きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

映画賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット

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月刊「ガンガンJOKER」連載の人気コミックを原作とするテレビドラマ「賭ケグルイ」をオリジナルストーリーで映画化した劇場版の第2弾。ギャンブルの強さで生徒の階級が決まる私立百花王学園。全校生徒を巻き込んだバトル「生徒代表指名選挙」を終え、学園は日常を取り戻したように見えたが、生徒会は圧倒的存在感を放つ蛇喰夢子に危機感を募らせていた。一方、学園内では生徒会への上納金を支払えない“家畜”の人数が増加。さらに家畜たちによる生徒会役員への公式戦ギャンブルが横行し、学園内は異様なムードに包まれる。そんな中、2年前にある事件を起こして学園を追われた男・視鬼神真玄が舞い戻る。彼は共感覚という特殊能力を持つ最凶のギャンブラーだった。夢子役の浜辺美波らおなじみのキャストに加え、新たな刺客・視鬼神を「ジャニーズWEST」の藤井流星が演じる。監督も前作から引き続き英勉が務めた。
(映画.comより)

当初は4月末に公開予定だった作品。
しかし新型コロナの影響から再三公開が延期され、6月1日にようやく公開スタートとなりました。
月曜日公開のエヴァが前例を作りましたね。
本作はこれまた異例の6月1日の火曜日公開。
コロナで休業を余儀なくされていた都市部の劇場の休業要請緩和に合わせるかの様な公開スタートとなりました。

さて、二年振りの『賭ケグルイ』の劇場版。
思えば前作は当初全く鑑賞予定がなかったものの、気まぐれで鑑賞したところ、これがめちゃくちゃ面白かったと僕は大絶賛しました!
とりわけ浜辺美波ちゃんが演じる蛇喰夢子にドハマリし、多彩なゲームの勝敗によって運命が左右されるそのスリリングさ、ともすれば悪趣味と捉えかねられない人が人を支配し、絶望の淵へ追いやるドラスティックな展開等々とにかく圧倒されたものです。

そんな『賭ケグルイ』の世界をとことん楽しみ尽くした私が本作を楽しみにしないわけがない!

いや~、それにしてもよく続編を作ってくれたなと感謝と同時に驚きがありまして、前作の興行収入が3.6億円と全くヒットとは呼べない数字なんですよ。
その結果であっても続編が製作された背景には私の様な映画ジャンキーが「賭ケグルイオモレ~!」という歓喜の声を挙げたからでは?なんて想像してみたり。
そういう意味では興行的にはヒットにはならなかったが、マニアには高い支持を得た『孤狼の血』も同様のケースなのかな?と思ってます。
ちなみに『孤狼の血』は8月20日公開。
楽しみにしています。

さて、楽しみにしていた『賭ケグルイ』。
前作同様にギャンブルの勝敗如何で天国か地獄か王様か奴隷かの究極のカーストが出来上がるぶっ飛んだ世界観。
相変わらずの心理的な攻防がスリルがあり、ギャンブルをしない僕なんかが見てもかなり楽しい!
「そうそう、これこれ。これこそが賭ケグルイだよ!」なんて鑑賞した日の睡眠時間が4時間足らずだった僕もかなりバイアスかかった状態で見入っておりました。
新キャラの藤井流星演じる視鬼神真玄も存在感ありましたし、敗者に仕向けられる理不尽な仕打ちだって胸糞悪い反面エンタメと割りきればついつい見入ってしまう。
前作のレビューでも名前を挙げましたけど、『カイジ』とか『闇金ウシジマくん』系なんですよね。
実社会ではまずやってはならない事であってもエンタメがかっているからその露悪的な描写を楽しんでしまう。
負けた生徒に二階の窓から飛び降りさせるシーンなんて見るに耐えないんだけど、見てしまう。
でもこれはあくまで映画の話し。
実生活では絶対にやるなよ!若い諸君!
いじめは犯罪です!

はい、青少年へ向けての呼び掛けをしたところで、話しを戻しますが、こういったシーンひとつ取ってもわかる様に前作より更に描写が過激になってるんですよね。
だからはっきり言えば倫理的に受け付けない人にはオススメしない作品です。
で、こういった傾向は主となるギャンブルにも持ち込まれておりまして、前作では確かに不条理な設定ではあるものの、ゲームの種類はまだかわいいもんでした。
トランプに紙相撲、カードじゃんけん等々賭け事はいかんけど、まだ高校生らしさがありましたよ。
しかし、本作の場合、実弾の入った拳銃が出てくるロシアンルーレットですからね。
賭けるものは命です。
う~ん、スケールアップを狙ったのか知りませんが、個人的にはこれがマイナスに動いちゃいましたね~。
確かにスリルはあるんだけど、キャラクターを見たら制服来てる高校生でしょ。
そのギャップに違和感が生じてどうにも乗りきれなかったですね。
こういうのはアウトロー系のガチなヤツでやってほしいんだよね~。
更に言うと前作は結構ゲームの種類も豊富でそれが楽しかった。
だけど本作はこのロシアンルーレットをメインに後はひとつふたつ森川葵演じるサブキャラ用に用意してるだけ。
後、『カイジ』の地下帝国よろしく敗者が連行され、強制労働をさせる下り。
ああいうタコ部屋的な描写を入れる事によって天国と地獄感を強調したかったのかもしれないけど、正直あのシーンに尺使いすぎなきらいもありましたね。

全編通して面白かったんだけど、これらの点が重なった結果、パワーダウンしてしまった感が否めませんでしたね。
更にラストでは三戸なつめちゃんが次作を示唆するシーンがありましたけど、『映画 賭ケグルイ』の一作目が好きだったからこそ期待はしたいんだけど、不安もあったりで…。
でも結局見るんだろうなぁ(笑)

なんて先を案じたところでまとめます。
確かに前作に比べると欲を出した結果、裏目に出たマイナス面もありました。
また、エンタメとしてではあるものの人によっては不快になる場面もあります。
しかし、目を引き付ける心理戦やスリリングな駆け引きの応酬そして浜辺美波ちゃんの可愛さは保証します(笑)
また、ドラマや原作は末見でも十分楽しめますが、なるべくなら劇場版1作目を見た上での鑑賞をオススメします!

是非ご覧下さい!