きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

映画 HUGっとプリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ

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プリキュア」シリーズ15周年を記念し、2018年放送の「HUGっと!プリキュア」とシリーズ第1作「ふたりはプリキュア」が共演する劇場版。そのほかの歴代の全プリキュアも出演し、「映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」以来となる約2年半ぶりのプリキュアオールスターズ映画になった。プリキュアたちの「思い出」を奪い、口癖や技までコピーしてしまう敵ミデンによって、プリキュアオールスターズが小さい姿(ベビープリキュア)にされてしまい、これまでのことを全部忘れてしまう。残ったのは「HUGっと!プリキュア」と「ふたりはプリキュア」だけで、キュアエールキュアブラックは、プリキュアたちの思い出を取り返すため、力をあわせて立ち上がる。人気声優の宮野真守がミデン役を務め、「プリキュア」シリーズ初出演を果たした。
(映画.comより)

はい、一年振りとなる劇場版『プリキュア』シリーズの鑑賞です。
去年同様、今年も隠れキリシタンよろしく目立たない様目立たない様と時間をうまい事調整しながら劇場にイン。
ベストは上映開始時間の5分後くらいです。その辺りは予告編やら何やらやっているので本編の開始前。
尚且つ場内が暗いので大人一人鑑賞には決して目立つ事のない良い時間です。
更に座席も重要でして、出入口に程近い場所をキープというのがマストです(笑)
ちなみに平日ならば人も少ないであろうと来たのですが、昼間であれば比較的お子様連れが多いです。
でも、後述しますが結果的には良かったかな。

さて、去年の『プリキュアアラモード』はちょくちょく見ていたのですが、今年の『HUGっと』は末見でやや不安な状態での鑑賞スタート!


しかし、良かったな~、今年見たアニメ作品の中でもかなりの良作でしたよ!

まず、本作は『HUGっとプリキュア 』の劇場版であると同時に『プリキュア』シリーズ15周年記念作でもあります。
それ故にかなり力が入っていたなというのが個人的な印象です。
初代の『ふたりはプリキュア』の二人と『HUGっと 』の絡みもさる事ながらやはり盛り上がるのはバトルシーンなんですよ。
映画ファン的に言えば『マッドマックス怒りのデスロード』並です。
とにかく圧巻だし、劇場の大スクリーンにまぁ、映える映える!
40のオッサンが一人で『プリキュア』を見てここまで鳥肌が立つとは思いませんでしたよ。

更にこの映画はこれまで一度でも『プリキュア』シリーズに触れた事がある人ならば是非見てもらいたい!
歴代のプリキュア勢揃いになるし、個人的に思い入れの強いプリキュアが出たら間違いなくエモるんじゃないですか?
それも感動的な登場のさせ方なんですよ、「製作者、出て来~い!褒めてあげるから」ってレベルです(笑)

で、劇中にはメタ視点が入って第四の壁に居る映画を観ているお友達に呼び掛けるんですよ。
「みんなでプリキュアを応援しよう!」って。
そして良い子のお友達は入場時にもらうミラクルライトを振って応援するんですね。
「頑張れ、プリキュア~!」って。
僕の並びに居た女の子が本気で応援するんですよ。
それ見てね~、僕も感動しましたよ!
これぞまさに応援上映のあるべき姿だな~って。
ぶっちゃけ俺もミラクルライトもらって応援したかったんですけど、あれは中学生以下のお友達しかもらえないんですよ。
いいです、まだ見ぬ俺の娘といつか一緒に応援します(笑)

で、本作がただの子供向け映画ではないと感じたのは深いメッセージ性なんですよね。
敵キャラのミデンなんですが、こいつは人の記憶を吸い取る事が出来るんです。
その技でもってプリキュア達を幼児にしてしまうのですが、ここでは割愛します。
むしろ個人的に印象的だったのがこのミデンの内面的描写なんですよ。
実はめっちゃ淋しいヤツなんですよ、このミデンって。
というのもミデンって人々から忘れ去られてしまったある物の化身なんですよ。
更に言えばそれをメタファーにしながら楽しい思い出がない人や嫌な思い出ばかりを作ってきた人との向き合い方を提示しているんです。
後半に象徴的に出てくる雨のシーンはそれを端的に表していると思います。
ちなみにその雨のシーンの作画はメチャクチャ悲しさと美しさに満ちていた事も言及しておきます。

そしてこれはお子さんを連れて来ていたお母さん方は胸を打たれたんじゃないかなと思いますが、ミデンの攻撃を避け、幼児化を免れたのはキュアエールこと野乃はなとキュアブラックこと美墨なぎさです。
しかし、それは同時に他の幼児化してしまったプリキュアメンバーの世話もしなくてはなりません。
しかし、皆幼児ですからバタバタと走り回りなかなか言う事を聞かないわけです。
プリキュアなんだからしっかりしなさい!」なんて事も言われるのですが、すかさずなぎさが反論するんです。
プリキュアだって中学生なんだよ!」

ここで描かれているのは育児の大変さであり、過酷さ。
そして心ない事を言う人の存在。
「⚪⚪なんだから…」というのはよく耳にしますね。
「母親なんだから…」「先輩なんだから…」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから…」「子供なんだから…」の「なんだから…」
でも待って、皆人間なんだから。
そんな言い方すんなよって事。
「見に来てるお母さん、いつも育児大変だね。でもあなたは人間なんだから決して無理はしないでね。」そんなメッセージがこの一連のやり取りから見て取れるかと思います。
子供を楽しませるだけでなく、おやごさんへの配慮も忘れない。
何て愛に満ちた作品なのでしょう。

15周年に相応しい『プリキュア』シリーズの名作が生まれました!
この作品は子供もだけど、大人にこそ見てもらいたい!
真のエンターテインメントとは一体何か?を教えてもらった様な作品でした。

ありがとうプリキュア
そして15周年おめでとう!