きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

今日から俺は!!劇場版

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西森博之の人気漫画を賀来賢人伊藤健太郎の共演、福田雄一監督の演出・脚本で新たに実写化し、2018年に放送されて人気を博したテレビドラマの映画版。賀来、伊藤、清野菜名、橋本環奈らドラマ版キャストに加え、柳楽優弥山本舞香らが出演し、原作でも人気の高いエピソード「北根壊(ほくねい)編」が描かれる。1980年代の軟葉高校。転校を機につっぱりデビューした2年生の三橋貴志と同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司は、コンビを組んで次々とやってくる強敵を返り討ちにしていく毎日を送っていた。3年になったある日、かつて壮絶な戦いを繰り広げた不良の巣窟・開久高校の一角を隣町の北根壊高校が間借りすることになった。極悪高校で名の通った北根壊の番長・柳鋭次と大嶽重弘は、智司と相良という「頭」を失った開久の生徒たち相手に妙な商売を始める。一方その頃、怪しいスケバン・涼子が今井に近づこうとしていた。
(映画. Comより)

さて、今回は2018年にドラマが大ヒットし、話題となった『今日から俺は!!』の劇場版。
ドラマの映画版と言うとどうしても作品自体が軽く、コアな映画ファンからの評価が低くなりがちではありますが、ライトな層の娯楽作として手堅くヒットする商業面での重要なコンテンツなのでもあります。
とりわけ今年はコロナ禍により、映画館での客足が激減しているわけでして、感染症対策をしっかりとした上での観客の呼び戻しが必要なわけでもあります。
そこでこの『今日から俺は!!』なんですが、数々の作品が公開延期を決める中、当初の予定通り7月17日に公開。
なかなかの英断だったとは思いますが、これが目下大ヒット中!
久しぶりの興行収入10億円を越える等映画界に明るい話題を提供しています。
そして僕が見に行った7月23日。
4連休の初日でしたが、かなり多くのマスク姿の人達が劇場へ集まっておりました。
各劇場の感染症対策も取られた上でヒット作の公開。
久しぶりに映画館へ来たという人も少なくないかと思います。
思えば5月の緊急事態宣言解除後、映画館再開と共に劇場へ行った際は客足もほとんどなく、『天気の子』の再上映を貸しきり状態で見た事を思えば嬉しくもあり、同時にコロナは依然として猛威を奮っているので、そこに対する心配と一刻も早い収束を願うはかりです。

さて、前置きが長くなりましたね。
内容に触れていきましょう。
今日から俺は!!』実はドラマを見ない僕は全く予備知識なしで見ました。
とは言え、原作は僕が中~高校生頃に連載されていた人気漫画ですので、そちらは読んでおりました。
1980年代前半。
ツッパリと呼ばれたヤンキー達の話しでありながら、それまでのヤンキー漫画と一線を画すギャグを盛り込んでいたりと割とポップな作風。
そこに当代きってのコメディメーカー・福田雄一が脚本と監督をつとめるとなれば面白くないわけがない!
実際、劇場で見ていた老若男女のお客様からの笑い声が絶えませんでしたね。
マスクの下、皆で笑顔になってると思うといち映画ファンとしては非常に嬉しかったですね。
賀来健人・橋本環奈・そして佐藤二郎・ムロツヨシ等の福田組常連の安定感は流石ですね。
とりわけ佐藤二郎さんとムロツヨシさんのブレのなさですよ。
この二人登場するだけで笑みが浮かんできますね、もはや。
で、ギャグとシリアスの絶妙なバランス感覚も良かったですね。
もっともその辺りは『銀魂』というヒット作を持つ福田監督ですから、お得意なところなのでしょう。
とりわけバトルシーンなんかで言えば『クローズ』や『HIGH & LOW』シリーズを思わせる様な圧巻の作りとなっています。
なんて言えばこのテの作風が苦手な人から「あ、そっち系ね」なんて言われそうなので補足的に言っておきますね。
ヤンキー系にありがちな頂上目指すバトル系「てっぺん取ったるで!」系(造語・笑)と違い、勧善懲悪路線なんですよね。
悪いヤツはとことん、悪く見ていて不快になるんだけどそいつらを徹底的に懲らしめるって辺りにカタルシスを生み出すパターンですね。
で、その悪いヤツって辺りで言うと喧嘩にナイフを使うのはあかんでしょ!
『クローズ』でもありましたよ、刃物をちらつかせる奴を殴り、「俺達はこれだろ!」と拳を見せるなんてのが。
ヤンキーやバイオレンスを肯定的に語るなんてもっての他ですが、ヤンキー映画が何故ヒットするのかと言えば男同士の拳と拳のぶつけ合い。
凶器を使わないという彼らなりの美学が貫かれているからなんでしょうね。
ところがここではナイフという凶器を用い、自分より明らかに弱い人間を斬りつけるとかかなり痛々しいシーンもあるので、ここは好みが大きく分かれるでしょうね。
是か非で言えば自分は非ですね。
どんだけワルであろうと拳だけで戦うヤンキー映画の美学を貫いてほしかったな。
後、夏休みシーズン。
親子連れも多かったので、子供がショック受けるかなというのもありましたね。

なんて少々目につく部分もありましたが、福田雄一ワールドが今回もキラリと光る娯楽作品です。

改めて思いました。
劇場での映画鑑賞の醍醐味と言えばやっぱり集まったお客さんと一緒に笑いながら鑑賞する事だよな~。
でも皆さん、くれぐれも手指消毒とマスクは忘れずに!