きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版鬼滅の刃 無限列車編

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週刊少年ジャンプ」で2016~20年に連載され、単行本1~22巻の累計発行部数が1億部を突破する吾峠呼世晴の大ヒット漫画をアニメ化した「鬼滅の刃」の劇場版。19年4~9月に放送され、炭治郎らが無限列車に乗り込む場面で終了したテレビアニメ版「竈門炭治郎 立志編」最終話のその後の物語が描かれる。大正時代の日本。鬼に家族を皆殺しにされ、生き残った妹の禰豆子も鬼に変貌してしまった炭治郎は、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、鬼狩りの道を進む決意をする。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、短期間のうちに40人以上もの人が行方不明になっているという無限列車に到着する。炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助は、鬼殺隊最強の剣士の1人、煉獄杏寿郎と合流し、無限列車の中で鬼と立ち向かう。
(映画.comより)

遂にと言いますか社会現象真っ只中の『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』です。
実は今回短評するにあたってはかなり緊張感があるんですよ。
社会現象となり、更に言えば信者の熱も非常に熱い故下手なコメントは出せないのでは?というプレッシャーですよね。
更に言えば私自身は今回の劇場版公開までは全く鬼滅そのものはノータッチ。
去年から盛り上がっている中でも全く作品に触れる事なく過ごしそこからのスタートです。
なのでコアなファンの方にはじめにお伝えしておきます。
あくまでライトな層に向けての内容です。
「『鬼滅』流行ってるけど全く見た事ないんだよね~」とか「いきなり映画から入っても厳しいよね~」と思いあぐねるそんな方々に向けた内容です。
コアな内容を期待しているのであればこの番組でなくともネット・YouTube諸々色んな方が発信している物を拾えると思います。
私の役目ではありませんので、細かいご指摘等に関してはご遠慮下さい。

さて、『鬼滅』初心者の私が本作鑑賞にあたって触れたものは原作の6巻までと二週連続で放映されたアニメの総集編。
この「無限列車編」の内容を楽しむ上で最低限抑えておきました。
誤解を恐れず正直に言うと前半部ってそこまでのれなかった自分が居たんですよね。
世代を問わず大ヒットとなる文字通りの社会現象作。
週刊少年ジャンプ』連載漫画で言えば例えば『ドラゴンボール』例えば『ONE PIECE』と看板を張る作品は数ありますが、どれもある程度の層に限定されていたのは事実であり、老若男女全てに支持されるという例はジャンプ史上初かも知れません。
つまりそれくらい稀有な例になってはいるものの、前半部のれなかった自分は居ました。
でも、そこで辞めるかどうかで大きく変わってくるのがこの作品の特徴でして、ストーリーが進むにつれて徐々にハマっていき気付けば没頭してしまう。
「あ~、これか!これが皆鬼滅にハマる理由か~」と気付いたら唸っておりました。
鬼対鬼殺隊というシンプルな構造はYouTubeSNS・オンラインゲーム等々多様化した現代のカルチャーでは至極スッキリしているし、登場人物だってごちゃごちゃしていない。
非常にコンパクトでわかりやすいんですよね。
更に本来敵である鬼にも鬼のストーリーがあり、見る人の感情に訴えかけてくる。
数多ある少年漫画において意外とありそうでなかったパターンだし、殺伐とした時代に人の感情を揺さぶるという展開は見事に合致するだろうなと感じました。

と、これが『鬼滅の刃』という作品全体を通しての私の印象です。
その上でのこの劇場版。
興行収入の記録が前例ない程驚異的な積み上げ方を見せていますが、全世界で公開されている映画のトータル興行よりも日本でのみ公開されている『鬼滅の刃』一本の興収が圧倒的に上回っているとあの『ニューヨークタイムズ』も報じた程です。
僕は10月21日エフエムいずもの生放送が終わり、松江東宝5で鑑賞して参りました。
普段平日の入りというのは人もまばらでそのお陰で僕もゆったりと鑑賞させて頂いているのですが、この時は(もちろん今も)違いました!
水曜日のお昼前だと言うのに目の前のフードコートにまで溢れる人の波。
正直山陰のシネコンでここまでの人を見るのは初めてかもしれません。
まぁ、あるとしてもお盆か年末年始くらいかな。
何度も言いますが平日・水曜日のお昼前です!

で、内容に関して言えば炭治郎を初めとしたメインキャラクターの紹介部分もあるので実は所見でもそれなりに楽しめます!
で王道のバトルシーンにおいても大スクリーンだとまあよく映える映える!
これはアニメ所見の時から思いましたけど、劇伴の挿入が絶妙なんですよね。
ここぞと言うタイミングで流れる音楽の使い方がどこまでもエモい!
感情を揺さぶられる事必至です!
アニメをきっかけにブレイクしたとは言われますが、ここにもそのヒントはあるのかななんて感じましたね。
そもそもこの無限列車編は原作に描かれてるんですよね。
当然本作公開前から原作を読んでる人は内容を知ってるわけじゃないですか。
となるとそういう人達をも感動させるには?というのはかなり大きな課題だったハズですが、作画の上質さ・声優陣の演技・そして劇伴の使い方等々あらゆる面での工夫が求められるわけでそれに応えるのは並大抵のものではなかったハズです。
しかし、その全てが圧倒的にレベルが高く極上のエンターテイメントに仕上がっていたのにはアニメファンではなく映画ファンである僕もかなり満足しました。
何と言ってもキャラクター一人一人の写し方は圧巻の一語に尽きるのですが、何と言っても煉獄さんには泣かされます。
リピーターになる人も多いという事ですが、この煉獄さんに持ってかれる人は相当数居るでしょうね。
僕もその一人でして、本作鑑賞終了後是非続きも見たいと鑑賞意欲がかき立てられました。
そしてそんな僕その後は漫画喫茶で全巻読破。
そう、確実にライトな層にも響き新規ファンを更に拡大していくのは想像に難くないなと感じた次第です。
ちなみに先日某中古本店に出向いたところ『鬼滅の刃』は全て品切れとなっていました。
これから年末年始も控え更なる大ヒットが見込まれます。
コロナ禍の映画業界のみならずエンターテイメント界はたまた日本経済をも救っている『鬼滅の刃』。
まだ見ていないという方、是非この波に乗ってみては如何でしょうか?