きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

トップガン マーヴェリック

トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。主人公マーヴェリックをクルーズが再び演じ、「セッション」のマイルズ・テラー、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー、「アポロ13」のエド・ハリスが共演。さらに前作でマーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたバル・キルマーも再出演する。「オブリビオン」のジョセフ・コジンスキーが監督を務め、「ミッション:インポッシブル」シリーズの監督や「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加。(映画・comより)

先週取り上げた『シン・ウルトラマン』もそうなんですが、例年であればこの時期にこんな大作は続かないんですけどね、まぁそれもこれもコロナが影響してって事なんですが、この『トップガン マーヴェリック』は元々2020年の夏に公開予定だったものが、延期に次ぐ延期でようやく先月27日に公開となりました。

実は私はというと、1986年の『トップガン』についてあまりよく知らなかったんですよ。サントラが大ヒットしたのとそこから数曲がシングルとして大ヒットしたという事くらい。まぁ、『フラッシュダンス』とか『フットルース』等MTV全盛時代にアーティストのプロモーションとしても映画が積極的に使われていたという80年代特有の面が強いのかななんて思いますが。

しかし、この新作を見るにあたって内容を知らないとまずいと昨年の秋にアマゾンプライムビデオで1作目の『トップガン』を鑑賞。結局再度の延期となりましたが、この時は11月に公開とアナウンスされてましたからね。それに合わせての予習でした。

で、この予習は本作鑑賞にあたっては裏切らなかった。前作を知らないと理解出来ない点も多々あったし、何より冒頭の場面の感動は前作ありきでしょ!そう、見た人ならばわかるでしょう。『DANGER ZONE』のかかるアソコです(笑)

さて、36年振りの新作という事で実は鑑賞前は不安もあったんです。というのが昨年末の『マトリックス』であったり今年2月の『ゴーストバスターズ』であったりといずれも超久しぶりの続編でしたよね。個人的に『ゴーストバスターズ』はスゴい良かったんですが、興行的には伸び悩んでしまいました。そんな中で『トップガン』はどうなのか?全く心配無用でしたね。大大大ヒット中ですし、内容もハッキリ言ってしまえば今年ベスト級に良かったです!実は鑑賞中なんかはマスクの下で「うわっ、やばい!」とか「アツイ!」とか一人で呟いてましたもん(笑)

というのが前作の踏襲ではあるものの、そこにより磨きをかけた様な描写の数々。それはこの36年の時代の進化というものが大きく貢献してもいるのです。撮影にドローンも使えるし、カメラにしてもIMAXのカメラを戦闘機に持ち込んで撮影出来たり。無論それだけではありませんね。前作のトムクルーズは20代前半。新進気鋭の若手俳優だったわけですが、前作の大ヒットを契機に大躍進。以後、数々の作品に出るハリウッドを代表するスター俳優なんですが、彼がスゴいのは徹底して役者としてのアクションを間もなく60歳を迎える今も追求してるトコロなんですよね。本作上映前には来年夏に公開予定の『ミッション:インポッシブル』の予告が早くも流れていたのですが、本来彼クラスのキャリアとポジションにもなれば自らが身体を張ってアクションをせずとも大御所としてド〜ンと構えていたらいいハズなんですよ。ましてやこのCG全盛の時代にですよ!ところが自らのアクションやスタントにこだわりを持ち続ける。撮影時50代後半にしてアクション、バイクの操縦に肉体美等等トムクルーズの魅力が凝縮されているんですよね。

で、本作におけるマーヴェリックって正に今のトム・クルーズを反映してる様でもあるんですよね。パイロットとしても大ベテランだけどまだまだ現役で飛行機の操縦はまだまだこなすぜ!的なところが。しかし、そんなマーヴェリックが後進の指導をする。今やトム・クルーズは俳優だけではなく、プロデューサーとしても業界を盛り上げる存在でもあるわけで、マーヴェリックの教官的な立場にもなるわけです。実際映画では息子の様な年齢の若手俳優を導いていますからね。

で、こういう光景を含めてオールドファンへのサービスも入れつつ、楽しませてくれます。

更に言えば戦闘機のパイロットの物語である以上、ドンパチがあるのは避けては通れないところ。ただ、ここが今の情勢下だとかなりナイーブになりがちなんですよね。ウクライナ侵攻という現実での状況が重なるとエンタメとは言え、迂闊な描写が出来ない。自己犠牲や殉職からの英雄視みたいな場面って物議を醸し出しかねないんですよね。だけどここもうまくまとめていました。それは生きるという事を讃えるものです。生きて帰り、大切な人と暮らし愛情を育むこと。信じる事やあきらめない事の尊さが描かれていました。そして前作でメガホンを取った故・トニースコット監督への献辞が流れた時には僕も目頭が熱くなりました!

最高にアツく胸を打つ様な素晴らしい続編でした!オススメです!