズの最終章。2015年の「ジュラシック・ワールド」でメガホンをとったコリン・トレボロウが再び監督に復帰し、シリーズ生みの親であるスティーブン・スピルバーグが引き続き製作総指揮を担当。「ジュラシック・ワールド」シリーズの主演クリス・プラットブライス・ダラス・ハワードに加え、「ジュラシック・パーク」初期3作で中心となったサム・ニールローラ・ダーンジェフ・ゴールドブラムが演じる3人の博士もカムバックする。ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める。(映画.comより)

93年に映画史に大きく名前を残す事となった『ジュラシック・パーク』世界中で大ヒットとなり、シリーズは3作製作されました。そして時を経て2015年。スピルバーグ監督が製作総指揮に回ってスタートしたのが『ジュラシック・ワールド』。『ジュラシック』シリーズのブランド力もあってか同シリーズも特大ヒットとなり、2015年の1作目は日本国内の年間興行収入ランキングでもトップとなりました。そして遂にこの『ジュラシックワールド』も完結編。監督と脚本には、コレン・トレヴォロウが新シリーズ1作目から復帰。その1作目目から見続けた僕は期待を胸に8月3日、T-JOY出雲にて鑑賞して参りました!

これが完結編という事でジュラシックワールドに端を発するシリーズを通して描かれた一連の騒動に終止符を打たせないといけないわけです。広げた風呂敷をどの様に畳んでいくのかを我々は見届けるわけですが、これはなかなか至難の業なんですよ。まず、本作の冒頭部分から恐竜達が世界中に散らばり、自然の中で生きている状況。つまりはジュラシックワールドがなくとも自らの力で十分暮らしていけてるんですよ。

また、そんな恐竜達を利用して闇取引をしようとするヤツまでいるし、恐竜も人間もカオス状態。ここまでの流れだとフィールドが広がって奥行きを感じる事が出来るだけど他方ではこれまでの限定的な空間での話しではない分、回収が難しくなってくるという事なんです。

でもこれが楽しいんですよ!マルタ島ではワイスピよろしくチェイスシーンやアクションもふんだんだし、インディ・ジョーンズさながらのアドベンチャー要素も更には世界各地を写し出す事で観光映画要素も引き出せば007的なスパイアクションの様な流れも?…なんて聞いたら「いや、あれもこれもと入れたら全体的に中途半端になって結局大味なハリウッドアクションで終始してしまうんじゃないの?」という指摘がありそうなもの。しかし、案ずるなかれ。確かにごった煮感は否めないかもしれませんが、要所要所での見せ場がしっかりと機能していたので全く退屈はさせません。むしろ、夏休みシーズンだからこそこういった豪快なシーンがふんだんに盛り込まれたハリウッド大作は映画館で体の底から感じてほしいものですよ。

そして話しの主眼となっている部分。これは本作のみではなく、シリーズ共通のテーマなんですが、人間が最先端の技術でもって遺伝子操作をしたり、生き物を蘇らせたり、生み出したりする事に対しての警鐘。キリスト教的史観で言えば神の如き行いを許していいものかという事ですね。

その象徴として出て来るのがクローンの少女・メイジーです。彼女はクローンとして生を受けるのですが、人間の頭脳を持ち、感情もまた人間のそれなのです。14歳になった彼女は自分の親、ここでは母親になるのですが、その母親探しすなわち本当の自分は何者なのかそして何の為に生を受けたのか自分のルーツを辿る物語が大きく映し出されていきます。しかし、そんな彼女もやがて…というのが映像に現れるのですがそこは是非あなたの目で直接ご覧下さい!

さて、そんな本作ですが、壮大な風呂敷の回収はどうだったのか、なんですがこれははっきり言って評価が分かれるところだと思います。前述の様にメイジーの自分探しストーリーやハリウッド一流のアクションやトリッキーな仕掛け等あらゆる要素を詰め込んだ結果、二時間半の超大作となりました。その都度その都度での繋ぎ目はご都合主義、まぁ決してスマートなものではなかったかもしれません。

だけど僕は悪くは言いたくないんですよ。単にミーハーな映画好きと言われればそれまでかもしれませんが、世界各地で暴れ回る恐竜達や派手なアクション等にしかと興奮させられたんですよ。イナゴの群れの動きのグロいけど見入ってしまうポイントも良かったし、そのイナゴから問いかけるテーマの見せ方だって悪くはなかった。

また全体のテーマである人間の領域を超えた所業への着地は驚きや斬新さは確かになかったけどなるほどと思えました。

完結編だからこそのカタルシスを期待していた部分、大きな感動がなく肩透かしを食らった事は事実です。だけど夏休みならではの家族・友人・カップルでワイワイ見る作品として僕はオススメ出来ます!

是非、劇場でご覧下さい!