きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語

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レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組み、ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化。南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描く。しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる幼なじみローリーからのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。幼なじみローリーを「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ、長女メグを「美女と野獣」のエマ・ワトソン、末っ子エイミーを「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、ジョーの人生に大きな影響を与えるマーチ叔母をメリル・ストリープがそれぞれ演じる。第92回アカデミー賞では作品賞はじめ計6部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した。
(映画.comより)

はい、今回からようやく通常の上映作品レビューをお届けする事になります。
この時をどれ程待ち望んでいた事でしょう。
映画が好きな僕にとっては劇場へ足を運んで新作を鑑賞するというのは言わばライフワーク。
それが出来ない日々というのはただただ悶々としていたわけでございます。
というわけで再開第一弾として扱うのは不朽の名作・『若草物語』です。
元々3月に公開予定だった作品ですが、コロナの影響により日本では6月12日に公開。
僕も公開直後に見てきましたが、まだまだ劇場には人が少ない状況。
本来の意味での日常に戻るにはまだまだ時間がかかるのかなと思った次第です。
コロナ以前の至ってフツーの日常生活。
それが当たり前の様に感じられていたわけですが、この数ヶ月間の非日常感がよりその当たり前にいとおしさを感じさせられる。
それは僕のみならず皆さんがそうだと思います。

そしてそれをより強く思わせたのがこの『若草物語』でもありました。
アメリカの古典作品として世界中で読まれ、そして何度となく映画化されたこの『若草物語』。
僕も子供の頃に学校の図書館で読んだり、今は亡き『ハウス名作劇場』でアニメを見たりと慣れ親しんできたのですが、しかしその実内容を全く覚えていないんですよね。
と言うのもこの話し、劇中において大きなトピックスがあるわけでもなく、ぶっ飛んだキャラクターの登場人物が居るわけでもない、南北戦争下のアメリカに暮らすごくごく平凡な姉妹達の日常を描いたそんな作品だからです。

で、そんな『若草物語』は確かに映画的な派手さはないわけです。
美人四姉妹の日常を淡々と描き、恋愛や結婚についてキャッキャ言いながら語るというもの。
正直、男性の僕からすると理解出来ない部分もあるし、退屈に感じる部分がなかったと言えば嘘になります。
でもね、そんな事よりも何よりも彼女達がこうして当たり前の日常を過ごしているそんな姿を見る事で今映画館で公開後の新作映画を観ているそれがどれ程有難い事なのかを感じたんですよ。
平凡な日々ってどれだけ恵まれてるんだろうってね。
その意味では結果的に公開延期された時期の封切りに意義があったのではないかななんて思いますね。

まぁ、あくまで僕はそんな視点でこの映画を観ましたが、この映画はやはり女性が見てなんぼでしょうね。
19世紀後半、アメリカの南北戦争下における価値観は女性は結婚して家庭に入る事が何よりの幸せであると。
こんにちの多様化した価値観が認められる時代だとなかなか理解出来ない部分がある中で、しかし結婚以外の生き方だってあると提唱する次女・ジョー。
エマ・ワトソンの演技もですが、彼女のともすればこの時代では非常識とされがちな価値観や美意識は良かったですね。

ただ、この映画時間が現在と過去を交代交代に見せる辺りは少々ややこしい感がありましたね。
原作知ってたらまた違ったのかな?

四姉妹の日常を淡々と描き…と先程お伝えしましたが、それでもやはり大きな出来事というのはありまして、それが四女べスの病気ですね。
現代程医学が発達していない時代ですから若くして病死するというのは洋の東西問わずあるわけです。
彼女の死が他の三人どの様に影響が出るのか?というのも重要なポイントではないでしょうか。

それから僕が本作においての推しポイントとして挙げたいのは映像の美しさとかこの時代の再現性といったところでしょうか。
そこに関して言えば映画的醍醐味が十分に感じられる作品かなと思います。

何度も繰り返しますが、映画館で映画を見る幸せや喜び。
映画ファンにとってこれに勝るものはありません!
次回からもジャンジャン新作を紹介していきますよ!