きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

あのコはだぁれ?

呪怨」「犬鳴村」「ミンナのウタ」の清水崇監督が手がけたホラー映画。夏休みの補習授業中の教室を舞台に、そこにいないはずの“あのコ”が巻き起こす恐怖を描き出す。
夏休みに臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのかの目の前で、ひとりの女子生徒が突然屋上から飛び降りて不可解な死を遂げる。教室にいるはずのない生徒の謎に気づいたほのかは、補習を受ける三浦瞳や前川タケルらとともに、生徒たちの間で囁かれる“あのコ”にまつわる驚きの真実にたどり着く。
NMB48」の元メンバーで、バラエティを中心に広く活躍する渋谷凪咲が臨時教師・君島ほのか役で映画初主演を務め、生徒役には「違国日記」の早瀬憩、「君たちはどう生きるか」で主人公の声優を務めた山時聡真、テレビドラマ「あなたの番です」の荒木飛羽、「こころのふた 雪ふるまちで」の今森茉耶、「孤狼の血 LEVEL2」の蒼井旬らフレッシュなキャストが集結。(映画・comより)

久しぶりのホラー作品ですね。「呪怨」等の大ヒットシリーズを生み出してJホラーブームを生み出してきた清水崇監督。僕もかつてホラー映画にハマっていた時期には随分とお世話になったものです。

ところが近年だとホラー映画自体が下火になった事もあってなかなかかつての様な良質なホラーと出会えなかったのも事実。監督の作品で言えば「樹海村」等の村シリーズというのがありましたが、個人的にはそこまでハマりませんでした。

そんな中でホラー映画も復調の兆しを見せており、2021年に「事故物件」、2022年の「カラダ探し」そして記憶に新しい今年春の「変な家」とホラー映画のヒットも生まれています。

ではではホラー映画の第一人者・清水崇監督作品と言えば?昨年の「ミンナノウタ」が話題となり、そして今作へと繋がっていきます。

かつての貞子や伽耶子の様な新たなホラーアイコンとしてサナという少女が誕生し、「ミンナのウタ」に続いて今作に登場!

SNSでも話題となっているので気になっていましたが、遂に見て参りました。

8月10日土曜日。MOVIX日吉津。上映が夕方の一回のみだったのでその時間を目掛けて劇場へ。客層はかなり若い!それもマイルドヤンキー風というのかな、ヤンチャな風貌の兄ちゃん、姉ちゃんが多かったです。思えば事実上の前作「ミンナのウタ」はGENERATIONSだったもんな、客層にはピッタリというわけか(笑)

さて、「ミンナのウタ」を事実上の前作と位置付けましたが、ホントそうなんですよ。GENERATIONSの面々と早見あかりが出ないだけでストーリーやキャラクターは前作からそのまま継承しています。なので丸腰での鑑賞はオススメしません!「ミンナのウタ」を見た上でご覧下さい!僕もU-NEXTで視聴の上、今作を鑑賞しました。

さて、メインキャストを一新した上での事実上の「ミンナのウタ」の続編。「ミンナのウタ」同様、或いはそれ以上にホラーとしての仕掛けが満載です。それは冒頭の場面で早速現れます。

染谷将太演じる青年が車に轢かれるという衝撃の場面、吹き飛ばされた彼が自販機に激突。自販機の下に手を突っ込んでいる彼の姿というのは「ミンナのウタ」を見ていたらよく分かるというもの。これを本編開始ものの数分で見せるもんだからそこからの流れに期待が高まります。

タイトルのあのコとされるサナが相も変わらず暴走する。いじめっ子体質のギャル風のJKが「ミンナの」のとりわけショッキングなシーンである屋上からの…という餌食になるわまた例によってのあの不気味な鼻歌も出てくるわ。「ミンナの」でGENERATIONSの面々が翻弄された恐怖が渋谷凪咲をはじめとしたキャスト陣に襲い掛かります。

「ミンナの」を見た人ならよくわかるあの不気味な廃屋の中でのこれは現実なのか虚構なのかわからないサナの両親を巻き込んだ無限ループと不気味な光景がひたすら恐怖を煽ってくれます。「ミンナの」では出てこなかった寝たきりのお婆さんという新たなキャラクターがいい味を出しています。

これは清水崇監督作品あるあるなのですが、基本ホラー映画だから恐怖が全面に出てくるのが大前提ではあるものの、時にそれが行き過ぎると笑いになってしまうという光景によく遭遇します。

このばあちゃんなんかはまさにそんな存在なんですよね。トイレで遭遇したばあちゃんはただただ怖い。しかしその後のモゾモゾとする動きからの「マァッ!」は笑っちゃいました。こういう緊張と緩和の生み出し方はホント清水監督うまいんですよね。同じばあちゃんが奇声をあげるというシークエンスでも「変な家」のそれはイラッとしてしまいましたからね。不気味なばあちゃんってホラー映画には外せない存在だとは思うけど、その使い方って監督の手腕によるのかななんて思いましたね。

それから「ミンナノ」の屋上に居たサナの同級生が大人になって現れたり、あの先生も登場したりマキタスポーツも出てくる。電気コードを引っ張って死んでしまったサナ、その後の両親の様子も出てきましたしね。「ミンナノウタ」でもとにかく恐怖を与えてくれたサナのお母さん。今作でもかなりインパクトを与えてくれます。

それで見ていて思ったのが、「何でミンナのウタ2にしなかったのかな?」と。僕の隣に座っていたカップルが上映後に「さっぱり内容わからんかった」って言ってましたもん。そりゃそうだよな…。そういう意味ではタイトルが不親切な気がしましたね。

なので今作。「ミンナのウタ」を見た人ならば間違いなく楽しめる!しかし、そうでない今作を単体で見る人は全く楽しめません!なので「ミンナのウタ」を必ず見た上で鑑賞して下さい!

その上でであれば…オススメです!

是非劇場でご覧下さい!