きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班

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韓国ドラマ「シグナル」を日本でリメイクし、2018年に放送された坂口健太郎主演の連続サスペンスドラマ「シグナル 長期未解決事件捜査班」の劇場版。謎の無線機が現在と過去の2人の刑事をつなぎ未解決事件を解決していく姿を描く。2021年、高速道路でのハイヤー暴走により、政府高官が交通事故死した。三枝ら長期未解決事件捜査班は、この事故が仕組まれた事件の可能性があると疑う。一方、2009年の東京でも政務官が相次いで交通事故死していた。警察が事故として考える中、大山は一連の事故の事件性を疑っていた。23時23分、つながるはずのない無線機がふたたび鳴り出した。三枝役の坂口、大山役の北村一輝、未解決事件捜査班長・桜井役の吉瀬美智子らドラマ版のキャストに加え、伊原剛志鹿賀丈史杉本哲太奈緒田中哲司らが顔をそろえる。監督は「探偵はBARにいる」「相棒 劇場版IV」の橋本一
(映画.comより)

久しぶりのドラマの劇場版ですね。
正直ね~、このテの映画って避けてたんですよ。
こう言っちゃなんですが、ドラマで人気を博してさぁ、次は映画化だ~という勢いで製作された劇場版ってどうしてもそのドラマの枠を出ないし、更に言えばドラマ末鑑賞だと置いてきぼりを食うなんてざらでしょ?
だから僕も公開当初は鑑賞する候補には入らなかったんですよ。
そしてそのまま見る事もなく日々を過ごすというループは避けられなかったでしょう。

しかし、今回の緊急事態宣言下において当初公開が予定されていた映画が相次いで公開延期を発表。
鑑賞する作品が限定されていく中、敢えて本作をチョイスして鑑賞したという次第。

なので、僕のハードルがかなり下げられたからこそでしょうか、思いの外…と言っては失礼ですが、なかなか楽しめましたよ。

まず、前提として僕は全くドラマを見ません。
本作には通常のレギュラードラマと劇場版公開に合わせて放映されたスペシャルドラマがあるそうですが、一切見ていませんね。
にも関わらず、冒頭でこれまでのあらすじであったり、設定等も映像を通じて教えてくれるので、あっさりと理解が出来ます。
その後はいわゆる刑事モノを楽しめるフラットな感性とストーリーを追う事で一切のストレスなく、映画に没頭出来るでしょう。
その辺りは『探偵はBARにいる』や『相棒 劇場版Ⅳ』といったサスペンスもので鳴らしてきた橋本監督の手腕が光ります。
坂口健太郎北村一輝吉瀬美智子を中心にキャッチャーなキャスティングではなく、いぶし銀な魅力を凝縮したかの様なキャストの顔触れに安心感もあるわけです。
そして近年、よく見るタイムリープものでもあり、現在と過去を繋いでいくSF要素もごくごく自然でストーリーに没頭出来るんですよね。
それにしてもタイムリープもの多いですね。
王道の恋愛モノから最近ではヤンキーモノまで。
そんなタイムリープもののサスペンス代表に名前を挙げても良いのではないかななんて思いましたね。
原作は韓国のドラマと言う事ですが、近年韓国のカルチャーの成熟度が高まっているのは言うまでもありません。
僕は韓国版を当然ながら見ていないので、中には日本版の改変に苦言を呈したくなる様な人も居るのかもしれませんが、僕はひとつのエンタメ作品としては非常に楽しませて頂きましたね。

ただ、鑑賞中、全てを余すところなく楽しんだかと言うとそうでもないんですよ。
日本映画にありがちな残念な点としてまず見られたのが説明台詞がやたら多い点。
劇中の過程等を登場人物同士でやり取りする以上、説明場面が出てくるのは理解しますが、どうにもその辺りに尺を使いすぎなきらいがあるんですよ。
舞台ならともかく、映画更に言えばサスペンスものでの会話劇は最小限にしてほしいところ。
しかもその説明が事の次第を伝えるべきところ、かえってややこしくしてるからそれが何とも目も当てられない事になってしまってるんですよね。
それから奈緒さんが演じた一人の女性。
彼女は事件に巻き込まれてしまいます。
しかもその辺りはかなり過激なので責めてるな~とは思いました。
しかし、その後の扱いがどうにも不自然なんですよね。
むしろその辺りを説明してほしかったけど、それには全く触れられずに淡々とストーリーは進んでいく辺りに違和感をおぼえましたね。

それ以外にも色々言いたい事はありますが、この辺にしときますか(笑)
でも軽くいちゃもんは付けさせて頂きましたが、ドラマ末見でも楽しむ事は出来ました。
だけどドラマを見てからだとよりその世界に浸る事が出来たのかなとも思ってます。
ビデオオンデマンドでドラマを見よっかななんて思った次第です。