きんこんのブービームービー

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

映画クレヨンしんちゃん 爆盛り!カンフーボーイズ~拉麺大乱~

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クレヨンしんちゃん」の劇場版アニメシリーズ26作目。マサオの誘いで伝説のカンフー「ぷにぷに拳」を習うことになった、しんのすけたちカスカベ防衛隊は、カンフー娘の玉蘭(タマ・ラン)とともに修行に励む。その頃、春日部にある中華街「アイヤータウン」では、「ブラックパンダラーメン」なる謎のラーメンが大流行。それは、一度食べると病みつきになり、凶暴化してしまうという恐ろしいラーメンだった。突然のラーメンパニックに対し、街の平和を守るためカスカベ防衛隊が立ち上がる。監督は「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」「映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」を手がけた高橋渉
(映画・com より)


この時期公開の『クレヨンしんちゃん』の劇場版は今や子供のみならず大人からも支持を得ている人気シリーズです。
私も過去何作かで好きな作品はいくつかあるのですが、実は劇場で鑑賞するのは本作が初めてです。

初めての劇場版『クレヨンしんちゃん』鑑賞。
果たして如何なものだったのでしょうか。

行ってみよ~!!

公開数日後の某平日。
メインの客層のお子様の姿はなく皆大人ばかり。
ドラえもん』もそうなんですが、皆さん鑑賞するタイミングは心得たものなんですね(笑)

オープニングでは劇場版のクレヨンしんちゃんには欠かせないクレイアニメきゃりーぱみゅぱみゅによるお馴染みのテーマ曲。
「あ~、しんちゃんが始まったな~」なんて年甲斐もなくワクワクするものです(笑)

そして登場するしんちゃんらカスカベ防衛隊の面々。

そう、あくまでいつものしんちゃんの延長線上の世界なのです。

しかし、マサオくんが何やらおかしい?

なんてところからストーリーが広がっていき、劇場版ならではのクレしんワールドが幕を開けていくのです。

本作はタイトルからもイメージ出来る様に香港映画にインスパイアされたカンフー映画となっています。
ジャッキー・チェンブルース・リーの要素もあれば『ドラゴンボール』、『北斗の拳』といった少年漫画オマージュもあったりします。
カスカベ防衛隊が習うぷにぷに拳なる拳法はジャッキー・チェン酔拳を彷彿とさせるし敵のアジトがラーメン屋なんて言うのは『死亡遊戯』を思わせてくれます。
更に本作のボス敵はケンシロウよろしくひこう(変換出来ない・・・)をつくという攻撃方法。
もっともひこうを突かれた方は「あべし!」「ひでぶ!」と顔や体が粉砕されるなんて事はなくクレしんらしく「パンツ~まる見え~」を言い続けるとか昔流行った一発ギャグをひたすら言い続けるなんていうしょうもないものなんですけどね(笑)

そしてところどころで挿入される昭和臭さが何とも良い味になってまして、しんちゃんらが『ジェンカ』を踊るという場面があります。
その『ジェンカ』も広く知られた坂本九のバージョンではなく1963年に発表された橋幸夫バージョンという目のつけどころに昭和フェチな私は思わずニンマリしてしまいましたよ(笑)
しかも『ジェンカ』が流れるラジカセがまた古臭いんですよ。
先日『ボスベイビー』を評した時にカセットテープで録音するという手法について言及しましたが、ここでもまた古き良き録音手法を目の当たりにする事になろうとは思いもしませんでした(笑)
そもそも『ジェンカ』なんて親世代にも通じるネタなんでしょうか?

また、敵の組織がラーメンを使って大衆を洗脳する展開については無知な一般人が流行に躍らされる様を皮肉ると同時にそこから取り返しのつかない事態に及びかねないという視点で流されやすい民衆への警鐘とも取れる描写になっておりました。

本作のヒロインとして登場する玉蘭についての描かれ方は非常に衝撃的なものでした。
この玉蘭はしんのすけらと共にぷにぷに拳を習う少女なのですが、良く言えば真面目で一本筋が通っている、悪く言えば愚直ゆえに融通が効かないという性格です。
そんな彼女が力を身につけた後、暴発する誤った正義感が見る側への問題提起として突きつけられます。
本人は決して間違った事はしていない。
むしろ社会的、常識的に見れば間違った人間を正しているのだ

そんな考えが突っ走ってしまうとむしろそれは害悪なものになる。
玉蘭という少女を通して真摯に突きつけられるのですが、私達大人にとっても非常にメッセージ性の強いテーマなのではないでしょうか?

また、本作において注目しておきたいのはマサオくんという存在です。
元々カスカベ防衛隊メンバーに先駆けてぷにぷに拳を習い始めたらマサオくん。
兄弟子として先輩風を吹かせるあたりねねちゃんじゃなくてもイラッとしますよ。
しかし、呑み込みの良い他のカスカベ防衛隊メンバーに先を越されてしまいます。
その時に見せるマサオくんの心の葛藤そして心の成長。
それは「持たざる者」へのエールでもあり、本作の持つもうひとつのテーマと言えるでしょう。

と本作も非常に内容も濃くストーリー展開なども良かったのですが、ラストについては賛否両論ある様です。
クレしん映画なんだからああいうユルいオチで良かったんじゃない?という意見。
せっかく後半まで盛り上がっていたのにラストで拍子抜けした、ガッカリという意見。

どちらもよ~くわかります。
しかし、あくまで私の感想ですが、緊張と緩和のバランスが取れていましたし、メッセージ性もありました。
ラストは少々マヌケな展開になったのは事実ですがそれでも許せちゃうんですよ。


それが『クレヨンしんちゃん』だから。