きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

DUNE/砂の惑星



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ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートSF小説の古典を新たに映画化したSFスペクタクルアドベンチャー。人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる。主人公となるポール役を「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが務めるほか、「スパイダーマン」シリーズのゼンデイヤ、「アクアマン」のジェイソン・モモアハビエル・バルデムジョシュ・ブローリンオスカー・アイザックレベッカ・ファーガソンら豪華キャストが集結した。

(映画・comより)

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、『燃えよ剣』とこのところ、長尺の大作を扱う機会が多いですが、本作の上映時間は155分。「そんなに時間取れねぇよ〜」という方、何とか時間を作って下さい(笑)

さて、そんな超大作ですが、僕はこの映画に関してはとにかく予告編の映像に惹かれましたね〜!スケールの大きな砂漠その中で展開される圧倒的な映像表現。「むむっ、これは見ておきたい!」と。原作の小説も知らないし、1984年に製作された映画も見た事がない。しかし、一見の価値はあるかなと感じ、見て参りました!尚、お伝えすると概要にもあります様に遥か未来でのお話し。SFというジャンルになりますので限りなく『スター・ウォーズ』のそれを思わせるものがあります。しかし、『スター・ウォーズ』よりも本作の原作は古く『スター・ウォーズ』はかなりインスパイアされているそうです。他にも『アバター』更に日本では『風の谷のナウシカ』にもヒントを与えた作品との事。日本では知名度が低いのでそれらの事を頭に入れてから鑑賞すると良いかもしれません。

さて、今ではすっかりSFの監督として定着した感があるドゥニ・ビルヌーブ監督。『ブレードランナー』のリメイク『ブレードランナー2049』から早4年。前作が映画ファンから高い評価を受けてこのSFの古典名作をどの様に作り上げたのかが注目ポイントです。

はっきり言いますね。

本作ほど好き嫌いがはっきり分かれる作品もないのでは?というのが僕の印象です。というのがSFというジャンルに耐性がないとストーリーがさっぱり理解出来ない。ちんぷんかんぷんなまま二時間半ひたすら尿意と腰痛と戦うだけになってしまいます。そもそもこの映画ならではの専門用語が頻発するんですよ。更には惑星、人物、物理的な事象などなどに別名があってそれらの説明すらない。頭で整理している内に次の展開に進んでいたりして、置いてけぼりになってしまいます。いっそのこと、人物に関しては『アクアマン』、『グレイテスト・ショーマン』、『アメイジングスパイダーマン』みたいにしてくれりゃ覚えやすかったのに…てこれキャストの過去作か(笑)

更に言えば予告編で見たあのダイナミックな映像を期待して見たんだけど、ここに至るまでがまぁ、長い!

前半でこの作品の設定やら各キャラクターの説明シーンが続くんだけど、そこにメチャクチャ時間を割くんですよ、しかもこの辺り非常に淡々と進んでいき、テンポも悪い。いや、あの独特な間が良いという考え方もあるか。それでいて先述の様に設定を理解するのに脳内での整理が追いつかずで、途中で不覚にも眠くなってしまいました…。例えて言うならビジネス用語を羅列する意識高い系と会話をしていてマウントを取られてる気分?それが僕のイメージです(笑)

後、個人的に違和感を感じたのが何千年も先の未来の話しなのに戦い方が中世の騎士の様なナイフみたいな剣ってとこ。身につけてる鎧なんかも『ドラクエ』の鎖かたびらかっ?てくらい薄手なんですよ。身を守る気ねぇだろ?みたいなね(笑)そこはライトセーバーみたいなヤツ使お(笑)

でもね〜、中盤からは俄然引き込まれましたよ!予告編で見てた迫力ある映像ってここで用意されてたんだね!砂の惑星ですから、当然砂漠が舞台となるわけですが、この砂漠の映像が画面いっぱいに広がった時の高揚感は確かにありましたね。僕が好きな映画に『ハムナプトラ』というシリーズ作があります。エジプトの広大な砂漠を舞台に繰り広げるアクション作ですが、それを彷彿とさせてくれましたね。アクアマンやグレイテスト・ショーマンも見せ場がありましたよ、ってせめてキャスト名で言え(笑)あ、ジェイソン・モモアゼンデイヤレベッカ・フォーガソンね。それはそうとレベッカ・フォーガソン、年食ってる扱いひどくね。まず、主人公ポールのティモシー・シャラメの母親という役どころも違う様な…。

さて、これは私が感じた事。本作は何度も言う様に遥か未来の宇宙戦争を描いていますが、もっとミニマムな視点に変えると地球上での国と国の利権をかけた紛争をイメージしてみました。とりわけ砂漠を有する国という点で中東辺りの石油利権を取り巻くそれに近いかなと。惑星・アラキスで採取される香料のメランジこそまさに石油であり、ハルコンネン家と皇帝は中東諸国のテロリストはたまたアメリカ?まぁ、あくまで憶測に過ぎないのですが、そんな視点で見ると中東の国際情勢も見えてくる…かもしれない。あまり自信がありません(笑)

尚、本作は二部作となっており、次作も製作予定だそうです。はっきり言って本作だけ見ても不明点が多々あります。次作を見たらもしかしたら多少はわかってくるのでしょうか?

てな感じで非常にモヤッとした作品であるのは間違いありません!しかし、先述の様に広大な砂漠と迫力ある映像表現に関しては太鼓判を推します!

是非ご覧下さい!