きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版シティハンター 新宿プライベート・アイズ

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1980~90年代にテレビ放送された大ヒットアニメ「シティーハンター」の20年ぶりの新作となる長編アニメーション映画。新宿に事務所を構えるシティーハンター冴羽リョウと相棒・槇村香のもとに、何者かに襲われたというモデルの進藤亜衣がボディガードを依頼にやって来る。美女の依頼を快諾するリョウだったが、撮影スタジオで更衣室を覗いたりとやりたい放題。亜衣がキャンペーンモデルを務めるIT会社の社長・御国真司は香の幼なじみで、撮影現場で久々に再会した彼女をデートに誘う。一方、海坊主と美樹は新宿に傭兵が集結するという情報を入手するが、その傭兵たちはなぜか亜衣を狙っており……。声優陣にはリョウ役の神谷明、香役の伊倉一恵らオリジナルキャストが再結集。進藤亜衣役を女優の飯豊まりえ、御国真司役を人気声優の山寺宏一が担当するほか、お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実が特別出演。初代監督のこだま兼嗣が総監督を務め、「TM NETWORK」によるおなじみの主題歌「Get Wild」も起用。同じ北条原作の「キャッツ・アイ」からも主人公の来生三姉妹が登場する。
(映画.comより)

あの冴場撩が20年振りに帰ってきた!
80~90年代にかけて『週刊少年ジャンプ』に連載され、人気を博した北条司原作の漫画『シティハンター』。
1978年生まれの私にとってはちょうど世代ど真ん中!
『ジャンプ』の原作も読んでましたし、日曜7時に放映していたアニメも見ていました。
つまり、バリバリのシティハンター世代なのです!

で、この劇場版ですが、年齢層がとにかく高い(笑)
30~50代くらいで大体が一人客。
つまり我々世代のオッサンにとっては待ってました!と言わんばかりの劇場版であった事がうかがえます。

シティハンター』の魅力を端的に言えば「エロ・グロ・ナンセンス」ならぬ「エロ・ギャグ・シリアス」だと個人的には思ってるんですが、のっけからアゲテくれるんですよ!
ハードボイルドなアクション物と思わせるカッコいいオープニング。
しかし、しっかりと「もっこり」というフレーズでおとしてくれます(笑)
シティハンター』所見の人に「こういう作品ですよ」と短い時間で要約してくれてるかの様なオープニング。
アガルなぁ!

前半部はひたすらギャグの応酬。
冴場撩と槇村香による掛け合いが笑いを誘います。
そしてここで思うんですよ。
「ああ、これこれ!シティハンターってこんなんやったなぁ」って。
アニメを見たり、原作を読んでてもコミックスを買う程でもない、僕みたいなライトに好きってタイプだと20年も作品に触れていないと内容を忘れてしまうものです。
しかし、この前半部では子供時分に戻ったかの様に記憶がフラッシュバックしてくるんです!
あたかも昔の同級生と再会した気分。

そしてその後はお馴染みのシティハンターワールドに引き込まれていきます。
依頼人の美女が現れる→撩ちゃんスケベ心→香さんにハンマーでどつかれる→依頼を受ける→組織に近付く→アクション!
ざっくり言えばてな感じです(笑)

そしてご存知の方も多いでしょうが、新宿を舞台にしているこの『シティハンター』ですが、80年代当時の新宿ではなく、現代の新宿が舞台になっています。
駅の伝言板はなく、別の手段で伝言をしますし、外に出れば某映画館にゴジラが立っている。
昨年の『名探偵コナン劇場版』でも登場した、ドローンだって活躍する!

しかし、ノリはあくまでバブルの雰囲気だったりするのでそこを楽しみつつも気になったのであげておきます。
一例としてはエロに対する捉え方ですね。
近年、とんねるずが同性愛者をネタにしたコントをやってましたが、随分問題になりましたよね。
あの当時、僕は「え~っ?昔はフツーにやってたじゃん」って驚いたものです。
でも、昔だからこそ許されたんですよね。
この30年間で物事の価値観はガラッと変わりました。
「○○さんは結婚しないの?」なんて言えばセクハラになるし、命令口調で仕事の指示を出せばパワハラになる。
話しを戻しますが、『シティハンター』で言えば撩がギャグではあるものの、覗きをしようとする。
すっかり今の価値観で見ていた僕は「コレ、フツーに犯罪じゃん」って突っ込んでしまいました。
また、シティハンター世代と思われるお父さんと小学五年生くらいの女の子が見に来てたんですが、「えっ、これ大丈夫?」なんてヒヤヒヤしちゃいましたよ(笑)
そういえば80年代生まれのコンテンツで時代錯誤感のあった作品って最近見た様な…と思っていたら2016年の『さらば あぶない刑事』がありました。
『あぶ刑事』にしろこの『シティハンター』にしろ80sの空気感を懐かしみつつ、それを楽しむ作品かもしれませんね。

ギャグパートに登場してくるコミカルな演出もいちいち昭和感あるんですよね。
撩がハンマーで殴られた後の情けない顔をする横でトンボが飛んでるとかね、「お~いおいおい」言いながら号泣する海坊主とかね(笑)

そして本作の見所と言えばキャッツアイ登場!!ですよ。
それも意外な設定&登場の仕方です。
香さんと三姉妹の絡み「いつもこの格好なんですか?」なんて香さんの素朴な疑問ににやけてしまいます。
ただ、キャッツアイ登場シーンはかなり少ないです。
「正直、出す必要あった?」なんて声も聞こえてきそうですが、あくまでファンサービスです。
ちなみに杏里のあの曲はもちろんかかります。
しかし、惜しむらくは原曲ではないんですよね。
これは大人の事情かななんて察してしまいました。
更に言えばキャッツアイの衣装って当時としてはスタイリッシュなものだったんでしょうが、今は女芸人がネタで着るみたいな扱いですからね(笑)
そんなところにも隔世の感をおぼえた次第です。

そして、『シティハンター』と言えば音楽ですよ!
出るよ、出るよ名曲の数々。
PSY'S、コヒー、岡村ちゃんに小室さん。
そして何と言ってもエンディング曲は『GET WILD 』。
ぶっちゃけて言うとこれを聴きたいが為にこの映画を見た様なところがあります。
いや、僕以外でもこういう人は多かったと思いますよ。
だって誰一人席を立ちませんでしたよ。
しかもご丁寧に歌詞のテロップまで流してくれる。
何ならそこにいる皆で大合唱したかったですよ。
ボヘミアン・ラプソディ』の応援上映があるのなら『シティハンター』にだってあってもいいじゃないか!みたいなね(笑)
更にエンディングではTM NETWORKの『STILL LOVE HER 』も流れ、僕は気持ちよく劇場を後にしたのでした。

最後に本作公開にあたって冴場撩を演じた神谷明さんは20年前と変わる事なく同じメンバーと同作を作れた事を喜ぶコメントを出していらっしゃいました。
キャッツ・アイ』では藤田淑子さんが昨年末に亡くなられ、戸田恵子さんが一人二役でカバーしていらっしゃいました。
しかし、小学生時代に見たあの『シティハンター』を40歳になって見た時、当時の心境に戻った様な懐かしさもあり、新たな発見もあり。
改めて偉大な作品だなと思いました。
ありがとうシティハンター
またいつかこの目で見たいぜ!
アディオス!!