きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

IT イット/THE END 'それ'が見えたら、終わり。

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スティーブン・キングの小説「IT」を映画化し、世界各国で大ヒットを飛ばしたホラー「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にして完結編。前作から27年後を舞台に、ビル、ベバリーら大人になった「ルーザーズ・クラブ」の面々が、再び「それ」と対峙するさまを描く。小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが……。大人になったルーザーズ・クラブの面々を演じるのは、ビル役のジェームズ・マカボイ、ベバリー役のジェシカ・チェステインら。監督は、前作から引き続きアンディ・ムスキエティが務めた。脚本も、人気ホラー「死霊館」シリーズも手がけるゲイリー・ドーベルマンが続投。
(映画.comより)

あの『IT』が帰ってきました。
思えば2017年11月。
僕がラジオでのシネマレビューを始めたかなり初期に前作は取り上げましたね。
確かその時にもお話ししましたが、いわゆるホラー映画ではありますが、ただピエロのペニー・ワイズの恐ろしさを打ち出しているだけではなく、少年少女達の成長ストーリーにも焦点を当てたスタンド・バイ・ミー的要素の強い作品という印象でした。
あれから二年。
果たして新作はどの様に僕の目に写ったのでしょうか?

まず前提としてお伝えしなければなりません。
これは前作を見た上で初めて理解出来る内容です。
前作に登場していたルーザーズ・グラブの面々はこんな大人に成長したのか~というところから始まるストーリーです。
さすがにそういう人は少ないとは思いますが、もしこの作品を鑑賞予定で前作末見の方は今すぐにでもDVDをレンタルする事を強くオススメします。

前作は殺人ピエロであるペニー・ワイズをホラーアイコンとして登場させ、このペニー・ワイズの恐ろしさを全面的に出していたわけですが、この新作ではよりエンタメ要素を強めていたなというのが僕の印象です。
というのがペニー・ワイズ以外にも恐怖を煽る事象が次々と大人になったルーザーズ・クラブを襲いかかるんですよ。
そしてそれはメンバーが久しぶりの再会を果たしたチャイニーズレストランのシーンから早速始まります。
久々の再会に近況や思い出話し等に花が咲き、和気藹々と楽しむ中、ある事をきっかけに空気が一変し、その後は阿鼻叫喚のホラーシーンへと誘われていく。
いや~、相変わらずの『IT』ワールド全開だ~と恐怖を感じつつもテンションが上がるんですよ!
そしてその後も次々と彼らを襲う恐怖の数々。
その一方、過去の彼らすなわち前作の舞台となった頃の回想シーンも挿入されていくんです。
そこで出てくるのは過去のトラウマとの対峙。
人は幼少時~思春期において何かしらの失敗から恐怖心や苦手意識が生まれたりするもの。
かく言う私も授業中に居眠りし、その際大きなおならをし、周囲の同級生から冷やかされた事に深く傷ついたものです。
今にして思えば「あっ、やっちゃった。てへぺろ」で済みそうな話しなんですが、当時の俺にそんな心の余裕なんてなかったわけですよ。
て何の話しさせんだって事を自分でカミングアウトしたんですが、僕みたいに後に振り返れば大したことないものから一生の傷として残ってしまうものなど大小あるでしょうが、そのトラウマがひとつのテーマになっているんですよ。
ルーザーズ・グラブのメンバー達は過去のトラウマとどの様に向き合うかは是非見て頂きたいと思います。

さて、本作。
169分とかなり長尺。
ホラー映画としてはかなり異例ではないかと思います。
前作はここ日本でも大ヒットしましたし、全世界の人々がペニー・ワイズに戦慄をおぼえたわけです。
世界中のITファンへ向けた大サービスといったところでしょうが、やはりCGの使い方が絶妙なんですよ。
前述の中華料理屋のシーンもそうですし、公園の巨人像が動き出す辺りなんかはなかなか迫力あります。
そしてペニー・ワイズもCGによってまさかの動き?
きっと前作が大ヒットしたから制作費もふんだんに使える様になったのでしょう。
なんて邪推をしてしまいましたが、でもね~、個人的にはそこが残念なポイントでもあるんですよ。
前作での良い意味でのB級くさい感じ。
あれが僕は好きだったんですよ。
それに前作ではペニー・ワイズがとにかく大暴れするのに対し、本作ではとにかく欲を出しすぎてる感があるんですよね。
面白くしようという心意気は買いますが、散漫になってしまった感が否めない。
ペニー・ワイズのCGもかえって安っぽくなってしまったな~。
後、ペニー・ワイズがスタジアムでアレした女の子はどうなったんだろう?
前半かなり登場してたのにその後あまりに報われないまま出てこないんだもんなぁ。

まぁまぁあれやこれやとは言いましたけど、息つく暇も与えない169分だったのはさすがでした!
晩秋にホラーというのもまた一興ではないですか?
是非劇場で恐怖体験をして下さい!