きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

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ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フェリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。ダニエル・クレイグが5度目のボンドを演じ、前作「007 スペクター」から引き続きレア・セドゥーベン・ウィショーナオミ・ハリスロリー・キニアレイフ・ファインズらが共演。新たに「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のアナ・デ・アルマス、「キャプテン・マーベル」のラシャーナ・リンチらが出演し、「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディ・マーキュリー役でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役として登場する。監督は、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ。

(映画.comより)

当初の公開予定から一年半の延期。「ホントに公開されるの?」なんて不安もありましたが、遂に公開となりました!首を長くしていたファンもこれで溜飲が下がるというもの。そして満を持してと言う言葉がここまで似つかわしい作品もないのでは?という本作は長年ボンド役を務めてきたダニエル・クレイグにとって最後の作品。これまた想いの強い方も多いのではないでしょうか。そして上映時間はシリーズ最長の164分。主題歌はビリー・アイリッシュが担当等話題が尽きない作品となりました。

率直に言いましょう。長くシリーズの立役者であったダニエル・クレイグのボンドへの餞としてはこれ以上ない出来でした!ぶっちゃけ007シリーズにめちゃくちゃ愛着があるというわけではない僕が見ても最後は胸に込み上げるものがありました。ただ、映画全体としては突っ込みたい点もありますが、まぁここは後述致しましょう。

まずはこの映画…というか007シリーズならではというべきでしょうか、とにかくアクションが際立っていて映画館ならではの迫力は申し分無しです。その都度登場してくるガジェットを見てもワクワクするし、そうかと思えばヒヤッとさせる場面もふんだんにあります。僕の並びに座っていたおばちゃんいや失礼…ご婦人もその都度「うわっ!」とか「あ〜っ」なんて思わず声に出ちゃったんでしょうね。つまりはそれ位スリリングな映画体験が出来るんですね。

更には世界各地をまたに繰り広げるカーアクションのみならずバイクでのアクションシーンはアツいですね!イタリアの歴史的な街並の中、派手に立ち回るボンド。それが画面いっぱいに楽しめると「う〜ん、これぞ映画体験!」なんて唸ってましたね。もっとも僕の場合は口に出さず心で絶叫してましたけどね(笑)

で、ストーリーはというとまさかの007の2号が現れる等の面白ポイントはありますが、何と言っても家族のストーリーでもあるんですね。これまでボンドと言えばダンディズムな色気を振り撒きながら、若いボンドガールとのアバンチュールを楽しんできましたが、そんなボンドに家族が。という展開。

完全無欠なボンドが最も人間らしさを出したのがまさに本作だという事なんですね。正直あのボンドの手にウサギのぬいぐるみが掴まれるなんてこれまで有りましたでしょうか?そんな彼の姿は愛に満ちていて優しい父親そのものであり、だからこそラストのシーンでは思わず涙腺が緩んじゃうんですよ。

また、本作の悪役はあの『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが起用されました!冷酷非道な殺人マシーンである彼の姿がフレディ・マーキュリーとあまりにかけ離れていたけど見事に悪役をこなしていましたね。

ただ、冒頭で触れたどうしても突っ込みたいポイントというのが彼のキャラクター性なんですよね。復讐に燃える殺人鬼ではあるものの、彼が何故その様になったのかの動機が見えてこなかったです。更には子供には優しいんだけどそこの理由もよくわからないんですよね。彼の生い立ちを見せながらうまく見ている人を納得させる様な描写があればより良かったと思います。

そして終盤です。ダニエル・クレイグボンド最後の勇姿へ導く描写。映画としての指摘点は確かにありましたけど、やっぱりこのシーンは泣ける。これはシリーズを見続けた人であれば色々と過去の思い出がフラッシュバックして涙なしでは見れなかったんじゃないですか?これまた自分が見た時の並びのお客さんの様子を伝えると先程お伝えしたご婦人の娘さんらしき女性の涙をすする音が聞こえてきましたよ。きっと親子揃って007が好きなんだろうなぁ。

で、エンドロールが流れても誰も席を立たないんですよ。でもその判断は結果として正解。最後に007シリーズの未来へ繋がるこれ以上ないメッセージが表示され、映画は終了しました。007はまだまだ終わらない。個人的には映像を見せるのではなく、シンプルにメッセージのみを映す手法は粋だなと思いました。

160分強という長尺ですっかり腰が痛くなりましたが(笑)一年半待った甲斐がありました。もっとも待ちたくて待ったわけではないですけどね。

ボンドの勇姿をこの目で見届けよ!

オススメです!