志賀晃の同名ミステリー小説を映画化し、北川景子主演でヒットしたサスペンス「スマホを落としただけなのに」の続編。中田秀夫監督が再びメガホンを取り、前作に登場した千葉雄大演じるトラウマを抱えた刑事・加賀谷を主人公に、あの連続殺人事件から数カ月後の新たな事件が描かれる。長い黒髪の女性ばかりが狙われた連続殺人事件の解決から数カ月後。同じ現場から新たな身元不明の死体が発見された。捜査にあたる刑事・加賀谷は、かつて自分が逮捕した連続殺人鬼・浦野のもとへと向かう。獄中にいる浦野が口にしたのは、浦野が師と仰ぐ「M」というダークウェブ上に存在する謎の人物だった。一方その頃、加賀谷の恋人である美乃里に謎の男の影が迫っていた。前作に引き続き浦野役を成田凌が演じ、「乃木坂46」の白石麻衣が新たなヒロインの美乃里に扮するほか、鈴木拡樹、井浦新らが共演。前作の主役カップルを演じた北川景子と田中圭も特別出演。
(映画.comより)
あの名(迷？)作『スマホを落としただけなのに』の続編です。
公開から一ヶ月程経ちますが、前作に続いてのヒット。
それにしても世の中は不安なニュースが続いていますが、そういう時こそ明るい映画を見たくなる様なものなのですが、ダークな作品が続いてますね。
『パラサイト』、『犬鳴村』そして本作といった様に。
ある意味時代を反映しているのかも知れませんが、後年2020年前半のヒット映画のラインナップを見た時に「あの時の…」なんて思い出すのかもしれません。
さて、本題の映画についてですが、僕はこの『スマホを落としただけなのに』の前作はかなり好きなんですね。
2018年11月の公開当時に当ブログでもかなり熱く語った記憶があります。
で、最終的には突っ込みたい所もあったけど、しかしそれ以上に見応えのある良作だったと評しました。
そして最大のポイントとしては今や誰もが手にするスマホを落とした事によるリスクが非常にリアリティたっぷりに描かれ、『リング』シリーズで慣らした中田秀夫監督らしくスリリングに、見ている人を恐怖に落としたあの手腕を僕は最大限に評価しました。
しかし、今回なんですが、スマホを落とすという本シリーズ最大のテーマである事象を削ぎ落としただただネット犯罪に巻き込まれていくというかなり肩透かしを食らった展開に終始してしまいました。
前作同様にスマホによる犯罪リスクをまるで教則ビデオでも見る様なシーンもありました。
それ自体は良いんですよ。
「へ～、なるほど～」なんて参考になったりもしめす。(映画でその知識を得たいかというと疑問でもありますが。)
ただ、何というか「もはやスマホ関係なくね？」な展開に唖然としてしまいました。
それから千葉雄大演じる加賀谷とヒロインの白石麻衣演じる美乃里の関係性…というか美乃里の自己中っぷりが僕は嫌でしたね。
前作ヒロインの北川景子に関しては僕は大絶賛しましたよね！
北川景子の可愛さと美しさをパッケージングした映像だったとも言いました。
で、容姿だけではなく、ヒロインの性格もよかったから見ている側も彼女へ感情を投入しやすい作りになってたんですよ。
白石麻衣さんには罪はありませんが、彼女のキャラクターとヒロインの性格がミスマッチでその点でも作品にのれないんだよな～。
それからサイドストーリーも盛り込み過ぎです。
いや、盛り込むのはいいけど風呂敷広げっ放しで畳み方が雑なんですよ。
で、「スマホをいつ落とすんだ、スマホ落とすよね」なんて思ってたらまさかのところでですよ～。
ネタバレになるので詳しく言えませんが、肯定的に出てきますからね。
いやいや、そういう使い方あかんやろ？？
なんて前作がよかっただけに残念でしたね～。
でもやはり成田凌は良かった！
前作はネタバレ回避の為に言及を避けましたが、彼についてはメチャクチャ語りたかったんですよ！
怪演という言葉がピッタリです！
前作のレビューでは映画の魅力は彼の演技で持ってるのでは？と言いましたが、本作でもその存在感は健在！
特に監視役の刑事をアレしてアレする場面の不気味さには戦慄をおぼえるわけですよ。
で、本作を僕はかなり否定的な文脈で語ってきましたけど、彼と加賀谷のまさかのバディー関係は良い意味での裏切りがあり、楽しめました！
それにしてもこの成田凌が演じた浦野の監視役の刑事クズ過ぎじゃね？
ところでこの映画。
シリーズとしては二作目ですが、所見の人は楽しめるか？問題。
結論として言えば前作のストーリーとは別モノなので、単体で楽しめる事は出来ます。
ただ、序盤に登場する田中圭と北川景子、加賀谷に話し掛ける原田泰造が何者なのかという疑問はつきそうだし、成田凌のサイケっぷりをより深く見るのであれば前作の鑑賞はオススメしたいところです。
