きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

デッドプール&ウルヴァリン

マーベルコミック原作の異色ヒーローアクション「デッドプール」のシリーズ第3弾。ライアン・レイノルズ演じる型破りで無責任なヒーロー、デッドプールに加え、同じくマーベルコミック原作の「X-MEN」シリーズで活躍した、ヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンがスクリーンにカムバックし、2大ヒーローの共演が実現した。
不治の病の治療のために受けた人体実験で、自らの容姿と引き換えに不死身の肉体を手に入れた元傭兵のウェイド・ウィルソンは、日本刀と拳銃を武器に過激でアクロバティックな戦闘スタイルのデッドプールとして戦いを続けてきた。戦う理由はあくまで超個人的なものだったが、そんな彼が世界の命運をかけた壮大なミッションに挑むことになってしまう。この予測不可能なミッションを成功させるため、デッドプールウルヴァリンに助けを求める。獣のような闘争本能と人間としての優しい心の間で葛藤しながらも、すべてを切り裂く鋼鉄の爪を武器に戦ってきたウルヴァリンは、とある理由で、いまは戦いから遠ざかっていたが……。
主人公デッドプールライアン・レイノルズが演じ、ヒュー・ジャックマンが2017年の「LOGAN ローガン」以来となるウルヴァリン役に復帰。メガホンをとったのは、「ナイト ミュージアム」シリーズやライアン・レイノルズとタッグを組んだ「フリー・ガイ」「アダム&アダム」、大ヒットドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」などで知られるショーン・レビ。(映画・comより)

2018年以来6年振りに俺ちゃんが帰ってきました。マーベル作品でも他のヒーローとは一線を画すお下品お下劣のクソ野郎。お前が帰ってくるのを俺は待ってたぜ!

ただこの「デッドプール」というシリーズを取り巻く環境は大きく変化。というのが前作までを配給していた20世紀フォックスがディズニーが買収。この辺りもネタに昇華させながら俺ちゃんは俺ちゃんだとばかりに良い意味で変わらないライアン・レイノルズが演じるデッドプールの不適切にも程があるブラックジョークとアクションを楽しみに公開初日の7月24日。エフエム出雲での番組終わりにTジョイ出雲で鑑賞して参りました。字幕版と吹替版がありますが、やはりライアン・レイノルズヒュー・ジャックマンの声を聞きたいという事で字幕版を選択しました。

さて、今作が公開されるにあたって気になっていた事があります。それはデッドプールウルヴァリンが共演するという事。ウルヴァリンことローガンは2017年の「LOGAN ローガン」で壮絶な死を迎えたのですが、どういう経緯でローガンが出てくるのだろうと。そこはもちろん説明があります。イン・シンクの「BYE BYE BYE」をBGMに日本刀と拳銃を使いながらのアクションシーンを交えながらの映画映えする説明描写。

なるほどと思いながらも諸々の経緯を経てヒュー・ジャックマン演じるローガンが登場。この際の説明ゼリフは「ミュージカルも出来るローガン」。これは言うまでもなくあの大ヒットミュージカル映画グレイテスト・ショーマン」ですね。「LOGAN ローガン」で死んでしまったウルヴァリンとしてのローガン。ヒュー・ジャックマンもまたアメコミ作品と訣別するかの様に「グレイテスト・ショーマン」で新規軸を見出した感があります。こちらを経て7年振りのウルヴァリンとしての登場ですからね、小ネタが効いてます。また、劇中で「グレイテスト・〜」のメインテーマ「the greatest show」の1フレーズが流れるという演出もあり。

また、前述の様にディズニーによる20世紀フォックス買収もネタに盛り込んでいます。それもポジティブな文脈ではなく、割と批判的に。奇しくもこれが「アベンジャーズ/エンドゲーム」以降の作品の質の低下ややたらとマルチバースを繰り広げる設定への揶揄とも取れる表現等等ライアン・レイノルズ自身もかなり思うところがあるのではなんて思いましたね。

でも面白いのがそれをパロディにしてしまう辺りなんですよね。広大な砂漠の中を疾走する改造車とバイク。これは言うまでもなく「マッドマックス怒りのデスロード」、「マッドマックス フュリオサ」のパロディで実際フュリオサって名前も出してるし。僕もギターから火を吹かせるギタリストが出てくるのか?白塗りのウォーボーイはどこだ?なんて期待してました。で、このマッドマックスパロディの場面で20世紀フォックスのロゴが埋もれているんですね。あ〜「ボヘミアン・ラプソディ」でブライアン・メイが弾いた20世紀フォックスファンファーレ聴きたくなったじゃないか〜。

それからマニアックな小ネタもてんこ盛り。今でこそMCUだのDCだのアメコミ映画は市民権を得た感がありますが、そこには数々の有象無象の人知れず消えていったヒーローが居るんですよ。

あれ、ワンダーウーマン?…じゃない女性戦士であったりとか。で、特筆すべきは今やキャプテン・アメリカのイメージが強い彼がキャプテン・アメリカで成功する前のキャラクターで出てきたりとかね。良かったね〜、時を経て日の目を見る事が出来て!クリス・エヴァンス黒歴史にはしてないんだね。

いや〜、改めてですが、それにしてもこのシリーズはやっぱりりゲスい!ドラえもんズならぬデッドプールズ的な集団が敵として現れるのですが、銃撃戦が何とも悪趣味。銃撃を交わす為に人の身体を盾にするというヤツね。で、これ何か既視感あるなと思ったら北野武監督映画ですよ!2015年の「龍三と七人の子分たち」。元ヤクザのおじいちゃん達と半グレ集団の抗争で銃弾に倒れた中尾彬さんが演じていたじいちゃんの死体を弾除けにするというブラックユーモアですね。今の時代ってコンプラとか自主規制で地上波ではまず写せない表現ではあるけどR指定の映画だからこその場面なんですよね。いや〜、不適切不適切にも程があるのは重々承知ですよ、それでもやっぱりこういう描写って笑いのツボを刺激されるんだよなぁ。それからここのシークエンスで言えば銃撃戦の中で日本刀でバサバサとなぎ倒していく更には市街地ならではの格闘で停車しているバスの使い方も良かったですね!敵の集団がバスのフロントガラスを突き破り車内へ。バサバサと切り裂いた敵のボディから噴出する血の色でバスの車窓を真っ赤に染めていくなんてR指定映画だからこそなんですよね。あ、グロいの苦手な方、ごめんなさい。

後は音楽も良かったですね。前述のイン・シンクアヴリル・ラヴィーン更にはマドンナまで。このBGMすらメタネタに盛り込んでしまうというセンスも含めてサイコーでした!

不適切にも程がある下品なエンタメ、求めていませんか?刺激を欲するあなたには是非オススメです!でもグロいのや下ネタが苦手、汚い言葉を聞きたくないという方には決してオススメしません!後、良い子は絶対に見ないで下さいね!

僕と趣味が合う方はハマります!是非劇場でご覧下さい!