きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

鋼の錬金術師

f:id:shimatte60:20171220195836j:plain

2001~10年に「月刊少年ガンガン」で連載され、テレビアニメ版も大ヒットを記録した荒川弘の人気コミック「鋼の錬金術師」を実写映画化。物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界。幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償としてエドワードは身体の一部を、アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つという「賢者の石」を探す旅に出る。主人公エドワード役を実写版「暗殺教室」シリーズにも主演した「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が務め、ヒロインのウィンリィ役を本田翼、エドワードたちの良き理解者である若き士官マスタング役をディーン・フジオカがそれぞれ演じる。監督は「ピンポン」の曽利文彦
(映画.com より)

SNSの普及は映画の興行をも左右するのだなとよく感じます。
良い内容であれば拡散されて大きなヒットを生み出す。
去年の『シン・ゴジラ』、『君の名は。』、『この世界の片隅に』はまさにそんな拡散が産み出したヒットという印象が強いですね。
その反面、粗悪な内容であればこれまた拡散されて興行面でダイレクトに影響を及ぼす。
もっか公開中の『鋼の錬金術師』は公開初日こそ原作ファン等が大量に押し掛け大盛況だったものの悪評が広まるや動員も大幅に落ち込み、正月映画でありながら果たして年を越せるのか冷や冷やな状況の様です。地元のシネコンも夜一回に上映が削減されてたりします。

そんな折、ハガレン原作未読のワタクシですが、果たしてどんな作品なのか興味本位で先日鑑賞。
上映が打ち切られる前にとりあえず見ておこうという感じですね。

それではいつもの様に感想タイムでございます。

正直日本の映画界において漫画原作のアクション映画はかなり消化されきった感はあります。
少々CGに力入れてるという程度では我々鑑賞する側も十分な満足は得られなくなってます。
つまり表面的なものにプラスして付加価値が求められてる段階かと思うのですが、そこは製作者の腕の見せ所といったところでしょう。

今年の作品で言えばその点をクリアした作品といえば『銀魂』や『亜人』が挙げられます。
アクションシーン、カメラワーク、役者の演技更に脚本や演出などが実に見事に作り上げられ、魅了されました。
興行収入の数字も物語っていると思います。

ところがそれ外してしまうと目も当てられない事になってしまうのは『進撃の巨人』や『テラフォーマーズ』が過去に証明してくれてるので言わずもがなでしょう。

さて、このハガレン
事前の悪評は目にしてたので思い切りハードルを下げて見たのですが、聞きしに勝る歴史的駄作になってしまってました。
あまりに酷すぎて寝てしまいましたよ、体調は万全だったのにね(笑)
内容さえよければ仮に寝たとしてもリベンジ鑑賞に挑む気にもなるのですが、そんな気にさえならない残念さでして『進撃』や『テラフォーマーズ』に匹敵するレベルかなと感じました。

まず世界観が日本人キャストに合わなさすぎる。
どう見てもヨーロッパぽい町並みと登場人物を全て日本人だけでやるという時点で無理があってその世界観に入り込めませんでした。
主要キャストのみならずエキストラも全て日本人ですからね。
東洋人の顔立ちなのに髪の色だけ赤毛がズラズラっと並んでる光景を見たらどこのコミケで撮ってんだ?とツッコミまくりでしたよ。
もはや映画という名を借りたコスプレショーかと思いました。

CGとかアクションは悪くはなかったですよ。
ただ、前述の『亜人』が記憶に新しいだけにどうしても霞んでしまう。
松雪泰子さんの存在感は際立っててよかったと思いますが。

他に印象的なものはあるのか?と言えばはっきり言ってないです。

本田翼ちゃんが可愛かったという程度の感想なら出ますがもはや映画としての論ではありませんからね(笑)

舞台設定や作風に無理がありましたね。
主演の山田涼介くんだけならともかく小日向文世さんや國村準さん、大泉洋さんといった存在感のある名優を持ってしても補えきれなかった部分はありますからね。

漫画原作の実写版は原作ファンへ訴求したものであると同時に原作未読の新規ファン開拓という側面を併せ持ってるものでもあります。

その意味においては何とも残念な作りになってしまったのは否めません。

それにしても酷い映画なら酷い映画なりに色々ツッコミたくなったりするものですが、本作においてはそんな気にすらならない。

ブログ内容が酷くなるのもお察し下さいませ(笑)

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwith レジェンドライダー

f:id:shimatte60:20171220161548j:plain

仮面ライダー」シリーズ作品がクロスオーバーする「MOVIE大戦」シリーズの流れを汲む、平成ライダーが共闘する劇場版「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」の第2弾。2017年9月から放送を開始した「仮面ライダービルド」と、その前作として17年8月まで放送された「仮面ライダーエグゼイド」を中心に、「仮面ライダーオーズ」「仮面ライダーフォーゼ」「仮面ライダー鎧武」「仮面ライダーゴースト」という平成シリーズ6作品からライダーが集結する。スカイウォールという巨大な壁で3つに分断された仮面ライダービルドの世界に、エグゼイドの敵であるバグスターが出現。正体不明の敵に対し、仮面ライダービルド=桐生戦兎は為す術がない。一方、エグゼイドの世界でも同じ現象が発生し、スカイウォールのある世界が地上へと迫っていた。
映画・com より


昨年TOHOシネマズでゲットしたフリーパスを手に普段鑑賞しない映画を見ようと興味本位で鑑賞した『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』。
パックマンとのコラボも斬新ですっかり虜になってしまったこのワタクシ。
今年も大きなお友達と化して見て参りました!『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FINAL  ビルド&エグゼイド with レジェンドライダー』です。

思えば去年、仮面ライダーを見てきたと友人に話したところ、「え~、子供ばっかりやろ~?」なんて呆れられたものですが、例えば「アベンジャーズを見てきた」とか「ジャスティスリーグを見てきた」と話した場合、同じ反応をしますか?
強いヒーローが集まり敵と戦うアクション映画という視点で見た場合、つくり自体は同じですからね。何ら恥ずかしい事はありません。
現に僕以外にも大きなお友達の姿はちらほらと散見出来ました(笑)

それにしてもライダーがズラッと勢揃いするシーンは圧巻ですね!
まさに豪華絢爛、横並びでバイクに乗ってるシーン等見所満載ですよ!

今作には6人のライダーが登場するのですが、注目はやはり福士蒼汰演じるフォーゼではないでしょうか?
今やすっかり売れっ子の福士くんですが、まるで自分の実家に帰ったかの様にいきいきとした演技をしていました。
髪型もキメッキメでしたね(笑)

また、そんな福士フォーゼの母校で教師を勤めるアンガールズ田中さんも良い味だしてましたね。
基本コメディ要員としての配役なのですが、学校が襲撃された際には身を呈して生徒を守ろうとする男らしい一面を見せたり。
バラエティの田中さんしか知らない人なら見直しちゃいそうです。(役とはいえね・笑)

そして今回悪役を演じたのはあの大槻ケンジさん。
筋肉少女帯のボーカリストであり、独特なキャラクターで人気を博したあのオーケンさんです!
そのオーケンさんの顔立ちとメイクは悪役にピッタリ!
日本のアクション映画はこれまで何でこんな素晴らしいキャストを逃してきたのか不思議でならない程のはまりっぷりでした!

さて、仮面ライダーと言えばウルトラマンと並ぶ国民的ヒーローなのですが、こんな事を思った事はありませんか?

彼らは何で戦うのだろう?

と。
特に目に見える形で人から評価されるでもない、怪人を倒す事でギャラが発生するなど物質的金銭的な見返りがあるわけでもない。なのに何で自分の時間を犠牲にし時には命をも賭して戦うのか?

そんな答えがこの作品には詰まっています。
それは各ライダーそれぞれに答えがあります。
しかし総じて言えばそこに敵がいるからであり困っているからでありそして何より仮面ライダーとしての使命だからなのです!

そんな深いテーマが盛り込まれており、大人もうなる様な内容でした!

更にエンドロールも印象的でして、歴代ライダー達の主題歌がメドレーで流れます。
こういうのは好きな人にとってはたまらないでしょうね~。
最後の最後までファンサービスに徹した作品作りも好印象でした。

それにしても「FINAL 」と銘打ってるという事は来年からはどんな展開になるのでしょうか?
今回の福士蒼汰くんの様に佐藤健くんとか菅田くんを起用したら更に注目度高まるかもしれませんよ、東映さん?

探偵はBARにいる3

f:id:shimatte60:20171215211123j:plain


札幌ススキノを舞台に事件を解決に導くハードボイルドなバディシリーズ3作目。監督はこれまでの橋本一から吉田照幸(『あまちゃん』、『疾風ロンド』)に交代。そして脚本は過去作同様に古沢良太。ヒロイン・マリ役を北川景子が演じる他、前田敦子、志尊淳、リリー・フランキーなど充実した初参加陣に加え、田口トモロヲ松重豊安藤玉恵などのレギュラー脇役陣も存在感を発揮しています。


さて、過去二作同様劇場鑑賞してきたワタクシ。すっかりこのシリーズのファンと言っても過言ではありません。


北の繁華街、札幌・ススキノのネオン街。
ニッカウイスキーの巨大ネオンとタイトルバック、そしておなじみのテーマ曲が流れると「お~、きたきた!」といやがおうにも気分が盛り上がります!

そんな本作ですが、冒頭で広がる北の大雪原の光景に目を奪われます。
はちみつぱいという絶妙な選曲と共に雪原を走る一台のトラック。
北国の雪景色と共に一気に作品の世界へ誘ってくれます。
しかし、そんな光景の中、戦慄が走ります。
雪景色を舞台に殺人事件が起こるのです。


ところ変わってススキノのとあるキャバクラ。遂に本作の主人公・探偵と助手の河野が登場。
どうやらここでも何やら事件が。
と言ってもここでの事件は実にくだらないです。
キャバクラのお姉ちゃんのオッパイを揉んだのは誰か探偵は持ち前の推理力をもってあっさりと事件は解決します。

くだらない、実にくだらないです!
でもそこがたまりません!
なぜならそれがこの作品の世界観でもあるからです。
シリーズ初見の人でもすぐに作品へ投入する事が出来る。
実にわかりやすい構図ゆえに作品としての掴みはバツグンです!

そして本作が始まると次々に登場してくる個性豊かな面々。
印象的なキャストをピックアップしていきますとまずこの人ほどうさんくさくまずお近づきになりたくないくせ者を演じさせたら右に出る者はいないのでは?と思わせる悪役のリリー・フランキー
これまで数々の映画でのっぴきならない厄介者を演じてきましたが、今作ほどリリーさんのキャラクターに合致する役もないのではと思わせる演技力は素晴らしかったです!
ダーティー面においてはピカイチなリリーさん。
この人は良い人を演じたらメチャクチャいい人だし悪役を演じたら徹底したワルになるんですよね。
決して本業じゃないのにね(笑)

志尊淳くんのアクションも見ごたえありました!
志尊くんと言えば『帝一の國』とか現在公開中の『覆面系ノイズ』の様などちらかと言えば女子受けするアンニュイなイケメンイメージが強いのですが、元々は戦隊モノ出身ですもんね、アクションうまいわけだ!
古巣東映だけに彼のうまい使い方を心得ていたのでしょうかね。

そして何と言ってもヒロイン・マリ役を演じた北川景子さん。
本作を端的に現すなら北川景子劇場とでも言うべきかとにかくそれだけ存在感が際立ってました。
本シリーズのヒロインの特徴というと悲劇的もっと言えば破滅へ向かうヒロインという印象でして一作目の小雪さん、二作目の尾野真千子さんといずれも魅力的なのですが、最終的には復讐そして悲劇~破滅へと転じていきます。
今作の北川景子さんも同様でしてススキノの街を当てもなくさまよっていた薄幸の女性~モデル事務所の敏腕経営者そして破滅へと突き進んでいきます。
しかし、破滅という共通性はあるものの自ら死を選んだ一作目のヒロイン、破滅へ向かうも大泉洋演じる探偵によって踏みとどまった二作目のヒロインに比するとこの三作目のマリはあるところでは尤も悲劇性に富んだヒロインといえます。
その辺りはネタバレになるので控えますが、この波乱万丈に満ちた女性を演じる北川景子がとにかく美しくも繊細で儚い。
そんな北川景子さんを見るだけでも価値のある内容だと思います。

また、札幌市長も登場したり北海道日本ハムファイターズ栗山秀樹監督も登場したりと地域一体での映画つくりに共鳴します。
いいですね、ご当地映画って。


しかし、その一方やはり気になる部分というのはありまして手放しでこの映画を称賛出来ないのも確かです。

本シリーズの特徴といえばハードボイルドとか男くさいとか色々ありますが、突き詰めていけば「エロ・グロ・ナンセンス」なんです。
適度にエロくて程よいグロさがあってバカバカしい程のナンセンスさ。

ナンセンスなコメディとしての部分は悪くなかったです。
そこはコメディを得意としてきた監督を起用した良い部分が活かされたと思います。

しかし、エロさやグロさがまるっとそぎおとされてしまったんですよね。
というのもこれまではPG-12指定、つまり小学生以下のお子さんは必ず保護者同伴が義務づけられていたわけです。
ところが本作はPG-12の指定を外した…という事は幅広い層に見てもらう為にハードな描写を削らざるを得なかったという事情があります。
確かに門戸を広げたい気持ちはよくわかります。
しかし、そもそもこの作品の主要な客層は大人メインでしょ?
しかも割とディープな志向の強い人が多そうなイメージなのですが…。
徹底して「エロ・グロ・ナンセンス」にこだわってコアな層に支持される唯一無二な作風をつくり上げた方がよっぽど理にかなってると思うんですよ。

確かに見やすくはなってるけど従来からのファンには物足りないんじゃないでしょうか?


と一ファンから苦言を呈してみました。
次作は原点回帰の探偵ワールドを期待してますよ!

ジャスティスリーグ

f:id:shimatte60:20171201211640j:plain

バットマンワンダーウーマンなど、DCコミックのスーパーヒーローが結集して戦うアクション超大作。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で描かれた、自らの命を賭して地球の危機を救ったスーパーマンの行動によって、人類への信頼を取り戻したバットマンが、迫りくる強大な敵に立ち向かうため、ワンダーウーマンとともに新たな仲間を探していく。そうして集まったのは、バットマンワンダーウーマンに加え、アクアマン、サイボーグ、フラッシュという、いずれも一筋縄ではいかない個性の強い超人たち。バットマンは彼らをまとめあげ、地球崩壊の危機に立ち向かわなければならないが……。出演は、バットマンブルース・ウェインを演じるベン・アフレックのほか、単独映画「ワンダーウーマン」が大ヒットしたワンダーウーマン=ダイアナ・プリンス役のガル・ギャドットら。
映画・com より


DCEU版アベンジャーズともいうべき『ジャスティスリーグ』。遅まきながら見て参りました!
実は本作を見るにあたっていささか不安がありまして…。
というのもワタクシ、バットマンが登場する映画と何かと相性が良くないんですよね。
更に言えば近年のバットマン映画ですかね。
ダークナイト』シリーズにしろ『バットマンVSスーパーマン』にしろあのダークで重い作風が苦手でして今作にもややそれがハードルになっていた部分があります。
そもそもバットマンていつからあんな暗い作風になったんですかね、昔はもっと明るかったハズなんですが。


そんな私の不安を吹き飛ばすかの様に蓋を開けてみたら何ともポップに仕上がっており、ひたすら作品に没頭する事が出来ました。

ただ、この作品なんですが、これという粗もなければ特筆すべき鑑賞ポイントもない。
だからといって残念な映画というのではなく、むしろかなり面白かったです!

結論としてはストーリーがシンプルでわかりやすい。
そして余計な脚色などもされていない。
これほどまでに端的にシンプル・イズ・ベストという言葉が合致する作品もないのではないかと感じた次第です。

まず、ざっくり言ってしまえばスーパーマンが死んでしまってからの世界が舞台。
スーパーマンの死については『バットマンVS スーパーマン ジャスティスの誕生』に明るいのでここでは割愛しますが、要はこれまでスーパーマンによって保たれていた秩序が崩壊し、悪の手がはびこりそして立ち上がったのがバットマンジャスティスリーグだったというわけです。

バットマンが集めていった超人達というのはどれも個性派揃いで来年公開が決定しているアクアマンをはじめ今後単独作も作られていくのでしょうが、中でも印象的なのはフラッシュ。
彼は一見ぱっとしないコミュ障なオタク青年なんです。
戦闘においては特に戦力になるのではなく、むしろ非力なキャラなのですが、バットマンワンダーウーマンらが持ち前のアクションで格闘を繰り広げる中、瞬間移動という特殊能力で捕らわれた人々を助けるというスキルを見せます。
他メンバーとどこかぎこちなく接しますが、なかなかユーモラスで見所あるキャラクターでした。
そんなフラッシュをスカウトするのがバットマンことブルース・ウェイン
キングスマン』や『スパイダーマン ホームカミング』に共通する様な非力な青年の育成要素として特徴的な場面でもありました。

ワンダーウーマンの活躍は相変わらず見事でした!
今年8月に公開された『ワンダーウーマン』によって世の男性達のハートを鷲掴みにしたワンダーウーマンことダイアナ。
単独作での活躍がまだまだ記憶に新しい中で公開された本作。
う~ん、実にタイミングが良い!
ワンダーウーマン』で虜になってしまったワタクシも実はこのワンダーウーマンの登場を楽しみに本作鑑賞へのモチベーションを高めていたものです!
ワンダーウーマン』では強くて美しいだけどちょっぴり天然系という萌えヒロイン要素たっぷりだった彼女も本作ではかなりキレモノのデキる女。
そして一癖も二癖もあるジャスティスリーグメンバーをまとめるお姉さんの様なはたまたお母さんの様な存在として楽しませてもらいました!

そして後半には何とあの人が登場します!

最強で個性的なメンバーで固められたジャスティスリーグなのですが、とにかく歯が立たない敵。
そして助っ人として呼び寄せられたのがあの人なのですが。

そしてあの人はとにかく強い!
前半のジャスティスリーグメンバーの奮闘ぶりは何だったんだ?というほどあの人は無双です。

そう、最終的にこの映画はあの人の強さを再証明する為、ジャスティスリーグメンバー達はあの人を呼び起こす為の最強の前座だったのではないか?

そしてあの人を加え、新たな展開を広げるためのいわば壮大なエピローグだったのだ~と。

そしてそんな期待を抱かせながら次作へ持ち込んでいくDCEU の見せるエンタメ性にただただ感嘆し鑑賞を終えたワタクシなのでした。

ちなみに本作は元々180分くらいの上映時間だったものを編集して120分にまとめたとの事ですが、賢明だと思います。
コンパクトにまとめられテンポも良く飽きさせない作りとなっていたので最後まで実に気分良く鑑賞する事が出来ました。

いよいよ本格化する正月商戦を前に『ジャスティスリーグ』の鑑賞はオススメですよ!

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

f:id:shimatte60:20171201200311j:plain

1990年に映像化されたスティーヴン・キングのホラー小説を、『MAMA』で注目を浴びたアンディ・ムスキエティ監督が映画化。静かな田舎町に突如現れた正体不明の存在が、人々を恐怖に陥れるさまが描かれる。『ヴィンセントが教えてくれたこと』などのジェイデン・リーバハー、『シンプル・シモン』などのビル・スカルスガルドをはじめ、フィン・ウォルフハード、ソフィア・リリスらが出演。

とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが……。

シネマトゥデイより


11月3日に日本公開され、高推移をキープし続け三週目に動員ランキング1位に輝いた話題のホラー映画『IT』。
後れ馳せながら先日鑑賞して参りました。
その日は祝日という事もあって多くの人で賑わっていたシネコン
本作も9割方の客席が埋まるという賑わいでしたが、驚くべき事にそのほとんどが10~20代の若者。
老若男女ならぬ若男女で埋められた劇場に突撃したアラフォー男。
さて、どんな作品だったのでしょうか。

本作は言うまでもなくホラー作品です。
ホラーと言えばやはり恐怖の対象と言うべきジェイソンや貞子の様なホラーアイコンが当然登場するわけですが、本作はピエロです。
ピエロと言えば遊園地やサーカスの人気者というイメージですが、そんなピエロ見ようによっては凄い不気味な存在だと思いませんか?
例えばあなたが夜道を一人で歩いているところ、背後からピエロが迫ってきたら滅茶苦茶怖くないですか?
それもアメリカで起こった殺人事件のイメージも起因してるのですが、本作はそんな殺人ピエロをモデルにしており本作に登場するピエロ・ペニーワイズはただただ怖いです。

冒頭では幼い兄弟のエピソードが始まります。
雨の日に兄が作った船を雨水に浮かべながら遊ぶ弟。
ふとした不注意から船は道端の溝に入り込んでしまいます。
何とか溝から船を取り出そうとするのですが、そこに現れるのが件の殺人ピエロ・ペニーワイズです。
そして幼い弟が犠牲になる様子はグロテスクな描写ゆえ胸を締め付けられる様な痛々しさを感じます。


その後は冒頭の兄弟の兄が仲間と共にペニーワイズと対峙する展開が中心となるのですが、彼らはクラス内においては決して満足な生活を送れていないいわゆるスクールカーストの下層部にいる子供達です。
乞音の症状があったり喘息持ちで病弱な子であったりヒロインの女の子も父親と確執があり、学内でもあらぬ噂を立てられていたり、転校してから友達も出来ず本ばかり読んでいるでぶっちょな少年も居たり。

そんな彼らはいつもいじめっ子にも目をつけられいじめの標的になります。
このいじめの描写も生々しく顔をしかめてしまいます。
ナイフで腹を切り刻んだりともはやいじめの範疇を超えてるので見ていて胸糞悪くなります。
このいじめる連中の思考はひたすら下劣で銃の練習台に猫を捕まえて標的にしたりする根っからのクズでありクソガキです。
そんな奴らですから当然報いを受けなければならない。
しかしその点はなかなか良く描かれており彼らはペニーワイズによりそれ相応の裁きが下されます。
あ~、よかった。このクズヤローと主人公の少年達の共通の敵がペニーワイズで最終的に共闘するという展開だったらかなり萎えるところですよ(笑)

ちなみに本作はホラーであると同時に少年達の成長ストーリーでもあります。
それぞれが心に闇を抱えながらもペニーワイズと恐怖対象との対峙から生まれる友情や強者へ向かっていく強さそして逞しく成長するまでの過程が丁寧に描かれており思春期を通り越した人であれば共感性が生まれる作品なのではないでしょうか?
スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』等に相通じるものがあります。

多少のご都合主義ややや上映時間が長いという感も否めませんが、作品自体は非常に良かったです。

決してグロすぎずカタルシスも生まれる作風が若い子に人気なのかな?と思いました。
早くも続編が予定されているそうなので今から期待が高まっております。

マイティー・ソー バトルロイヤル

f:id:shimatte60:20171123175541j:plain

マーベルコミックのヒーローが集う「アベンジャーズ」シリーズにも参戦している、クリス・ヘムズワース扮する雷神ソーの活躍を描いた「マイティ・ソー」シリーズ第3作。人工知能ウルトロンとアベンジャーズとの戦いから2年、アスガルドを追放された父オーディンを捜しにニューヨークへやってきたソーだったが、突如として現れた強大な敵ヘラによって宇宙の果ての惑星に飛ばされてしまう。その星で行われていた格闘大会に出場させられたソーは、対戦相手として盟友ハルクと再会。危機を乗り切った2人はヘラを倒すためアスガルドへ向かい、わけありの女戦士ヴァルキリー、そして宿敵であるロキも仲間に加え、チームを組んでヘラに挑むが……。ソー役のヘムズワースのほか、義弟ロキ役のトム・ヒドルストン、父オーディン役のアンソニー・ホプキンスらが続投し、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・カンバーバッチも出演。ヘラ役は、オスカー女優のケイト・ブランシェットが演じている。ニュージーランド出身でコメディアン、俳優、映画監督と幅広く活躍し、「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」で注目されたタイカ・ワイティティがメガホンをとった。
(映画・com より)


担当しているラジオ番組のコーナーと連動して更新しているのですが、今回はコチラ!
『マイティー・ソー バトルロイヤル』です!

実は私、これまでのシリーズ作は見ていなかったので本作鑑賞にあたって過去二作を見て予習、その後『アベンジャーズ』二作を復習し鑑賞にあたりました。

過去二作はニューヨークを舞台に襲撃する敵と戦ってきましたが、本作はソー(クリス・ヘムズワース)の故郷であるアスガルドそして敵キャラ・ヘラによって飛ばされてしまうサカールという惑星が主な舞台となります。

そんな本作ですが、まずふんだんに使われているCGでの映像がキレイ!
二回目を3Dで鑑賞した理由もそこにありましてゲスト的に登場するドクターストレンジ(ベネディクト・カンバーバッヂ)が繰り出す魔術もより立体的で実に見ごたえがありました!

また、本作でも登場するソーの義弟・ロキ(トム・ヒドルストン)。
どこかしらユーモラスでソーと繰り広げる笑いを誘うやり取り。
元々敵キャラでありながら愛すべきキャラでもあり、やっぱり憎めない。
いまやシリーズ通してなくてはならないキャラクターですね。

また、本作での敵キャラとして登場した死の女神・ヘラ。(ケイト・ブランシェット)
一見デビルマンを思わせる様な風貌でありながら何とも美しい‼
ケイト・ブランシェットだからこそハマる妖艶でありながらも滅法強いキャラクターでソーの武器であるムジョルニア(ハンマー)をいとも簡単に破壊してしまうという強さ。
第一作目では土中に埋められたムジョルニアを取る為、トラックにロープを結び強引に取る様試みるもハンマーは取れずトラックの荷台がぶっ飛ぶというシーンがあり、それを知ってるならばかなり衝撃を受ける事でしょう。
そんなヘラですが天海祐希さんが吹替をされてます。
天海さんといえば『ミニオンズ』(2015)でのスカーレット・オーバーキルの名演を思い出しましたが、美しき悪役を演じさせたら右に出る者はいないのでは?と思わせる程のはまり役。
今後も吹替のニーズは高まる女優さんかと思います。

主人公であるソー。
サカールに飛ばされバトルロイヤルへ出場させられてしまうのですが、対戦相手は何とアベンジャーズで共に戦うあのハルクです。
ハルクが対戦相手とわかった時のテンションの高まりが何となく微笑ましかったりもします。
そんなソーですが、戦闘シーンに入るとやはり強い‼
冒頭鎖に繋がれたソーが鎖を解き、ザコキャラをバサバサとなぎ倒していく時のアクションシーンは高揚感をいやがおうにも高めてくれます!
今回はトレードマークだった長髪もバッサリ切り短くなるのですが、男前ですな~!
女性ファン必見ですよ(笑)
ちなみにこの短髪はクリス・ヘムズワース自らの提案だそうです。
これまでからの変化を求めてという事みたいですよ。

また、本作で使用される音楽も私好みでもありまして前述の冒頭でのソー無双シーンではレッド・ツェッペリンの『移民の唄』。
また、随所に散りばめられた80sっぽさも印象的でしてピコピコしたテクノポップが使われていたりハルクへ変身するブルース・バナーが着用しているTシャツがデュラン・デュランのアルバムのジャケットであったりとか。
作り手の80sオマージュに思わずニヤリとさせられてしまいます。

エンドロール後にも思わぬ映像が。
ソーとハルクが戦わせられるバトルロイヤルを支配する胡散臭いグランドマスターが途中から姿を消してしまいます。
「あれ?どこに行ったの?」と思ったら意外なところから登場。
案外次作あるいは来春公開の『アベンジャーズ』最新作への引きだったりして?


と今後の展開を期待させる演出も見逃せない『マイティー・ソー バトルロイヤル』
オススメですよ!

ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~

f:id:shimatte60:20171116154456j:plain

あらすじ
物語の舞台は2002年。料理人として、人生最後に食べたい料理の依頼を受けていた佐々木充。彼は麒麟の舌の持ち主と言われ、一度食べた味を再現することができる天才的人物だが、独善的な性格ゆえに従業員や客との信頼関係を結べず自身の経営する料理店を閉店に追い込み多額の借金を返済する為に最後の料理人としての仕事をしていた。
あるとき、中国の料理人・楊清明から1930年代に宮廷料理人をしていた山形直太朗が完成させた伝説のレシピ「大日本帝国食菜全席」を完成させてほしいと依頼される。
その後、戦争を経て「大日本帝国食菜全席」の存在は闇に葬られてしまう。
多額の謝礼の元、依頼を引き受ける事になった佐々木。
山形直太朗に関わりのある人物からの話しを元にレシピ復元に動く佐々木だが、意外な事実を知らされる。

おくりびと』などの滝田洋二郎監督と『母と暮せば』などの二宮和也が初タッグを組む料理を題材とした感動大作。西島秀俊宮崎あおい綾野剛竹野内豊等豪華キャスト陣が共演し、異なる時代に生きた二人の天才料理人の生きざまを描きます。


さて、目下大ヒット中の本作ですが、どんな作品なのでしょうか。ブログという鍋で私が料理してみたいと思います。どうぞ召し上がれ!


さすが料理を題材としてるだけあって出てくる料理が全て美味しそうです。
まず、冒頭で登場するのは半熟卵のオムライス。
最後の料理人としてとある病人の元へ出向き生涯最後に食べたい料理を提供する為に佐々木は腕を奮うのですが、調理のシーンでは野菜を細かく刻み肉を炒めます。
フライパンにはふんわり半熟の卵。
そして柔らかく包み込みデミグラスソースをかけオムライスは完成。
炒める時の香ばしい香りであったりデミグラスソースの香りであったりスクリーンからはその匂いが漂ってきそうです。
はてはその食感や味まで口の中で広がりそう。
それほどこのオムライスが生きた料理として映し出されます。
また、山形直太朗が作る数々の独創的な料理の数々が何とも魅力的です。
ロールキャベツにおもちを入れ、雑煮風にしたもの。
鮎の塩焼きに衣をつけ春巻きにした料理ではスイカで作った特製ソースをかけて食べるというオリジナリティ溢れるもの等どれを取っても実に美味しそう。
更にパンフレットには作中に登場した料理の数々が写真入れで紹介されるだけでなくその調理方法まで載せてあり、本作での料理へのこだわりを強く感じさせてくれます。
しかし、しかしです!

テレビの料理番組を見るわけではありません。
美味しそうな料理をお金を出して見る価値はあるのか?だと思います。

そこはご心配要りません。
ストーリーもしっかりしてるので鑑賞後にはカタルシスが生まれる事は保証付きです!

冒頭、最後の料理人として料理を提供する佐々木ですが、褒賞として受けとるのは何と100万円!
一回料理を作るだけで100万円ですよ!
何の予備知識もなく見たので「もしやこれは料理版ブラックジャック?」なんて思っちゃいました。
言うまでもなく手塚治虫の名作『ブラックジャック』ですね。
もちろんこれはこれで面白そうですが、本作はあくまで現代と過去に生きた天才料理人の生きざまと二人を結びつけるストーリー。

という事でどの様に描かれているかというとズバリ‼
『永遠の0』です!
現代のシーンから伝聞を通じて過去へフラッシュバック。
そしてその時代、つまり本作では1930年代の満州国へと我々を誘ってくれます。
1933年、満州鉄道の機関車に乗った山形直太朗ら一行へと場面が切り替わる時は新天地へ懸ける山形らの高揚感が伝わる様なロマンに満ちた描写が印象的でした。
また、佐々木と山形に共通する点として独善的で他者を信用しない点にあります。
それがとある出来事を機に変化していく山形。
しかし、そんな山形に悲劇が待ち構えています。
人を受け入れ、人の為にと動く山形が最終的に日本の混乱が招いた泥沼に陥る様子には胸を打たれます。
おおよそ本作の2/3くらいは山形直太朗のシーンで構成されてるので実質的な主役は山形直太朗演じる西島秀俊さんか?と思う程。
その為、ニノを見たいという女性ファンはもしかしたら肩透かしかも?少なくとも中盤までは。

しかし、後半は二宮和也演じる佐々木収祭りとばかりに再び佐々木にスポットが当たる様に展開されていきます。
というのも山形直太朗と佐々木収の二人を結びつける核心にいよいよ迫っていくからです。
そして頑なに人を受け入れなかった佐々木にも変化が。
それを成長という言葉で表すにはあまりに小さな変化ですが、しかし確実に彼の心には新たな感情が生まれます。
それが最後の「うまい!」という言葉に要約されておりここに帰結させる事でこの作品が昇華された様でえもいわれぬエモーショナルな感情に揺さぶられます。

美味しそうな作中に登場した料理を目で楽しむエンドロール。
心の中で「ごちそうさま」と呟き劇場を後にしたのでした。

目も心も満腹にさせてくれる『ラストレシピ』。
見た後には美味しい料理を食べに行くのはいいでしょうね。
出来れば大切な人と見て大切な人と食事をするのが理想です。

えっ、私にとっての大切な人?

今このブログを読んで下さってるあなたです(何じゃ、そりゃ・笑)