きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

キャッツ

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1981年にロンドンで初演されて以来、観客動員数は世界累計8100万人に達し、日本公演も通算1万回を記録するなど、世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔「キャッツ」を映画化。「レ・ミゼラブル」「英国王のスピーチ」のトム・フーパーが監督、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務め、英国ロイヤルバレエ団プリンシパルフランチェスカ・ヘイワードのほか、ジェームズ・コーデン、ジェニファー・ハドソンテイラー・スウィフトジュディ・デンチイアン・マッケランら豪華キャストが共演した。人間に飼いならされることを拒み、逆境の中でもしたたかに生きる個性豊かな「ジェリクルキャッツ」と呼ばれる猫たち。満月が輝くある夜、年に一度開かれる「ジェリクル舞踏会」に参加するため、街の片隅のゴミ捨て場にジェリクルキャッツたちが集まってくる。その日は、新しい人生を生きることを許される、たった一匹の猫が選ばれる特別な夜であり、猫たちは夜を徹して歌い踊るが……。
(映画.comより)

今回はミュージカルの名作『キャッツ』です。
しかし、これがまたアメリカでは酷評の嵐になっているとか?
しかもその酷評のレビューで誰が上手い事を言うのか?なんてネタ映画扱いされているそうですからね。
ところが日本ではどうかと言うと目下大ヒット中!
公開週は一位になりましたもんね!
かつてマライア・キャリーが大人気を誇っていた時、アメリカでは不評に終わったアルバムか日本では一位になり、マライア本人も大喜びだったなんて事を思い出しました。
と、のっけから関係ない話しで今回はスタートしましたが、ここ近年ミュージカル映画が大ヒットするという傾向もあり、日本のファンは『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』の様なノリを期待したのかもしれません。
私もそんな一人です。

ただ、『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』との決定的な違いがあります。
これらの作品はあくまでストーリー主体の中に心に残る歌唱シーンが盛り込まれる作風なのに対し、この『キャッツ』の場合、ストーリーはかなり薄い。
歌唱やダンスに注力した作りであるという点があります。
実は私はこの『キャッツ』に関しては予備知識を持たずに鑑賞しました。
実際のミュージカルに馴染みがある人であれば「あのシーンはどうなるんだろう?」、「へ~、こういう見せ方なのね~」なんて通ならではの視点で映画を楽しむ事が出来るのでしょうが、僕みたいなライトな人は注意が必要です。
この『キャッツ』ってとにかく独創的な世界観があり、そこに没頭出来るかどうかで大きく楽しみ方が変わるでしょう。
登場するキャラクターは全て擬人化された猫。
それも野良猫です。
ゴミ箱も漁ればネズミやゴキブリも貪る。
いや、それ以上に八頭身のドラえもんを思わせるビジュアルの擬人猫ががタケ○トピアノのCMの様な全身タイツを身にまとって踊るんですよ。
しかもセリフらしいセリフはほとんどないし、ストーリーだって見終わった後に「あれ、何の話しだっけ?」って困惑しちゃう様な内容。
好き嫌いがはっきり別れる内容だよな~。

ちなみに僕は割と好きです。
映画ってストーリー重視のものと圧倒的スケールの映像重視のものに大きく別れると思うんですよ。
本作は断然後者の方ですが、とにかくCGや圧巻のダンスパフォーマンスはサイコーです。
世界が誇るエンターテイナーが集結してるだけあって歌唱シーンにも圧倒されます!
とりわけジェニファー・ハドソンによる歌唱シーンなんかは鳥肌モノですよ!
110分に渡ってひたすら歌っては踊り歌っては踊りの繰り返しなので多少疲れる部分もありますが、映像的な面では保証出来ます!

いや~、それにしてもアメリカでの酷評は一体?
なんて思うのですが、見た目がキモイとかストーリーが薄いとかそういう次元の話しではないと思うんですよ。
もちろん、誰かが酷評のレビューを投稿したのを皮切りに「俺の方がもっとオモロくディスれるぜ!」「いや、俺の方が…」みたいな面白半分の煽り合戦ともまた違う。
これは思うに元のミュージカル作品への愛が強すぎるあまり映像化に冷ややかだったという事ではないでしょうか。
身近な日本の例で言うと漫画の実写化で激しい非難を受けたそれに近いかなと。
進撃の巨人』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『鋼の錬金術師』そして古くはハリウッド版『ドラゴンボール』を見た時に我々が感じたアレですよ(笑)
作品の世界が漫画・アニメで出来上がっているものを実写で表現し、映画界に悪い意味で波紋を呼んだ例は枚挙にいとまがありません。
アメリカの皆さんはミュージカルの『キャッツ』が好きなのであって映画の『キャッツ』を求めていなかったのかもしれませんね。
そうなると日本のミュージカルファンの声なんかも気になるものです。

何はともあれ私は楽しませて頂きました!
二回目見てもいいかな?

ただ、強調してお伝えしますが、決して万人向けではないと思います。
「感じる」タイプの映画だと思いますよ。