きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版 ONE PIECE STAMPEDE

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原作コミック、アニメともに絶大な人気を誇る「ONE PIECE」の3年ぶりとなる劇場版。アニメ化20周年を記念して製作され、原作者の尾田栄一郎監修の下、世界中から海賊が集う「海賊万博」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開する。海賊の海賊による海賊のための祭典「海賊万博」に招待されたルフィたち麦わら一味。会場には世界中から海賊が群がり、万博の目玉である「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」で、お宝争奪戦が繰り広げられる。しかし、その盛り上がりの裏には、万博の主催者であり別名「最悪の戦争仕掛け人」と呼ばれるブエナ・フェスタの企みがあった。そして、お宝争奪戦が熱を帯びる中、元ロジャー海賊団「“鬼”の跡目」と呼ばれた男ダグラス・バレットが乱入し、ルフィたちの前に立ちふさがる。ゲスト声優はユースケ・サンタマリア指原莉乃山里亮太南海キャンディーズ)。
(映画.comより)

はい、やってきました、今回はONE PIECEです。
意外にもこのブログでONE PIECEを扱うのは初めてなんですね。
ま、劇場版自体が三年振りですから。
思えば『ONE PIECE』のアニメも20周年ですか、すっかり長寿アニメであり国民的なコンテンツと呼べるかもですね。
で、20年も続き、この『ONE PIECE』という作品に少なからず触れてきた人であるならば好きなキャラクターであったり好きなシーン、心に残ったフレーズ等がある事でしょう。
私もまた然りです。
とりわけ初期の頃にそういうエピソードが集中しておりまして、原作を読みながら「何でこんな胸を打つ、それでいて心を熱くさせるストーリーを描けるんだろう」といちいち目頭を熱くさせていました。
原作者・尾田栄一郎さんはまさに偉大であると。
なんて僕の貧弱なボキャブラリーだとどれだけ称賛しようとそれが陳腐に聞こえてしまうのが悔やまれます。
ONE PIECE』に触れていない人が僕の周りにはあまりに多い。
「おい、お前ら人生損してんぞ」と陳腐が陳腐を重ねる言い回ししか出来ない。
それが今の僕の限界です(笑)

しかし、そんな僕もここ数年は原作もアニメも離れて久しくなり、せいぜいたまに公開される劇場版を見るに留まるにわかになっています。
果たしてそんな僕がこの新作を見ても楽しめるのか、多少の不安要素はありましたが、そんな心配は全くのご無用!
ONE PIECE』のファンであるならば、間違いなく胸アツでしょうし、僕みたいな「以前は見てたけど…」というにわかなら懐かしいキャラクターの登場にアガル。
ONE PIECE』は全く末見。
「えっ、ルフィって誰?」「へ~、あの角生えてるヤツ、チョッパーて言うんだ~?」とかって人になるとさすがに上記のタイプの人の様な感動はないでしょうが、しかし作画の持つ迫力や胸のすく様なストーリーに魅了されるかもしれません。
むしろこれをきっかけに原作に触れる入門編になるかもです。

ONE PIECE』の劇場版が群を抜いて面白くなるのは尾田さんが直接監修を手掛ける様になった2009年の『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』からだと思います。
それまでの『ONE PIECE』映画と比較して圧倒的にグレードアップし『ONE PIECE』の原作人気も相まって興行的にも大成功!
以降『ONE PIECE FILM Z』(2012)、『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)といずれも大ヒット!
で、何がすごいかっていずれの作品も非常にクオリティが高くて映画を見る度に満足顔になるんですよね!
前述の様に原作離れて久しいにも関わらずですよ。

それだからこそこの新作への期待も相当大きかったのですが、結果的に言えば

『どんだけすげぇんだよ、ONE PIECE!』が僕の感想です。
オールスター映画と言えば一点豪華主義というのかな、同じ画面にあの人もこの人も居る~みたいな贅沢な気持ちになる反面一人一人にフォーカスするのには限界がある。
結果、中途半端とまでは言わないまでも全体的に薄くなるなんて事にもなりかねません。
ところがその点この『STAMPEDE』は濃い!
ONE PIECE』の名キャラクターがこれでもか、とばかりに出てそれでいて各キャラの持ち味も活かされているし、画面の端々にも懐かしい顔触れがお目見えする何とも『ONE PIECE』ファンの笑みが浮かぶ様なつくり。
更に言えばルフィら麦わらの一味も海軍も王下七武会も革命軍も顔を揃えるばかりでなく、共闘までしちゃうんですから。
何、このアベンジャーズ感(笑)
サイコーかよっ!!
個人的にはコメディリリーフのバギーとハンコックの存在感が光っていたなと思いましたし、クロコダイルも良かったな~。

で、本作最大の見所と言えばウソップですね。
ウソップを中心に据えるストーリーって過去にもありました。でも映画で、となると過去にはなかったよねぇ。
そのウソップのというキャラクターを端的に言えば戦闘では弱いし、嘘つきでお調子者。その一方、ルフィらの突っ込み役にもなったりする。
でも、彼の最大のポイントと言えば芯が強いという所なんですよね。
で、実は彼の存在って麦わらの一味の男性陣で『ONE PIECE』を見ている僕らと最も近い位置にいる。
ルフィの様な屈強な精神力はないし、ゾロやサンジの様な戦闘能力もなければ彼らの様なイケメンでもない。
チョッパーやフランキー、ブルックはそもそも人間ではないし。
言ってみれば持たざる者なんですよね。
ても、そんな彼が熱い志を抱き、一味として彼らと行動を共にするからこそ見ている僕らもウソップに視線を合わせやすいし、屈強な敵に立ち向かう時も感情を乗せやすい。
本作の敵・バレットはとてつもなく強い。
到底ウソップ一人の手に負える相手ではないのです。
しかし、それでもウソップは全身全霊で戦う。
そんなウソップを見るから僕らも感情を揺さぶられるし、その後のルフィの行動にその感情を託したくなる。
ルフィの怒りの言葉に心を撃ち抜かれた時に激しく己の身をも乗り出しながら、バトルシーンへと感情が運ばれていく。
絶妙なつくりですよね。

最後にこの『ONE PIECE STAMPEDE』を総括しますが、海賊万博におけるお祭り感を心の底から楽しみ、ONE PIECEの名キャラクター達の共演と共闘を悦び、バトルシーンに心震わせながら至上の時間を過ごしました。
久しぶりに『ONE PIECE』を見ましたが、やっぱり変わらないその圧倒的なスケールにただただ感嘆しました!
これまで『ONE PIECE』を見て来なかった人にこそ言いたい!


ONE PIECEを見ろ!人生損してんぞ!