きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

鋼の錬金術師

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2001~10年に「月刊少年ガンガン」で連載され、テレビアニメ版も大ヒットを記録した荒川弘の人気コミック「鋼の錬金術師」を実写映画化。物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界。幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償としてエドワードは身体の一部を、アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つという「賢者の石」を探す旅に出る。主人公エドワード役を実写版「暗殺教室」シリーズにも主演した「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が務め、ヒロインのウィンリィ役を本田翼、エドワードたちの良き理解者である若き士官マスタング役をディーン・フジオカがそれぞれ演じる。監督は「ピンポン」の曽利文彦
(映画.com より)

SNSの普及は映画の興行をも左右するのだなとよく感じます。
良い内容であれば拡散されて大きなヒットを生み出す。
去年の『シン・ゴジラ』、『君の名は。』、『この世界の片隅に』はまさにそんな拡散が産み出したヒットという印象が強いですね。
その反面、粗悪な内容であればこれまた拡散されて興行面でダイレクトに影響を及ぼす。
もっか公開中の『鋼の錬金術師』は公開初日こそ原作ファン等が大量に押し掛け大盛況だったものの悪評が広まるや動員も大幅に落ち込み、正月映画でありながら果たして年を越せるのか冷や冷やな状況の様です。地元のシネコンも夜一回に上映が削減されてたりします。

そんな折、ハガレン原作未読のワタクシですが、果たしてどんな作品なのか興味本位で先日鑑賞。
上映が打ち切られる前にとりあえず見ておこうという感じですね。

それではいつもの様に感想タイムでございます。

正直日本の映画界において漫画原作のアクション映画はかなり消化されきった感はあります。
少々CGに力入れてるという程度では我々鑑賞する側も十分な満足は得られなくなってます。
つまり表面的なものにプラスして付加価値が求められてる段階かと思うのですが、そこは製作者の腕の見せ所といったところでしょう。

今年の作品で言えばその点をクリアした作品といえば『銀魂』や『亜人』が挙げられます。
アクションシーン、カメラワーク、役者の演技更に脚本や演出などが実に見事に作り上げられ、魅了されました。
興行収入の数字も物語っていると思います。

ところがそれ外してしまうと目も当てられない事になってしまうのは『進撃の巨人』や『テラフォーマーズ』が過去に証明してくれてるので言わずもがなでしょう。

さて、このハガレン
事前の悪評は目にしてたので思い切りハードルを下げて見たのですが、聞きしに勝る歴史的駄作になってしまってました。
あまりに酷すぎて寝てしまいましたよ、体調は万全だったのにね(笑)
内容さえよければ仮に寝たとしてもリベンジ鑑賞に挑む気にもなるのですが、そんな気にさえならない残念さでして『進撃』や『テラフォーマーズ』に匹敵するレベルかなと感じました。

まず世界観が日本人キャストに合わなさすぎる。
どう見てもヨーロッパぽい町並みと登場人物を全て日本人だけでやるという時点で無理があってその世界観に入り込めませんでした。
主要キャストのみならずエキストラも全て日本人ですからね。
東洋人の顔立ちなのに髪の色だけ赤毛がズラズラっと並んでる光景を見たらどこのコミケで撮ってんだ?とツッコミまくりでしたよ。
もはや映画という名を借りたコスプレショーかと思いました。

CGとかアクションは悪くはなかったですよ。
ただ、前述の『亜人』が記憶に新しいだけにどうしても霞んでしまう。
松雪泰子さんの存在感は際立っててよかったと思いますが。

他に印象的なものはあるのか?と言えばはっきり言ってないです。

本田翼ちゃんが可愛かったという程度の感想なら出ますがもはや映画としての論ではありませんからね(笑)

舞台設定や作風に無理がありましたね。
主演の山田涼介くんだけならともかく小日向文世さんや國村準さん、大泉洋さんといった存在感のある名優を持ってしても補えきれなかった部分はありますからね。

漫画原作の実写版は原作ファンへ訴求したものであると同時に原作未読の新規ファン開拓という側面を併せ持ってるものでもあります。

その意味においては何とも残念な作りになってしまったのは否めません。

それにしても酷い映画なら酷い映画なりに色々ツッコミたくなったりするものですが、本作においてはそんな気にすらならない。

ブログ内容が酷くなるのもお察し下さいませ(笑)