和久井健の人気コミックを北村匠海主演で実写映画化した大ヒット作「東京リベンジャーズ」の続編2部作の第2部。
東京卍會崩壊の危機へとつながる、かつての親友同士の決戦がついに火蓋を切った。敵対チーム・芭流覇羅(バルハラ)に寝返った場地を連れ戻すため戦うことを決めたマイキー。一方、芭流覇羅にいる一虎は、東京卍會を潰してマイキーを殺そうとしていた。タケミチはそれぞれの思いを受け止めながらも、最悪の結末を阻止してヒナタや仲間たちの未来を救うべく、戦いに身を投じるが……。
主人公タケミチ役の北村やマイキー役の吉沢亮、ドラケン役の山田裕貴ら第1作のキャストに加え、場地を永山絢斗、一虎を村上虹郎、タケミチの相棒・千冬を高杉真宙が演じる。(映画・comより)
今年4月に見た「血のハロウィン編 運命」は東卍結成にまつわるエピソードを劇的に見せてそしてこれからという時に終わるという事で見ている側のボルテージが高まってきたその頃合いに次作へ誘導していくといういわゆる前後編型の映画の全編としては理想的なラストで作品を締めていました。
こうなると嫌が応にも次作は見なければという高い期待値を抱かせてくれました。そしてこの高い期待値を胸に7月5日。水曜サービスデーを利用して久しぶりの松江東宝5で見てまいりました。
サービスデーとは言え平日水曜日。比較的ゆったりと席をキープしての鑑賞。果たして後編にあたるこの「血のハロウィン編 決戦」は如何に?
さて、まず冒頭ではオープニングシークエンスでは前編をダイジェストで見せ、そして後編として新たに始まるストーリーへと繋げていく。前編に当たる「血のハロウィン編 運命」を見ずにこの後編を見るという人はそうそう居ないとは思いますが、前編未鑑賞な人への配慮も怠らないし、また前編を見た上で今作を鑑賞を見ている人へは再度前編を見たくなる様なうまい編集。この辺りは後編映画としてはスマートなものでしたね。
さて、後編である今作は「決戦」と銘打っている様に東卍結成メンバーで親友同士であったマイキーと一虎のぶつかり合いそこに場地も加わり血のハロウィンと呼ばれた決戦までの経緯を描いています。その中でマイキー、一虎、場地の思惑が交錯する中でタケミチがどの様な動きを取り運命を変えていくのかが物語の鍵となるんですね。
で、僕は「血のハロウィン編」運命を語った時に無理に前後編にせず三時間くらいの大作にしたら良かったのでは?なんて言いました。それに関しての前言をここで撤回します。
というのがこの後編に当たる「血のハロウィン編 決戦」を見て思ったのが逆に全然尺が足りね〜、これならかつての「20世紀少年」がやった手法を取り入れても良かったのではなんて思いました。そう、三部作にするという事です。
というのがこの「血のハロウィン編 決戦」ではマイキーと一虎、場地の三人を軸に描いてそれぞれのドラマを盛り込んでしまったが為にタケミチが結局中途半端になってしまったんですよ。
そもそも何でタケミチはタイムリープするんでしょう?未来で死ぬヒナタを助ける為ですよね。
だけど今作だとどうしても先の三人が中心になり過ぎてそこのボリュームが膨れ上がらざるを得なくなってしまってるんですよね。
で、その三人の話しは確かにドラマチックでしたし場地のラストにはグッときました。月並みな事を言えば男同士の友情っていいなと思える内容だし、そこがしっかり描かれていました。少し前は恋愛映画ばかり撮ってたイメージの英監督もこんな硬派な映画撮るんだな〜なんて思ってましたよ。
でもこの映画でのタケミチってそもそも何で10年前まで遡ってるんだっけ?あっ、そうだそうだヒナタを守る為に東卍のトップに立つという事だった…なんて脳内で記憶の整理をしてしまう始末ですよ。
で、ラストは一応それなりの形は取ってましたけど、でもこの終わり方って仮に三部作ならいよいよ次回で決着つけます!ヒナタは絶対に救ってみせます!
って大画面を使って宣言してる様な締めなんですよね。つまり次作作る気満々宣言なんですよ。
もちろんそれは大いに結構ではあるけど血のハロウィン編と題した今回の二作はあくまで通過点に過ぎないと言われた様な感じで正直モヤッとしちゃいましたね。
要は「血のハロウィン編」は三部作にして今回はマイキー達の物語そしていよいよラストはタケミチ無双で未来を変える?的な流れにした方がシリーズとしてはまとまったんじゃないかな?と思います。
さて、今作公開前に出演者が薬物所持により逮捕。公開も危ぶまれている中での公開は英断だったと思います。キャスト変更によって撮り直しをという事だって最悪起こり得た事だと思います。しかし、既に出来上がっいた中でましてや前後編での上映をした以上もしその選択をしていたら大きな支障が出ていたと思います。
場地を演じた彼は役者としては非常に魅力的な演技をしていた。それだけに勿体ないと思いました。
思わぬところで今作が問題作となってしまったのは確かですが、しかし他のキャスト、監督、スタッフそして作品に罪はありません。
この実写版「東リベ」は好きなシリーズですので、これからも応援していきたいと思っています。