「アラビアン・ナイト」の物語をベースに、不思議なランプを手に入れた若者が愛する女性を守るため繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメの名作を、「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督のメガホンでディズニーが実写映画。生きるために盗みを働きながらも真っ直ぐな心を持ち、人生を変えるチャンスをつかもうとしている青年アラジンと、自立した心と強い好奇心を抱き、自由に憧れる王女ジャスミン。2人の運命的な出会いをきっかけに、それぞれの願いは動き始める。そしてアラジンは、邪悪な大臣ジャファーの甘い誘いに乗り、魔法の洞窟からランプを引き受けるが……。魔法のランプから登場するランプの魔人ジーニーをウィル・スミスが演じる。アニメ版でアカデミー主題歌賞を受賞したアラン・メンケン作曲、ティム・ライス作詞の「ホール・ニュー・ワールド」などおなじみの楽曲も流れるほか、「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック＆ジャスティン・ポールが手がけた新曲も物語を彩る。
(映画.comより)
「さぁ、みんな！究極のエンターテイメントを楽しまないか！」
それがまず、僕から皆さんに伝えたい事です。
90年代に大ヒットしたディズニーのアニメーション映画の実写化。
そりゃ見る前から期待値(ハードルと言い換えても良い)上がるわけですよ。
それにしても昨今のディズニーは実写化多いですよね。
思えば2010年の『アリス・イン・ワンダーランド』の辺りからですよね。
ここ数年でも『マレフィセント』、『シンデレラ』、『美女と野獣』、『プーと大人になった僕』、『ダンボ』更に夏には『ライオン・キング』も控えてるし来年は『ムーラン』もある。
何でこんなに実写化が多いんでしょう。
僕が察するにはディズニーの作品てそれこそおとぎ話をモチーフにした物が多く、幼少期から馴染みがあるでしょ？
更にこの『アラジン』もそうだし、『美女と野獣』や『ライオン・キング』のアニメを見て育った子供達は今や子育て世代。
親子揃って見るにはうってつけの題材だし、興行的にも手堅く稼げるなんてところがあるんじゃないでしょうか。
さ、そんな実写版『アラジン』はと言いますと。
終始飽きさせない豪華絢爛なセットに演出、外連味たっぷりな役者陣の演技、CGを駆使させながらの遊び心満載の映像体験どれもサイコーです！
監督が『シャーロック・ホームズ』や『コードネーム U.N.C.L.E.』等サスペンス系アクション映画に定評のあるガイ・リッチー。
これまでの作風と明らかに毛色が違うのですが、「なるほど、ガイ・リッチー監督だわ。」なんて思わせるシーンがちょくちょく。
例えば前半部・アラジンの逃走シーンなんて見ると『シャーロック・ホームズ』のスリリングな光景が蘇ってくる様です。
音楽面においてはとにかく素晴らしい！
後述しますが、ウィル・スミス演じるジーニーの登場する場面等ではとにかく高揚感が半端ない！
実は本作の音楽担当は『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』でお馴染みのパクセ&ポールのコンビも参加してると知って納得した次第です。
そしてキャストの面々。
まず、アラジンを演じたのはエジプト系カナダ人のメナ・マスード。
競争率の高いオーディションから選ばれたとあってピッタリです。
王女・ジャスミンはインド系イギリス人のナオミ・スコット。
か弱いお姫様ではなく、自立して自ら王の座を目指すという強い女性像が見事にはまっていました。
そしてランプの魔神・ジーニーを演じたのはウィル・スミス。
僕はこの映画はまさにウィル・スミスの真骨頂とも言える作品だと思いました。
当初、本作の予告を見た一部の映画ファンは「青いウィル・スミス」なんて揶揄していたとかしていないとか？
しかし、僕が見たウィル・スミスジーニーはこの映画最大の立役者だと思いました。
そもそも彼が登場するシーンからインパクトあるんですよ。
洞窟でランプを見つけたアラジン。
そしてそのランプから現れるのがジーニーであるというのはご周知の通りなんですが、ユーモラスに歌い、踊り、更には彼のお得意なラップまで飛び出してしまう。
その間、変幻自在に衣装も変わったりととにかく視覚的にも聴覚的にもサイコーに気持ち良い！
表情のバリエーションも非常に豊かで普段のアクション系映画で見せる彼とは明らかに違う雰囲気しかし、それが絶妙にハマるんですよね！
そして魔法の力で王子になったアラジン改めアリ王子と共に像や踊り子、多数の召し使いを従えてのパレードなんて圧巻です！
ここでもその音楽と巧みにグルーヴを産み出していくのがウィルで、時には女装まで披露したりする。
これ、何より本人が原作へのリスペクトも込めながらより最高なものへアップデートさせようという気概が感じられるんですよね。
徹底的にジーニーという役とこの世界を楽しんでる！
全編通してジーニーが、いやウィル・スミスが華やかにしてくれてる。
はっきり言ってウィル・スミスが大好きになりますよ。
それから原作にないキャストでジャスミンの侍女がいました。
アリ王子とジーニーに対する様にジャスミンの良き相談相手といったポジション。
ジーニーと意外な展開に発展する辺りは賛否がありそうですが、彼女も良い味出してました。
ジーニー程ではないにしろ、なかなかコミカルなおばちゃん(失礼・笑)なんですよ。
ジャスミンからの「うまく話し合わせて」的なくだりは笑っちゃいました。
「何て浅はかな王女様感だよ」みたいなね(笑)
それから敵キャラのジャファーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』感。
まぁ、肩にオウム乗っかってるからとあるキャラクターを思い出しただけなんですけどね。
で、個人的にこのジャファー。
もうちょっと内面的な部分を掘り下げてほしかったかな。
野心家であるのはよくわかるんだけど、何故そこに至ったかの動機と盗賊からこの地位に上るまでのプロセスなんかが知りたかった。
でも全体的には大変満足です！
現時点で字幕版2回、吹替版1回見ています！
その結果、言えるのは見るなら字幕です。
曲は原曲で楽しみたいし、何よりウィル・スミスのラップが聴けますからね。
そんなウィル・スミス。
10月に新作が公開されますが、こっちも主題歌担当してくれないかなぁ。
この『アラジン』を機にラッパー、ウィル・スミスも復活させて欲しいと願うのでありました。
