きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッション

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週刊少年ジャンプ」連載の同名コミックを原作とする人気アニメ「僕のヒーローアカデミア」の劇場版第3弾。原作者の堀越耕平が総監修を務め、全世界を舞台にした壮大なオリジナルストーリーで描く。世代を経るごとに混ざり合う“個性”が人類を終焉に導くとする思想「個性終末論」を掲げる謎の集団「ヒューマライズ」。世界中の個性保持者の殲滅をもくろむ彼らは、個性を強制的に暴走させ崩壊へと導く「個性因子誘発爆弾」を世界各地に仕掛ける。全世界のプロヒーローと彼らのもとでインターン中だった雄英高校ヒーロー科が招集され、各地で爆弾の回収任務にあたることに。エンデヴァー事務所でインターン中だった出久・爆豪・轟の3人も、日本から遠く離れた国オセオンへ向かうが、任務中に事件に巻き込まれた出久が指名手配されてしまう。タイムリミットが迫る中、世界を救うべく奔走する出久たちだったが……。

(映画.comより)

私のヒロアカ初体験!はい、そうです実は今回が原作.アニメ.劇場版全てを通して初のヒロアカ鑑賞でした。というのも最近俄然と熱が高まっているという事でとりあえずチェックしておこうと仄かな興味が湧き上がり、鑑賞する事に致しました!鑑賞にあたってはエフエムいずもパーソナリティぴよちゃんと番組でご一緒した時に手解きを受け、見てまいりました!その上で今回のレビューは「ヒロアカ気になってるけどこれまで見た事ないし、大丈夫かな?」そんな不安をお抱えの皆さんに向けてお送りします。なのでヒロアカガチ勢な皆さん、手厳しいツッコミはなしてどうか寛容に受け止めて頂けたら幸いです。

まず、ヒロアカ初心者の僕が見て感じた事。それは作画のクオリティがめちゃくちゃ高いという事です。『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』等週刊少年ジャンプ連載漫画の人気作の劇場版といえばこれまでにも数多くの作品が大ヒットとなってきましたが、共通してその作画の美しさというものがありました。そしてこれはやはりヒロアカでも、同様で圧倒的な作画クオリティで感嘆した次第です。とりわけバトルシーンにおけるそれは前述の作品に比肩するそれどころか近年のアニメ映画の中でもトップクラスと言えるかもしれません。

次にヒロアカと言えば海外とりわけアメリカでの人気が非常に高いという事ですが、それも理解出来ましたね。特に感じたのがヒーローの共闘という部分でした。…なんて言えば『ジャンプ』の王道マンガって基本共闘シーンがあるじゃない?なんて聞こえてきそうですが、ヒロアカの場合これがまた違うんですよ。とにかくダイナミックでそれでいて洗練されている。あくまで私見ですが、日本のアクション系アニメよりMCU等のアメコミに近いなと思いました。『アベンジャーズ』等をイメージすると良いかな?東洋的なヒーローのスタイルよりもハリウッド寄りな感じ?アメリカ人のハートをキャッチするのも納得しましたね。実際数年前に『アベンジャーズ』とのコラボもありましたもんね。

それから本作で描かれるテーマというか更に言えばイデオロギーの提唱がハッキリしていて良かったです。それは個性についてですね。それはヴィランの掲げた個性終末論なる陰謀。多様化が叫ばれる時代にあって個性のある人が魅力的ともされる風潮があります。もちろん彼の言う個性とはヒーローとしての特性を意味するわけですが、現実世界に置き換えた時の個性の強要に対して異を唱えている様であり、彼等の思想は極端ではあるものの、一定の理解は出来るし、それを考えるきっかけにもなりそう。また、主人公の出久やオリジナルキャラクターのロディにとってのヒーローに対する定義の打ち出し方も目をひきましたね。まず、出久にとっては師匠であるオールマイトのそしてロディにとっては亡き父のと言った具合にわかりやすいモデルがあるんですね。そんな理想の存在と自分を比した上でのヒーロー像の模索が彼らが闘う中で描かれていたのが何とも印象深かったです。思えばジャンプ系のヒーロー漫画ではこの様にただバトルを見せるだけでなく、そこに内包されたテーマを読み取る事も魅力としてあるわけです。このヒロアカでもそれが踏襲されており、それが確実に心へ訴えかけてきます。

そして本作のゲスト声優である吉沢亮さんの演技が非常に光っていましたね。人気アニメに芸能人を声優として起用する事はこれまでにも数々の例がありました。良くも悪くも話題にはなりますが、良い場合はそのキャストの評価が上がり、悪い場合は目も当てられない結果になってしまう。そしてその悪い例は枚挙にいとまがないわけでして。(もちろん作品名な誰とかは言いませんよ)しかし、本作においての吉沢亮さんは本職の声優さんと比較しても、決して遜色はないし、吉沢さんと知らずに見たら声優さんと信じる程の名演技ですよ。さすがは大河俳優!一方、吉沢さんが演じたロディの魂として行動を共にする鳥型の小型生物ピノの声を担当していたのは林原めぐみさん。言わずと知れた綾波レイや灰原愛でお馴染みの大物声優さんですが、あくまで鳥っぽい生物なのでセリフらしいセリフがないんですよ。鳴き声だけ。そんな鳴き声の為に林原さんを起用するぜいたくさ(笑)更にその鳴き声だけで感情をはっきりと伝える演技力はさすがだなと思いました。

さて、私冒頭でヒロアカ初心者向けのレビューである事をお伝えしました。そんな初心者の皆さんにとって原作やアニメ、過去の劇場版等を見なくても楽しめるか?という疑問があるかと思います。その答えですが、全く問題ありません。それは初見が見ても分かりやすいストーリー展開というのもありますし、前述の様な深いテーマやメッセージ性等ふんだんに魅力が詰まっておりまして、何だったらこれを契機に過去作を見たくなるそんな入門編としてもオススメな一本です!

事実私は早速本作鑑賞後に過去作を見ちゃいました。オススメです!