きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

七人の秘書 THE MOVIE

弱者の救済を請け負う秘書たちの暗躍を描いて話題を呼んだテレビドラマ「七人の秘書」を映画化。
熾烈な戦いの末に政界のドンを辞任に追い込んだ秘書たちのもとに、新たな依頼が届く。今回のターゲットは「アルプス雷鳥リゾート」を経営して信州一帯を牛耳る「九十九ファミリー」。地元の名家として知られる九十九ファミリーだが、裏では私腹を肥やすために手段を問わない極悪一家だった。雪深い信州へやって来た秘書たちは、巧みな潜入スキルで一家に接近を図るが……。
主人公・望月千代役の木村文乃らテレビ版でおなじみのキャストに加え、依頼人・緒方航一役で玉木宏、九十九家の次男・二郎役で濱田岳、九十九家の顧問弁護士・美都子役で吉瀬美智子、九十九家のドン・道山役で笑福亭鶴瓶がゲスト出演。テレビ版に続き、ドラマ「ドクターX」シリーズの中園ミホが脚本、田村直己が監督を務める。(映画・comより)

「THE MOVIE」と冠したドラマ映画。どうしても安っぽくなってしまいがちで映画ファンからは敬遠されてしまいがち。その点で言えば「ガリレオ」シリーズは先日取り上げた「沈黙のパレード」に至るまでドラマから派生したシリーズではあるもののうまくドラマと映画の差別化が出来てますよね。で、現にドラマ特有のテレビっぽさというのかな、その辺を上手く排除して一本の映画にまとめてる辺りには好感が持てますね。実際、映画ファンからの評価も高くそれが興行成績にも繋がっていると思うし。

ではこの「七人の秘書」はどうなのか?語っていきましょう。

テレ朝系のドラマ映画って実はこの辺のバランスがうまく取れていて過去に制作されていたもので言えば例えば「相棒」シリーズであったり「オッサンずラブ」であったりとドラマのノリをそのまま映画に引っ張ってきてドラマ末視聴の客を置いてけぼりにするなんて事は全くないとは言わないまでも比較的少なく一本の映画としてまとめていたと思います。

この「七人の秘書」も然りで初見でも設定や登場人物のキャラクターや関係性も容易に理解出来る。ドラマ映画にありがちなドラマを見てないとわからないファンサービス要素も排除してあり、寒々しい内輪ノリ的なものがなかったのは好感が持てます。

信州を舞台に利権と利権が絡み合いドロドロの潰し合いから殺人事件にまで発展させていく展開だってありがちなんですが、キャストの演技やインパクトのある映像表現等も合間って楽しく鑑賞する事が出来ました。テレビでのドラマだとコンプライアンス重視で伝えにくい表現でも映画だと比較的制限が緩い為、割と自由に写し出す事が出来る。そもそもが映画を見る人であればある程度の刺激を欲している所もあるからそういう意味でのドラマではなく、映画ファンへのサービスが行き届いていたとも思います。

エンタメ映画としては合格点レベルの出来にはなっていたと思います。

で、この映画を引っ張っていたのはやはりキャストの面々が大きいかなと思っています。女優陣で言えば主演の木村文乃さん。映画に絡ませて言えば彼女だと『ザ・ファブル』シリーズですよ。1作目だと彼女のアクションが少ないなんて事を僕も当時のレビューで漏らしましたが、昨年の2作目では主演の岡田くんに負けじとアクションで存在感を見せていたのは記憶に新しいところ。『ザ・ファブル』のヨーコよろしく本作でもキレのあるアクションを見せてくれます。

アクションで言えば菜々緒さんも良かったですね!過去の映画で言えば『銀魂』ですよね。元々動ける女優さんですからね。今後も彼女のアクションを見たいものです。

江口洋介さんも良かったですよね!最近では悪役やヤクザ等のアウトロー役もこなす江口さんでそちらも大変魅力的なんですが、どちらかと言えば主人公側に居る役柄の方が個人的には好きです。

で、この映画の最大の功労者と言えば笑福亭鶴瓶師匠なんですよ!鶴瓶いや悪瓶師匠と呼んでもいいくらい腹黒く巨悪そのものなんですよね!私腹を肥やす為には片っ端から邪魔者を消していく例えそれが身内でも容赦をしないという悪人オブ悪人ですね。その昔とあるドラマでこれまでの鶴瓶さんのイメージを180度変える悪役を演じた時に「パペポTV」で上岡龍太郎さんに言われてましたもんね。「そっちの方が素なんちゃうか?」と。笑福亭鶴瓶が「家族に乾杯」等で見せるフレンドリーな人柄ならば駿河学は本作で見る様な悪人なのか?…なんて事を思ったり(笑)でもそれ位悪役が板についてるんですよね。

その他豪華キャスト陣の演技は非常に光っていたなと思います。

ただね〜、サスペンスとしての要素がどうにも甘くて意外性のある設定や事件のトリック等色々仕掛けてくる割には見ている人の予想が立てやすいんですよね。こいつとこいつはこんな関係でとか事件の裏側に潜むアナザーストーリーの見せ方にあとひと工夫見られれば言う事なしだったんですけどね。

それから玉木宏木村文乃を結局こういう流れにさせてしまうのか〜というのはね、いやいいんですよ。この映画を見るのは俺みたいな小うるさいオッサンではなく純粋に映画を楽しもうという方々がメインなんだから更に言えば女性に向けてとなればどうしても恋愛要素を取り入れたくなるのは自然な話しだし。ただこれも恋愛描写がダメと言ってるのではなく、映画としてもう少しスマートな見せ方をしてくれてたらなぁ。どうしてもここだけテレビドラマの延長感が拭えなかったんですよね。最後にケチはつけちゃいましたが、もっとフラットな気持ちで見たら満足な作品かもしれません。

是非劇場でご覧下さい!